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【1-2】灯し続ける学校の明かり「戸倉しろやまテラス」[あきる野市・戸倉]

みなさん、こんばんは。
毎日温かいルイボスティーに癒されている【かわばた】です。
おすすめの飲み方はミルクティー。
すっきりしてて、うまいです!

さて、戸倉のスポット紹介第2弾は閉校した学校をリノベーションした施設

戸倉しろやまテラス

です!
それでは参りましょう〜

■戸倉しろやまテラスとは?

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地域と都市間の交流を目的とした「体験」「宿泊」「飲食」「展示」の4つの機能を備えた滞在型研修合宿施設です。平成25年3月に139年の歴史に幕を下ろした戸倉小学校をリノベーションし、平成28年4月にオープンしました。

正式名称は「秋川渓谷戸倉体験研修センター」
なんだか小難しい字面なので、愛称の「しろやまテラス」とみんな呼んでいます。

そんなしろやまテラスですが、他のよくある観光施設とはちょっと違うなと感じるのがコンセプトのこの部分。

市が誇る自然、歴史、文化等の地域資源の活用を図り、学校・企業等の団体向けに「農業」や「自然活動」の体験を通して、体験学習及び研修の場を提供し、地元の方と共に、将来を担うこどもから大人まで多様な人材を育成することを目的としております。(公式HPより抜粋)

なんとも教育的‼︎
教育を大切にした模範村戸倉の精神が脈々と受け継がれているように感じます。



■戸倉小学校のこと

明治11年、村有林を売却したお金で建設された「戸倉小学校(当時は戸倉学校)」は、明治期の財政難や社会の混乱を村民たちと乗り越えていきました。

そして、明治39年に日露戦役平和克服事業として、村民の寄付を募り、現在の敷地に新築移転したのです。建設費の約80%が村民の寄付金でまかなえたということで、村民の教育にかける思いの強さがうかがえます。

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屋内体操場や図書室、講堂、児童控え室を完備しているなど、当時としては大変先進的な校舎だったそうです。

今でいうと、オンライン交流用のスタジオや冷暖房完備の体育館がある学校のような感じでしょうかね…

んーハイテク!

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(右上に「敷島の池」・『あきる野市立戸倉小学校閉校記念』より学校図)

先進的な設備を持つ戸倉小学校ですが、中でも私が紹介したいのは「敷島の池」です。

校舎裏に作られた人工池なのですが、池の中に日本列島をかたどるような島があるのです。なぜだと思いますか?

実はこれ、子どもたちに地理学へ興味を持ってもらいたくて作ったものだそうです。今とは違い国内旅行へ気軽に行けない明治時代後期、子ども達に自分の住む島国全体に興味を持たせるためにあれやこれやと先生たちが考えた末に生まれたものだと思うと、なんだか感動しますね。

ちなみに、今は「野鳥誘致園」として様々な鳥たちが集う場所になっています。

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■芸術と地域

しろやまテラスの3階に「アーティスト・イン・レジデンス」(以下AinR)の展示があります。
AinRとは国内外で活動している版画を制作する若手芸術家を地域に招き、共同生活や地域住民との交流をおこなう事業です。若手芸術家の発掘・育成や地域住民の芸術や異文化への相互理解を目指しておこなわれています。あきる野市がまだ五日市町の頃、平成5年にスタートしました。

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版画はぜひ実物を見るのがオススメです。
画面ではわからない、表面の凹凸や微妙な色の具合、インクの重なりなど、実物を間近で見ると色々な発見があります。

版画を見ながら、どうやって刷り出しているのかなぁと、あれこれ考えるのが結構面白かったり。ぜひ、しろやまテラスで版画の奥深さを体験してみてください。


■秋川流域を大地から考える

3階にはもうひとつ、ぜひ訪れてもらいたい場所があります。
それが「秋川流域ジオ情報室」です。

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秋川流域は地形的には関東山地の南東部に位置し、西南日本と東北日本の接点のような場所、つまり日本列島のへそのような場所です。

地層が帯状になっている四万十帯や秩父帯、黒瀬川帯などが集まり、それぞれの構造線(断層の集まり)が走っているため、多くの地学的現象が見られるらしいです。
まさにジオの野外博物館!

そんな秋川流域のジオ情報室には2つの部屋があります。

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まず1つ目が「ジオ展示室」です。
ここは秋川流域をなしている「秋川と平井川をさかのぼる」というコンセプトで、下流から上流へ向かってジオ的な見所を紹介しています。

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もう1つは「ジオ資料室」です。流域から採取された化石や石材などの展示のほか、ジオツアーやモデルコースなどを紹介しています。

また、各種パンフレットや関連図書も置いてあるので、調べ物にオススメです。スタッフに尋ねると色々な話が聞けて面白いですよ!

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さらに、資料室からの眺望は抜群で、晴れた日にはスカイツリーなども見れちゃいます。もともとは図書室だったとのことで、遠くに都心を眺めつつ読書ができるなんて、とても素敵な環境だったんだな〜と思いました。

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■まとめ

かつては子どもの学び舎として親しまれていた戸倉小学校が、今はみんなの学び舎として輝いている戸倉しろやまテラス。
宿泊利用は団体のみですが、館内見学は個人でも平気なので、気軽に遊びにいってみてください。

次回は戸倉の先生、日本のペスタロッチこと

疋田浩四郎

を紹介します。
3/8公開予定、お楽しみに〜

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【参考資料】
・戸倉しろやまテラスHP
・あきる野市HP
・秋川流域ジオ情報室HP
・『五日市町史』五日市町(1976)
・『戸倉 あきる野市立戸倉小学校閉校記念誌』あきる野市立戸倉小学校(2013)
・『秋川流域たのしるBOOK』秋川流域Eツーリズム推進検討会(2020)


文責:かわばた

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