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「希望を捨てるな」

ベトナム縦断したり南米に1年間居住したりして、今はタイのお寺で修業中のひろみです。


気づけば1ヶ月以上いたお寺での生活も最終日となっていた。

この1ヶ月でたくさんのことを経験し、たくさんの人と出会ったなかなか中身の濃い期間だった。

最終日ではあっても何か特別なことはなく、先程最後の夜の瞑想とお祈りを終えてきた。

最後なので今までお世話になってきた僧侶たちにご挨拶をしたら、とても良い言葉をいただけたので、共有したい。


「希望を捨てるな」

最後の日に一つ後悔したことがある。

それは、英語を話せない僧侶と会話を全くしなかったことだ。

マスターや一部の若い僧侶は英語が話せるたが、その他のベテラン僧侶はタイ語しか話せなかった。

僕はタイ語がほとんど話せないので、心の中では話をしたいと思いつつも、結局会話せずに最後の日を迎えてしまった。

勿体無いことをしてしまった。


話がずれたが、今日の夜の儀式に参加していたのは、新しい僧侶とベテラン僧侶3人だ。
マスターはたまたま別のお寺にいるため、今日は不在だ。

どの僧侶も何十年も修行をされていて、ずっとあぐらをかいてきたんだろうなーとわかるくらい、瞑想やお祈りをする姿勢がよく似合っている。

今日はその3人にご挨拶をしたが、特に僕に話をしてくれたのは修行歴30年以上のマスターヨーセンという方だ。
※ちなみに、新しくきた僧侶に通訳をしてもらった。

マスターヨーセンという方は70歳くらいだと思うが、めちゃめちゃ元気でいつも大声で話す気のいいおっちゃんって感じの人。
よくお祈りの音頭を取っており、それだけ権威ある方だと思う。


1ヶ月以上いたのにも関わらずほとんど話さなかった僕に最初に言ってくれた言葉は「希望を捨てるな」だった。

「日本人は元気がないと聞く。君は学生の身らしいけど、周りの人もみんな元気がないのかい?
それじゃだめだよ。どんな時も希望を捨てちゃいけない。常に心に希望をセットしておくんだ。

瞑想とお祈りをすることはとても良いことだ。それを続けていれば必ず幸せになれる。幸せでいれば絶望になることなんてない。いつも人生に希望を持てる。
どれだけ大人になっても希望だけは持ち続けるんだぞ」

と言ってくれた。


マスターヨーセンは日本のことを少し知ってくれていた。
僕にも日本人のことや日本人の若者のことなどを尋ねて、その上で「希望を持ち続けなさい」とメッセージをくれた。

正直、僕は失礼なことをしたと思う。
ずっと一緒にいたのにも関わらずあまり話さなかった僕に最後にこんな言葉をくれたのはとても嬉しかった。


最後の日になって改めて、仏教を支えるマスターたちの持つ力を知った。
お寺に来る人たちを皆幸せにし、平和な気持ちにさせてくれる。

今日再びそれを思い知った。

明日の朝バンコクに帰るが、この気持ちはずっと忘れずに持っておきたい。

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