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3年1組~保護者会~

さっそく対策を立て、学校と話し合おうとした矢先、学校で問題が起きた。
次男のお友達が、発達障害の子が次男に暴行し、それを暴力で止めたために先生から叱られた。
お友達は、先生が毎日言っている「弱気を助け、強きをくじく」というポスターを引き破り、さらに先生から怒られた。

その日の放課後、学校からの電話がきた。
電話の向こうから聞こえてくる先生の声は厳しいものだった。

「お母さん、次男くんのお友達が問題を起こしました。
発達障害の子を暴力で止めたために叱られ、その後ポスターを引き破るという行為に及びました」

私は驚いたが、同時に理解もできた。
次男のお友達が次男を守ろうとした行動が、逆に叱られる結果になってしまったのだろう。そのお友達の親たちも、その日の出来事を知ると激怒した。

「我慢の限界だ!もうこれ以上見過ごせない!」

緊急保護者会が開かれ、発達障害の子を追い出すべきだ、転校させるべきだと強い意見が飛び交った。
学校の廊下には怒号が響き渡り、混乱の中で話し合いは進まなかった。

発達障害の子の両親は他の保護者の要望に強く反対した。

「転校なんてしません。支援級にも行かせません。普通級で過ごすことが、将来社会になじむために必要なんです!」

この対立により、保護者会はますます混乱を極めた。
多くの保護者は、自分たちの子供が巻き込まれるのは不当だと感じ、怒りをあらわにした。

「なぜ我々がそのために犠牲にならなければならないんだ」

その時、中立の立場を取る保護者の一人が、冷静に提案した。

「支援員を増員するのはどうでしょう?それなら、クラス全体の負担も減るのではないでしょうか?」

しかし、この提案にも担任の先生の反発があった。
自分の力を過信していたのか、
「私一人で対応できます」
と意地を張り、発達障害の子の両親も支援員の増員には消極的だった。

「支援員なんて必要ありません。私たちの子供には普通の環境が必要なんです!」


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