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ぼやぼやとひとりごと

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記事一覧

嫉妬_100日後にZINEをつくる、83日目

「それが欲しい」という欲望が腹の底から湧きあがり、それがない自分が悔しくて悔しくて、なぜあなたがそれを得たのか、わたしとあなたのどこに差があるのか、なぜ自分をこんな惨めな気持ちにさせるのか、ずるい!ずるい!と地団駄を踏む。 という、非常に厄介な感情。 嫉妬。 どうして人はただ羨望していられないのか。 大好きな相手が、別の方向に視線を向ける。 彼の頬を両手でぎゅっと挟み、顔をぐいとコチラに向かせる。 「あたし以外のもの全部、見ないで」 その時彼女が嫉妬しているものは何か

「だから何?」と言わずにおられない_100日後にZINEをつくる、82日目

「あの子、人形みたいに整った顔だよね」というと 「整形でしょ」と返ってくる。 「この人、肌きれい」といえば 「注射!注射!」 「この俳優、すごいイケメン」「でもゲイっぽくない?」 「(娘が外食で)大盛りがいい」「そんな女子、キモいって言われるよ?」 どいつもこいつもに、言いたい。 だからなに? 最後の発言に関しては、襟首を締め上げ頭突きをカマし、タマを蹴り上げる。 頭の中で惨劇を繰り広げながら、現実では、ただヤギの目で見つめる。 どうして人は、ただ「それ」を「そ

ヤギの目になる荒ぶる魂_100日後にZINEをつくる、81日目

「お前が言うなよ」 と他人に対して思うことが、よくある。 人の粗を探すスキルがずば抜けて高いため。 元旦にテレビをぶっ叩いてイヤホンジャックをぶっ壊した夫が、意気揚々と話しかけてくる。 このあと彼は「ありがとうって言って!」と続け、いつも通り、妻からヤギの目で見つめられる。 昨年、苦労を共にした相手をねぎらっていた。 わたしも彼女の両親を中心としたパニック騒動に巻き込まれ、えらく消耗した。 それでも、家族の一員として当事者である彼女と、他人であるわたしの精神の疲弊度合

楽になる_100日後にZINEをつくる、77日目

年が明けて早8日。 すっかり頭のネジが緩んでいる。が、しばらく意識してこのモードを持続させたい。 ここ数年「苦手なことにこそチャレンジする」をモットーにして、あれこれしてきた。人生において一番真摯に自分と向き合った時期だったかもしれない。それは自分にとって非常に大きな自信になった。知らない世界を知れば知るほど、自分の無知や視野の狭さを実感し、いい意味で「わたしがどう足掻いたって、たいそうなモンにはなれんよ」と、諦めることができた。 自分の手札にはない選択肢を提示され、緊張

息子、言葉狩り星人になる。_100日後にZINEをつくる、79日目

こんなことがあった。 子どもたちと、ドッキリ番組を観ていた。 男性芸人と女性俳優が仕事中に、スタジオで停電が起きる。怯える女性に寄り添われ、芸人がウハウハしているところで電気がつけば、密着していたのは、じゃーん!男性ADでした!という、面白ポイントのわかりにくいドッキリ。 突然の停電により、「こわい」としがみつかれた芸人。女性だと思っている相手の手を握りしめる際、5本の指をからめて<お姫様つなぎ>をした。あわよくばそこからキスへと持ち込もうとする芸人の動きもひっくるめて、

えずく言葉_100日後にZINEをつくる、80日目

もう、書くことがない と、毎晩寝る前に思う。 書くことがぎゅうぎゅうしている人なら、タタタタタタタッ!と華麗にキーを叩き、なんならストックまでつくって毎日投稿できるのに。 でも、それが何になるんだろう。「自己を満足させるため」に努力することに、何の価値があるのか。 という葛藤を連続投稿2週間目あたりからずっと抱えて、今日に至る。 いくら沼の表面を見つめていてもなにも見えてこない。 もう、昨日ですっからかんになったんだもの。 わたしの中のオクサレサマは鎮められたにちがいな

発言者の責任_100日後にZINEをつくる、74日目

朝ごはんの片付けをしていると、ニュースを眺めていた息子に突然言われる。 「ママさあ、40才は若くない!って言ってるけど、50になったら、40は若い!って言うよ。」 うん。その通りですね。 わたしは励まされたのか。 老いを言い訳にするなと喝を入れられたのか。 息子の中にも色んな想いが渦巻いていて、母であってもそれはわからない。 子どもからの言葉は、時に天からのメッセージのように胸にすとんと落ちる。 わたしも子どもたちのように、どう思われたいとか、こう感じさせたい、など考

わたしは負けないです_100日後にZINEをつくる、73日目

占いに書かれていた。 「あなたは負けないです。」 自分で「負けない」と思うことと、外からの言葉としてそれを受け取るのはこんなにも違うのかと驚く。 わたしはずっと、自分の人生において誰かに「負ける」という感覚を抱いたことがない。心の底からいいなあ、と思ったり、涙が出るほど羨ましい!って感じることはある。運動も音楽も人一倍ダメなお陰で「勝てない」経験は山ほどしてるのに。 どうやらわたしの世界において「できない」と「勝てない」はイコールとして存在していないし、「勝てない」=

日々を記して反省する_100日後にZINEをつくる、71日目

12/30,31,1/1の3日間、日記を書いてみた。 今年の小鳥書房文学賞の応募テーマが日記だと知ってから、創作の自信はないけれど、日記ならわたしにも書ける!と思ってチャレンジ。 これが思いの外難しかった。確かに日記は小学校の宿題でも出るし、正解の書き方なんてないからとても自由。その日にあった出来事だけを羅列するもよし、出来事から想起した思考の海にダイブするもよし。 しかし「よい日記」とはなんなのか。 俄然他の人の日記が気になる。 文学作品として残るもの、読書を中心に日々

元旦から嫌われる夫_100日後にZINEをつくる、70日目

3時過ぎに息子と共に布団に入るも、長女と次女の夜更かしテンションの話し声で眠れず、結局5時就寝、11時半起床。 布団の上で息子をなでまわし、乱入してきた次女もこちょぐりまわしていたら昼を過ぎている。 さてさて元旦スイッチを入れますか、とキッチンに入りお雑煮づくり。大根、人参、鶏肉、かまぼこ、椎茸を白だしで煮る。となりの鍋で生姜たっぷりの甘酒をつくる。伊達巻、数の子、栗きんとん、黒豆、玉子焼き。 お正月特番はすでにお腹いっぱいなので、録画していた『ノートルダムの鐘』を観ること

母の大晦日は長い_100日後にZINEをつくる、69日目

10時起床。 昨日のデジャブのように11時に家族の朝昼ごはん。 日本海側の冬らしく、雲の多い空だけど気温12度で暖かい。家中の窓を開けて掃除機かけ。 洗濯機のスイッチを押して、いざ大みそかの買い出しへ。 一軒目、のスーパーへ。おせち用の栗、伊達巻、かまぼこ、数の子、お餅。「どっちかひとつ」を封印された人たちが強気で選ぶ大量のお菓子。スーパーのかご4つと引き換えにヘビのように長いレシートを財布に入れて、生鮮品目的の二軒目のスーパーへ。 牛カルビ1kg!クラシタ600g!カイ

トイレがあってよかった_100日後にZINEをつくる、68日目

今朝7時にトイレに行きたくて目が覚める。 布団に戻り、「せっかく目が覚めたし起きようかなあ」と思っていたらチャイムが鳴る。こんな時間に誰よ、と思って時計を見たら10時半。 ついにタイムワープの能力を習得したらしい。 腹が減って死にそうだと騒ぐ猫と夫にご飯の準備をしていたら、ぐーぐー寝ていた子どもたちもぞろぞろ起きてくる。冬はみんなよく眠る。 「大みそかの主婦は1日中ずっと忙しいので、今日で大学の課題を全部終わらせたい。だから母のことは放っておくように。」と家族に宣言。

「いつもとちがう」に適応するストレス_100日後にZINEをつくる、64日目

鋼の胃をもつわたしが、胃がいたい。キリキリシクシク痛くて、自然とからだが「く」の字に曲がる。視界に入る人もれなく全員にケンカを売りたい。全方位が敵に感じる時、苛々の原因は自分の中にあるとわかっている。苛々しながら淹れるコーヒーはなんで酸っぱくなるんだろうか、と考えてまた苛々する。 先週末から子どもたちは冬休みに入り、部活だの、遊びだの、塾だの、いつもよりみんなバラバラの行動となる。この、家族一人ひとりの予定を把握し、出発と帰宅に合わせて家事の段取りを組む、このマネージャー的

犬も喰わない復讐_100日後にZINEをつくる、65日目

小学生の頃のわたしは非常に強いくせ毛で、仲良しの子から「くるくるー!」といじられていた。わたしも耳が大きいその女の子を「ダンボ!」と呼んでからかっていた。よくある親しい間柄の軽口。 しかし、当時のわたしは自分が肥満児であることや、顔面のコンプレックスがねじくれて被害者妄想に陥り、彼女にくるくるくるくる言われることが我慢ならなくなっていた。なんだか、頭がパーみたいだし。 彼女はずんぐりむっくりのわたしと違って、すらっとしていて歌も上手く、なんでもそつなくこなす。自分のコンプレ