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「好きなこと以外やらないという生き方は人を怠惰にするか?」に対して。怠惰で何が悪いの?健康的でいいじゃん

僕は「好きなこと以外やらない」くらいの勢いで生きていて、現にそれで生きてこれている人間で人に同じような生き方をそそのかすタイプの人間なのだけれど、「好きなことだけをやって生きていける人なんて一握りでしょ」「そんなのは理想論で机上の空論だ」という反論に関してもとても共感できる。確かに。「好きなこと以外やらない」という生存戦略は強者の戦略だと思う。


そんなことは好きなことで食っていけるだけの力がある人間の綺麗事だ。甘い言葉で俺のことを惑わす詐欺師め!駆逐してやる!!と言われる日が来ることも覚悟している。まあその時は圧倒的な力でねじ伏せた後に「お前も鬼にならないか?」というところまでがワンセットなのだけれど。僕は「好きなこと以外やらない」というテーマについて考える時、常に心の中の猗窩座が腰を低く落とし強者を勧誘している。



ジャンプコミックス『鬼滅の刃』より


お前もこっちにこないか??そういうことなのよね。「やるべきこと」「しなくてはいけないこと」で生きていく世界もあるし、「好きなこと以外やらない」で生きていく鬼の道もある。どちらが正しいとかそういう話じゃなくて、どっちの世界で生きたいか。鬼の世界はいいぞ。好きなことをすればするほどもっと好きなことが増えていく。お金も儲かるぞ。


だがこちらの世界に来るには鬼の血を飲まねばならなくて、鬼の血に適合できなかった者は死んでしまうのだ…だがきっとお前なら必ずや鬼の血に適合して、永遠の命を手に入れるだろう。さあ鬼になれ!という話。どちらの世界も確実に存在している。


「好きなことをするんだから嫌なことだって我慢できるよね?」なんてしょっぱいことをおはなし屋鬼は言わない。好きなことだけやって生きればいいじゃないか。『やった方がよさそうなこと』なんて「好きなことをやるためなんだったらなんだってやるぜ」というマインドになった時でいいんだよ。やりたいくないことは全部やめちまえ。


でも好きなことをやっても腹は空くよな?その時はお腹を満たすことだけを真剣に考えたらいいんだよ。そうやって欲求を一つ一つ満たしていくんだ。「好きなことだけやって生きる」っていうのはつまり、「一旦全部捨ててやりたいことに振り切れ、そのあとにどうしようもなく必要になったものに関しては後から拾いに行け」ということなんだ。「『今現時点で』好きなこと以外は永遠にやっては行けません!」という意味じゃないんだな。生きていくにはお金も必要だしな。


いい子にすることに慣れ過ぎて、頭がよくなりすぎて、社会に適合し過ぎた大人の目を覚まさせるにはこのくらいがちょうどいいんだ。「鬼になれ!」っていうのは「人間を捨てろ!」ってことで、鬼になったら食べなくてもよくなったりするもんなんだよ。


今現時点で持っている「これが必要だ」っていう喉の渇きは、生き方を変えると綺麗さっぱり無くなることもある。つまり?今の君が「絶対に必要だ」と思っていることは、意外に必要じゃないかもしれないぜってことさ。


こうも考えられないか。「好きなことをして生きていくなんて机上の空論さ」と思っている人が世間の多数を占めるからこそ、勇気を出して「俺は好きなことで生きていくぞ!」と決意した人間に価値が生まれる。そうなりたいけれどなれない人がたくさんいるからだ。最初は誰だって「そんなことしてバカねえ」と言われる。みんな実は羨ましいんだ。


だけど「失敗したらどうしよう」「うまくいかなかったらどうしよう」「路頭に迷ったらどうしよう」と思っているから、周りの人は君には内心失敗して欲しいとも思っている。君が好きなことに挑戦して失敗すれば「ほら、好きなことで生きるなんて言うから失敗するんだよ」って言うんだ。内心では(ほら挑戦したら失敗するだろ?自分が挑戦しないことは正しいんだ)と思っている。


君を挑戦しなかった自分への言い訳にしたいんだね。性格が悪いと思うかい?これは人間という生き物の性だよ。僕たち人間はこうやって集団にとって利益にならない異分子を追い出して何千年も生き残ってきたんだ。人間っていうのはそういうもんなんだよ。


だからそこで君が「好きなことだけやって生きていくぜ!」と村を飛び出して、傷だらけになりながらも生き方を模索して、『崖から飛び降りた後に翼を生やす』みたいなことをすると、それを見て「あれ、本当は自分もああなりたかったのに、俺はこんな安全なところで何をしているんだろう」って思う人が現れ始めるんだ。彼は本当は君みたいに大空を飛びたい。でも安全な村を飛び出せない。


彼は君の話が聞きたいよね。お、これは?君の話に需要が生まれたね。需要があるということは?供給すればそれは経済が成立するんじゃないかな?君は自分のために好きなことをやると決めただけなのにね。そこに生まれた経済は君の飛行を大きく後押ししてくれる。追い風が吹くんだ。さあ風に乗れたらあとは飛んでいくだけ。太平洋を超えてカリフォルニアにでも行ってみるといい。行ってみたいなあ、カリフォルニア。


「好きなことだけをやって生きていくと刹那的には気持ちいいかもしれないけど、満足してしまって成長しなくなるんじゃないか?」だって?君はどれだけお利口さんなんだ。満足しないで成長し続けることがいいことだって誰に習ったのかい?子供だった君にそれを教えてくれた大人は今でも最高に幸せそうにしているか??「今苦しくても将来のために頑張るんだよ」って、その『将来』が今なんだぞ。なんで君は今も恐れてるんだよ。今、今なんだよ。


君が「将来の満足」のために今の満足を犠牲にして頑張るとする。3年経ちました。君は今よりももっと成長しました。3年後の君は「今まで頑張ってきてよかったなあ!最高!幸せ!!」と思うだろうか。断言する。思わないね。君はきっとこう言うだろう。「満足してしまったら刹那的には気持ちいいかもしれないけれど、成長しなくなるんじゃない?」


一緒なんだよね。心のあり方はずっと変わらない。「今じゃ足りない」と思っている人はお金持ちになろうと恋人が何人できようとずっと「今じゃ足りない」と思っているんだ。刹那的に気持ちいいことの何が悪い?その刹那をあと60年積み重ねてしまえばもう俺たちは仲良く棺桶の中だ。それでいいじゃないか。


「満足して成長しなくなる」っていうのも疑問だ。僕が今から君に腹がはち切れるほど大トロの寿司を食べさせたとする。君は言う。「なおとさん、もう無理っす、流石にこれ以上食えない…」こうなったら君はもう2度と「うまいものが食いたい」と思わなくなるだろうか?1日でも経てば「お腹すいたな、なんか食べたいな」と思うんじゃないだろうか?


「昨日は大トロたらふく食べたから、今度は焼肉が食べたいなあ、美味しいお店を探してみよう」と思うことは、成長ではないだろうか?何が言いたいかって、人は満足すればするほどもっと満足したくなる生き物なんだよ。そもそも僕たちは満足するために生まれてきてるんじゃないか。


好きなことを徹底的にやったら満足して成長が止まる?そんなこと教えたのは誰ですか?少なくとも僕は、好きなことを好きなだけやって、満足して2〜3日ごろごろしたら「もっと好きなことしてえ、好きなことでお金も稼ぎてえ、どうやったらできるだろう?」って考え始めるよ。僕は自分を「満足し続けて成長し続けている」と認識している。むしろ「まだ足りねえ」って頑張ってる人の方が不健康だよ。心の不足感を煽ってきた大人のいうことなんて忘れちまえ。


「満足してしまえばそこで終わり」じゃない。「満足しないとはじまらない」なんだよ。腹が減ってるんだろう?「お金をたくさん稼げるようになったら美味しいものを食べよう」なんて悠長なこと言ってる場合かいな?食べるんだよ。今腹が減ってるんだろう。食べたいものを食べるんだよ。食べたいものをたくさん食べて身体を壊したらどうするのって?食べたいものを食べずに身体を壊すよりよっぽどマシじゃないか。何言ってるんだ。我慢して我慢して本当に健康になれると思うならこんなブログなんて読んでないでもっと我慢しなよ。正気か?



でも好きなこと、やりたいんでしょ?我慢して我慢して生きる人生がもう嫌なんでしょ?やっちゃいなよ。「好きなことをやっても金にならない」だって?金になるまでやってないからだよ。少しずつやったらいいんだよ。一度に全部変えようとせずに、一つずつ「今日はこれをやめてみるぞ」「今日はこれをやってみるぞ」を365日繰り返していけばいいんだ。その先に「あれ、そういえば俺、好きなことしかしてないな」って状態になるんだよ。


今まで「将来のために今を我慢しよう」と生きてきた人が、明日から急に「好きなことしかしない」という状態で完全に生きていくのは難しい。でも少しずつ理想の状態に近づいていくことはできる。「好きなことで生きるのは難しい」じゃないんだよ。今まで君がやってきた「生きていくためには我慢するしかない」という思考で生きてきた今までの人生を清算するのに時間がかかるだけなんだ。


1日で完了するダイエットなんてないよね。じわりじわりと痩せていく。落ちていく体重を見て「おお、体重減ってるやん!もっと減ったら楽しそうやな…」ってワクワクする生活を3ヶ月も半年も続けてたら、気づいた時には理想の体型が手に入っている。「好きなことで生きる」っていうのもダイエットと同じで、「今日の自分にとって最高の選択をする」ということを気の遠くなるほど繰り返していけば、気づいたら理想の状態に辿り着いてる。そんな感じなんだよ。じわりじわり、やっていこー!





お前も鬼ならないか?鬼は楽しいぞ。好きなことを好きなだけやって生きていける。まあ、体が適合しなかったら死ぬこともあるけど…その時は、その時だよね!!自己責任でよろしくな!!!(心の中の猗窩座腰を落とし微笑む)



ジャンプコミックス『鬼滅の刃』 より

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