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【完全公開はnoteだけ!!】あっという間にすぐ書ける!悪心・嘔吐のらくらくアセスメント

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サクッとまるわかり!疾患別看護計画一覧【検索用】

悪心・嘔吐を評価する領域

ゴードンの機能的健康パターン:認知-知覚パターン
ヘンダーソンの14の基本的欲求:適切に飲食する

悪心・嘔吐とは

悪心とは、延髄の嘔吐中枢に軽度の刺激が加わる事により、心窩部、前胸部や咽頭にかけて出現する嘔吐したいと感じる不快感の事を言う。

嘔吐とは、延髄の嘔吐中枢が刺激される事により、胃の出口となる幽門が閉じ、胃の入口となる噴門が開くと共に横隔膜や腹筋が力強く収縮して胃を押しつける事で、胃が逆に動いて(逆蠕動が起きて)内容物を急に吐き出す事を言う。

嘔吐の種類
嘔吐は主に中枢性嘔吐と反射性(末梢性)嘔吐の2種類に分かれるが、原因がはっきりしない嘔吐もある。
-中枢性嘔吐:化学的刺激や機械的刺激が嘔吐中枢を直接刺激して生じる嘔吐の事を言う。
-反射性(末梢性)嘔吐:末梢臓器の刺激によって反射的に生じる嘔吐の事を言う。
-原因がはっきりしない嘔吐:原因が定かではない嘔吐の事。妊娠中の嘔吐や術後の嘔吐がこれに当たる。

嘔吐のしくみ
1.嘔吐刺激~嘔吐中枢まで
-精神的刺激、心理的刺激:大脳皮質を介して嘔吐中枢が刺激される。(中枢性嘔吐)
-化学物質、前庭迷路器官への刺激:刺激がCTZ(化学受容器引金帯)を介して嘔吐中枢が刺激される。(中枢性嘔吐)
-頭蓋内圧亢進による機械的刺激:嘔吐中枢が直接刺激される。(中枢性嘔吐)
-舌咽神経の機械的刺激:舌咽神経を介して嘔吐中枢が刺激される。(末梢性嘔吐)
-化学的刺激、疾患による刺激:迷走神経や交感神経を介して嘔吐中枢が刺激される。(末梢性嘔吐)
2.嘔吐中枢~嘔吐運動まで
嘔吐中枢から「嘔吐して!」という命令が遠心性神経(脊髄神経、横隔膜神経、迷走神経、交換神経)を介して食道、胃、横隔膜、腹筋などに伝わり、嘔吐運動が始まる。
3.嘔吐運動
胃の出口となる幽門が閉じ、胃の入口となる噴門が開くと共に横隔膜や腹筋が力強く収縮して胃を押しつける事で、胃が逆に動いて(逆蠕動が起きて)内容物を急に吐き出す事を言う。

嘔吐物の性状や臭いからわかる悪心・嘔吐の原因
-消化の程度、混入物の有無
大量の胃液:十二指腸潰瘍
少量の粘液+胃液:慢性胃炎、鼻咽頭炎、妊娠
大量の粘液+胃液:胃炎、悪性腫瘍
血液、コーヒー残渣様:出血性潰瘍、胃がん、食道静脈瘤破裂など
食物残渣:長時間経過後してからの嘔吐時の残渣は胃流出路に関連した閉塞
食物残渣+胆汁:イレウス、腸重積
胆汁のみ:胃幽門部狭窄
-臭い
酸臭:胃十二指腸潰瘍
糞便臭:イレウス、幽門や十二指腸の閉塞
腐敗臭:胃残渣への細菌の増殖
無臭:食道囊胞、アカラシア

悪心・嘔吐に必須の情報収集項目

悪心・嘔吐が起こる原因や誘因
-中枢性嘔吐
・精神的刺激(精神疾患、神経性食欲不振症、転換性障害など)
・心理的刺激(怒り・悲嘆・拒絶・恐怖・不安など激しい感情の変化、激しい痛み、不快な臭い、不快な音、不快な光景、不快な味など)
・薬物刺激(抗がん薬、抗ウイルス薬、ジギタリス製剤など)
・細菌毒素(食中毒、急性感染症)
・体内で生産される毒素(尿毒症、肝性脳症、糖尿病性アシドーシス、低ナトリウム血症、高Ca血症、急性アルコール中毒、妊娠高血圧症候群など)
・酸素欠乏性(貧血、高山病、酸素が欠乏する疾患)
・放射線宿酔
・頭蓋内圧亢進症(脳炎、髄膜炎、脳腫瘍など)
※頭蓋内圧亢進症は悪心を伴わずに急激な噴出性嘔吐が起こる
・脳卒中(脳梗塞、脳出血、クモ膜下出血など)
※脳卒中は悪心を伴わずに急激な噴出性嘔吐が起こる
・前庭迷路器官への刺激(メニエール病、中耳炎、乗り物酔いなど)
-反射性(末梢性)嘔吐
・舌咽神経への機械的刺激(舌根への直接的な刺激、咽頭への直接的な刺激、激しい咳嗽)
・化学的刺激(腐った食べ物、金属、催吐薬など)
・心疾患(うっ血性心不全、狭心症、心筋梗塞など)
・食道疾患(食道炎、食道がんなど)
・胃疾患(胃炎、胃・十二指腸潰瘍、胃がん、幽門狭窄など)
・腸疾患(腸炎、腸閉塞、急性虫垂炎など)
・肝疾患(肝炎、肝硬変など)
・胆疾患(胆石症など)
・腹膜疾患(腹膜炎など)
・膵臓疾患(膵炎、膵臓がんなど)
・腎、尿管疾患(腎結石、尿路結石など)
・生殖器疾患(卵管炎、卵巣腫瘍など)
-原因がはっきりしない嘔吐
・妊娠中の嘔吐
・術後の嘔吐

悪心・嘔吐が起こるタイミング(時間、回数、食事との関係)

嘔吐物の量、性状(嘔吐した量、色、消化の程度、混入物の有無、臭い)

悪心・嘔吐の随伴症状の有無と程度(食欲不振、唾液分泌亢進、顔面蒼白、冷汗、呼吸促拍、頭痛、めまい、ふらつき、脱力感、発熱、徐脈、頻脈、血圧の変動、腹痛、下痢、痙攣など)

悪心・嘔吐に関する検査データ(嘔吐物の検査、血液検査、尿検査、レントゲン、CT、MRI、眼底検査など)

悪心・嘔吐に対する治療の有無(制吐薬、輸液療法、食事療法、精神療法、心理療法、胃吸引、胃洗浄など)

悪心・嘔吐に対する治療の効果

悪心・嘔吐に対する患者や家族の反応

悪心・嘔吐のアセスメント定型文

アセスメントの基本的な流れと書き方

アセスメントの基本的な流れと書き方は次の様になります。
1.患者の状態の判断
【患者の情報】から患者の状態は適切ではない・異常である(正常ではない)。

2.根拠の記載
判断した患者の状態は【判断した根拠や理由】によって生じている。

3.実在型問題の記載
現在、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

現在、【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【実在型】の看護問題が起きており、【実在型】の看護問題を挙げる。

4.今後の見通し、リスク型問題の記載
今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】により
【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

今後、患者の【適切ではない・異常である(正常ではない)状態】の随伴症状により【リスク型】の看護問題が起きる可能性があり、【リスク型】の看護問題を挙げる。

作成の方法

・1~4をつなぎ合わせてアセスメントを作成してください。
・【 】の中には具体的な内容を記入するか、項目の中から選択してください。
・( )は表現の言い換えになります。両方または使いやすい方を選択してください。

1.患者の状態の判断

アセスメント作成時の注意点
定型文をそのまま記入する際は、状態に応じて悪心、嘔吐、悪心・嘔吐かを選択して記入してください。
例:患者の状態より
悪心のみの場合:Aさんは2023年2月から悪心が出現し~…。
嘔吐のみの場合:Aさんは2023年2月から嘔吐が出現し~…。
悪心・嘔吐の両方がある場合:Aさんは2023年2月から悪心・嘔吐が出現し~…。

■患者の状態
(悪心のみの場合)
Aさんは【タイミングを記入】に【悪心の状況を記入】悪心が見られている(出現する)。また、悪心に伴う【食欲不振、唾液分泌亢進、顔面蒼白、冷汗、呼吸促拍、頭痛、めまい、ふらつき、脱力感、発熱、徐脈、頻脈、血圧の変動、腹痛、下痢、痙攣など】の随伴症状が見られている。

(嘔吐のみの場合)
Aさんは【タイミングを記入】に【嘔吐の状況、量や性状を記入】嘔吐が見られている(している)。また、嘔吐に伴う【食欲不振、唾液分泌亢進、顔面蒼白、冷汗、呼吸促拍、頭痛、めまい、ふらつき、脱力感、発熱、徐脈、頻脈、血圧の変動、腹痛、下痢、痙攣など】の随伴症状が見られている。

(悪心・嘔吐の両方がある場合)
Aさんは【タイミングを記入】に【悪心・嘔吐の状況を記入】悪心と【嘔吐の状況、量や性状を記入】嘔吐が見られている(している)。また、悪心・嘔吐に伴う【食欲不振、唾液分泌亢進、顔面蒼白、冷汗、呼吸促拍、頭痛、めまい、ふらつき、脱力感、発熱、徐脈、頻脈、血圧の変動、腹痛、下痢、痙攣など】の随伴症状が見られている。

悪心・嘔吐に関する検査データは、【異常な検査データ記入】が異常な数値を示している。

(悪心・嘔吐に対して肯定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は悪心・嘔吐について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、【悪心・嘔吐の全体または一部(具体的に)】を肯定的に捉えている。

(悪心・嘔吐に対する否定的な意見の場合)
Aさん(Aさんの家族)は悪心・嘔吐について【患者の反応(家族の反応)】と話しており、悪心・嘔吐に対して【辛さ・苦しみなどの感情】を訴えている(吐露している・と思っている)

■介入の有無
現在、悪心・嘔吐に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われているが効果は十分でない。(悪心・嘔吐は続いている。)

現在、悪心・嘔吐に対しては【治療、ケアなどの対策】が行われており【効果を具体的に記入】。

現在、悪心・嘔吐に対しての治療やケアは行われていない。

■適切・不適切の判断
(ゴードンの場合)
これらの事から、悪心・嘔吐が見られる現在の状態は適切な状態とは言えない。
(ヘンダーソンの場合)
これらの事から、悪心・嘔吐が見られる現在の状態は異常な状態である。(正常な状態とは言えない。)

2.根拠の記載

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