10日目:春休みが終わり舞台は甲子園へ
春休みが終わる。
本当にだらけた。ここ一週間の記憶なんてゲームと野球漫画、ビリーズブートキャンプくらいしかない。ここまでただ楽しいだけの生活を送るとなんか達成感すらも感じてくる。
前日の過ごし方をコピーして、翌日にペーストしたような毎日だったから、良かった部分だけではなく悪かった部分もそっくりそのまま引き継いで、楽しいけど進展もない春休みだった。
変化のない日々だったがアニメ、ゲーム、本、そして漫画には本当に助けられた。
特に最近はスポーツ系の漫画やアニメにドハマりしている。それについても、また今度書いてみようかな。
今回の日記は、まずスポーツ系に火が付く直前に読みなおした漫画の紹介から入りたい。
・東村アキコ『かくかくしかじか』
『かくかくしかじか』は『海月姫』や『東京タラレバ娘』、現在放送中の『美食探偵 明智五郎』など実写化作品も数多くもつ漫画家・東村アキコの自伝エッセイ漫画だ。(全五巻)
今回は読書感想の日記じゃないから、あらすじも感想もサクッと。
この作品はうぬぼれ屋の主人公・林明子(東村アキコの本名)が美大受験を決め、友人の紹介した絵画教室に通い始めるところから始まる。そこで出会ったスパルタの先生・日高と明子の師弟のようでもあり親子のようでもある関係が、明子の美大受験期、美大生時代、社会人時代、新人漫画家時代の回想によって描かれている。
ある日、急にこの漫画を読み返したいと思い軽い気持ちで手に取ってみた。
とにかく刺さった。グッサグサ。
美大受験期、日高は明子にひたすらに「描け。」と言い続けた。
しかし明子は美大に入った途端、遊び惚けて絵を描かなくなる。
日高はそんな明子にもひたむきに、そして真摯に‟絵を描き続ける”ということの重要さを伝えよとする。
罪悪感を感じながら送る大学生活。ひたすらに過ぎるだけの時間。
大学に在学していたり、卒業したりした人の8割くらいがこれを経験しているのではないだろうか。もちろん、その中に僕も入っている。(この8割という数字は僕がそうあって欲しいと思っているだけかもしれない。)
僕も何も考えずにただ時間が経過して気づけばこの春から第3学年である。
5巻にはこんな言葉があった。
先生がいないと私達ダメなんだよ
みんな ただのクズなんだよ
お願い 行かないで先生
刺さる。
正直に言うとこの漫画の感想は‟感動”よりも‟恐怖”だった。
・かくいう自分は
かくかくしかじかを読んで一番怖くなったのは自分の進路だ。
小さい頃から何となく漫画家にはなりたいと思っていた明子とは違い、何になりたいのか自分はイマイチはっきりしない。
僕は現在、四年制の私立大学の建築学科に在籍している。
そもそもなぜ建築なのかというと、中学の頃見たテレビ番組の『劇的ビフォーアフター』をみて、何となく家を建てるのは面白そうだと感じたからだった。
なんて単純なヤツなんだ。
高校野球のアニメを見て高校生の時に野球部に入らなかったことを後悔する僕くらい単純なヤツだぞ。
ちなみに学科の同級生にはこの建築志望理由は話したことがない。だって、めちゃくちゃ恥ずかしい。
そこから大学受験期にモチベーションにつながるかと思って読んだ建築家・伊藤豊雄の本を読み、建築というものが信じらないほどにまで奥行きのある学問であることが何となく分かり、より一層興味がわいた。
(まさか浪人して建築を学び始めるのが1年先延ばしになるなんてこの時の僕はまだ知らない。)
ここまで振り返ると
「建築家になればいいじゃん。馬鹿だなー、砂漠公園は。」
って誰かに言われそうだけど、世の中っていうのはそんなに甘っちょろいモンじゃなかったんだよ。
大学って場所を侮ってた。
授業や教授の出す課題をそこそここなしていけば、みんな足並みそろえて成長して進路やモチベを発見していく場所だと思っていた。
全然違う。
今なら、「そんなわけねーだろっ‼」て昔の自分に全力のツッコミを入れられるのに。
受け身だと精々単位が何とか取得できる程度で、熱意か根気がないと足並みどころか行進している隊列からも遅れかける。
かけるじゃない、実際かなり遅れている。
単位取得のためのレポート時、テスト時の短期記憶による暗記はかなり虚しい。
学歴でお金で買っているなんて考えがあるけれど、僕は買った学歴の価値を下げているんだな。きっともっと同じ値段でも価値の高い4年間を買えてる人もいっぱいいるんだろうな。
かなりウダウダ書いたけど、要するに今学科で出遅れてて僕の選択肢は2つ。
出遅れ何とか取り戻して建築で飯食う覚悟を決めるか、建築から離れて新ジャンルの進路探してみるか。
・ノン建築の道
中学から建築とアバウトに決め込んでいたため、他のジャンルをあまり考えてこなかった。
幸い、小規模塾による洗脳のような浪人期間を経て何とかそこそこの学歴を手に入れたので就職自体はある程度の企業なら入れる気がする。
しかしながら、ちょっと前に鶏口牛後って大学の友達に言われた。
僕は大企業はむいていない、らしい。
確かに僕が大手で働くのは想像できるけど、僕が大手でやりがいを感じながらハキハキと働くのは想像できない。
じゃあ何なら向いてるのか、何が好きなのか。
難しいのは自分の興味を探ることなのかも。灯台下暗し。
・建築の道
話は簡単。学科内で出遅れているから追いつきたい。
個人的に遅れていると感じるのは画力、CAD、知識、自己理解、やる気の5つだ。いや、マジかよ。多いな。
画力は描くしかない。今、学科で必要だと感じるのは‟人に伝える絵”だ。
別に心を揺さぶって感動の涙を流させようって絵じゃない。
デッサン力といえば分かりやすいだろう。これは才能じゃない。描きまくることのみが必要とされる。デッサンをやってない僕も、かくかくしかじかを読んでしまったがために「才能がない」という言い訳が使えなくなってしまった。「描け。」って怒鳴る日高先生の声が聞こえてくる。
描き続けることが重要。
ってことはやる気がモノをいうのか。
知識は本と経験。建築の本を読み、建築を実際に見に行く。
だいぶ分かりやすくていい。
建築を見るのは結構好きなんだ。良かった希望が見えた。
でも、僕は本を最近読み始めた程度だ。建築の本ってなんかべらぼうに難しい。ほんとに伝えようとして書かれているのか謎。ダメだ、希望は消えた。
しかも、大学の教授も
「俺も最初読んだときは、さっぱりわかんなかった。笑笑」とか言ってる。
笑ってんじゃねーよ!!分ってねぇじゃねーかよ!!!!!学生はお前の青春追体験ロボットじゃねーぞ!!!!!!
取り乱しました。すみません。でもやっぱりそんな難しいなら根性で読むしかないのか?
やっぱり、やる気がモノを言う。
CADって聞きなれない人も多いかもしれないけど、簡単に言うとパソコンで設計図を描くソフト。現代、建築で飯食ってくなら基本的に必須のツール。
まぁ、僕は使えないんだけど……。
でもこれもあくまでパソコンのソフトだから才能は大きく影響しない。(自分で書いてて辛くなってくるな…)平面の図面を描いても、ボタン一つで立体にしてくれる便利なソフト。
こんな感じ。(これは教則本におんぶにだっこで何とか指示通りに建てた謎ビル)
これはあくまでも道具。誰も使えない道具なんてない。
当然、訓練さえすれば誰もが使える………はず。
何が言いたいかはお分かりだろう。そう、やる気。
自己理解は自分が進みたい分野を見つけることだ。建築っていうのは本当に広い学問的な範囲にまたがっている。歴史、文化、法律、物理、化学……etc.文系とも理系とも言い難い側面がある。
取り扱う範囲が広いから、必然的に分野も多岐にわたってくる。
それら全て極められたら、きっと宇宙の真理くらい余裕で解き明かせるだろう。要するに無理なのだ。
だからこそ建築と常に結び付けて、自分に必要な部分だけの知識を効率よく吸い取る必要がある。そこで自分の進みたい分野が既に決まっているということは武器になるのだ。武器のない人が偉そうに書いて説得力にかけているけど。
この前、就活生向けの新聞の記事に自分の興味を探るにはとにかく多種多様な物事にチャレンジすべきという趣旨が載せられていた。なんか小学校のきれいごとばかり並べる教師のようだが、実際それが正しいのかもしれない。
何事にも当たって砕けてみる。根性、やる気
ねっ、結局やる気でしょ。
こんなに書いたのに根幹はやる気なんだよ。
困っちゃうよ、本当に。昭和かよ、今は平成も終わって令和なんだぞ。
僕は今までにやる気に満ち満ちる訓練はあまりしてこなかった。
だから、現在スポーツ系の漫画にはまっているのかも知れない。
スポーツ漫画はスポコンのトレーニングだったんだ!
消えかかってた希望が見えてきたぞ!!
21歳春、砂漠公園の甲子園のサイレンが今まさになろうとしている―――
ご愛読ありがとうございました。砂漠公園先生の次回のnoteにご期待ください。
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