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伝説のつるぎ 大熊健司
2021年8月29日 00:13
普段であれば、放課後の教室で無駄話をしたり、ファーストフードやゲーセン巡りをすることもあったが、今日ばかりは違った。学校が終わると三人は、一目散に帰路へと着いた。もちろん帰る先はそれぞれの家にではない。勇樹の家へだ。「お邪魔しますー!」「失礼します。」「いいよいいよ、そんなかしこまらなくて。今は誰も家にいないんだし。」勇樹も柄にもなくテンションが上がっていた。「よし、じゃあまずは何
2021年7月25日 02:47
「そう、その調子。いいぞいいぞ。ああそう、そこで必殺技だ。」「ちょっとまっつん、うるさいってば。」「いいだろう、九十九くんは初心者なんだし。」(菅原くんはなんとなくイメージつくけど、松野くんにもこんな一面があるなんて。)英一は二人の、まるで子供同士の喧嘩のようなやり取りを見て、ほほえましい気持ちになった。「九十九くん、ボーッとしないで。」「ああごめんごめん。」「ほら今だよ。」「うん
2021年7月18日 00:46
「えー、待って待って待って!」 人は極限状態でこそ、本当の顔をのぞかせる。完全に追い込まれてしまった陽介になす術はなかった。「よし、俺の勝ちだな。」「まっつん、強すぎるよ。」「本当、松野くん強いね。なんかこういうの得意なイメージなかったから意外かも。」「九十九っち、こう見えてね、まっつんは昔からゲームが得意なんだよ。」「へえ、すごいね。」 ゲームを始めてから一時間ほど、英一もようやく