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【4-12】歴史を伝える日本家屋と変わりゆく街並み「旧ヤマジュウ田村家住宅&宿橋通り」[福生市]

みなさんこんばんは!バックスリーです。

暦の上では立冬ですが、日中の気温があたたかい日が続いていますね!

天気がいい日は、紅葉でも見にふらっとお出かけしたいものです。

さて、これまで長く続けてきた福生市編も今回を含めて残り2回となりました!

今日紹介するスポットは、国の登録有形文化財にも指定されている、明治期の日本家屋”旧ヤマジュウ田村家住宅”です。(以下、略して田村家住宅と記載します。)

田村家住宅は歴史を伝える昔ながらの日本家屋ということもあり、以前紹介した、清岩院熊川神社玉川上水などと一緒に散策する和風スポットめぐりなんかもおすすめです。

今回は田村家住宅と併せて、福生市の特産品である日本酒や、田村家住宅が位置する”宿橋(しゅくばし)通り”についても紹介します。

それでは見ていきましょう!

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■明治時代へタイムスリップ!田村家住宅

田村家住宅が建てられたのは明治35年(1902年)。時期的には日露戦争の前あたりの時期です。
その後多少の改築等はありましたが、保存状態も良く、明治期の様子をほぼそのまま今日までに伝えています。

昔この住宅で生活していた田村家は、もともと田村酒造(次の項目で紹介します)を営む田村家の分家として発生しました。
その後田村家は明治44年(1911年)に旧福生郵便局を開設し、大正期には電報電話業務を営むなど福生村の発展に大きく貢献しています。

ちなみに”ヤマジュウ”とは、いわゆる屋号(一門・一家の特徴を基に家に付けられる称号)のことです。

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田村家住宅の建物は平屋建てで、周囲に廊下がめぐらされ、収納スペースが機能的に配置されていることが特徴です。

日本家屋らしい開放的な間取りがとても気持ちが良く、周囲の静寂と相まって落ち着いて見学できます。

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敷地内には2つの土蔵が残されており、こちらも明治期のもの。
土蔵内からは、当時の生活用品や郵便局の業務で使用していた道具が発見されたみたいです。
現在は、ギャラリーとして地域資料等が展示されています。

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基本情報
住所:福生市福生1158番地
開館時間:午前10時~午後4時
休館日:月曜日(月曜が祝日の場合は翌平日)、年末年始
アクセス:JR青梅線福生駅西口から徒歩7分
駐車場有

古民家好きはこちらの記事も!
【2-5】炭と竈で”鬼滅”を感じる 天空の古民家「小林家住宅」

■田村酒造と幻の酒“嘉泉”

ここでは、田村家が分家した元の田村酒造について紹介します。

田村家は江戸時代、福生村の行政を担当した名主(なぬし)を代々務めた家で、文政5年(1822年)に酒造を創業しました。

酒銘の“嘉泉(かせん)”は、敷地内の井戸に、酒造りに適した水を得た喜びからつけられたそうです。

田村酒造の”嘉泉”は幻の酒として現在も福生市の特産品として愛され続けているため、お酒好きな方は西多摩を訪れた際にお土産にぜひどうぞ!

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ちなみに、田村酒造の敷地内には玉川上水から取水した田村分水が現在も流れています。

田村分水は、酒造で精米用の水車の動力として使われただけでなく、水田の水や、地域住民の生活用水としても利用され、地域を長年にわたって潤してきたそうです。

以前の記事で紹介した熊川分水もそうでしたが、改めて玉川上水がもたらした恵みやその大きな影響力を実感できます。

基本情報
住所:福生市福生626
アクセス:JR青梅線福生駅西口から徒歩10分
コロナの影響で蔵の見学は当面中止

■変わり続ける商店街 宿橋通り

さいごに田村家住宅が位置する通り”宿橋通り”についても紹介します。

宿橋通りの歴史は古く、江戸時代の絵図にも記載があり、また明治時代に青梅鉄道が開通してからは、多摩川の渡し場と福生駅を結ぶ街の中心として発展してきたみたいです。

案内板には昭和初期の宿橋通りを描いた絵巻が紹介されており、八百屋や魚屋など多くの商店が立ち並び、商店街が繁栄していた様子が描かれています。

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繁栄を続けた宿橋通りですが、多摩川の福生の渡しの廃止等による交通網の変化により、次第に衰退し、街の中心は福生駅周辺に移っていきます。

現在の宿橋通りは、当時の面影は少なく、一部商店はありますが、大部分は普通の住宅となっています。仕方ないですが少し寂しい気もします。

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今回紹介した宿橋通りに限らず、街は絶えず変化していくものです。
特に商店街なんかは平成に入り、ショッピングモールの建設やチェーン店の進出、ネットの普及等で店数も激減し、消滅していく商店街も少なくありません。

現状、商店街側からすれば時代や周りの環境の変化に合わせて、商売を変化させることは容易でなく、一方で消費者側(特に若い世代)も、商店街があった方が街に活気が出ていいけど、無くても困らないみたいな感じの人が多いんじゃないかなと思います。

空き店舗問題に関しても住居と店舗が一体になっていたりすると、そのまま住居化してしまったり、テナントとしての賃貸借も難しそうです。

今後もし商店街が存続していくとすれば、飲食店街や、サービス業や事務所街等へ商店街の業種転換が進んでいくのかな?なんて思ったりもします。
実際商店街の構成店舗も飲食店の比率が増加しているみたいです!

話が少しそれましたが、これから先、社会がどのように変化して、街もどのように変わっていくかわからないですが、

時代が変化していく中で残したい風景や伝えたいものをどう後世に残していくか

私自身改めて考えさせられるまちあるきでした。

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■さいごに

今回は田村家住宅を中心に関連スポットも含めて紹介させていただきました。
特に田村家住宅は昔ながらの古民家ということもあり写真映えも抜群です!
そして次回は、福生市編の最終回ということで、

ベースサイドストリート沿いの人気ベーグルショップ

を紹介!
それでは次回の更新もお楽しみに!

参考
福生市郷土資料室ホームページ
https://www.museum.fussa.tokyo.jp/yamaju

文責 バックスリー

00-旧ヤマジュウ田村家住宅

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