えずく言葉_100日後にZINEをつくる、80日目
もう、書くことがない
と、毎晩寝る前に思う。
書くことがぎゅうぎゅうしている人なら、タタタタタタタッ!と華麗にキーを叩き、なんならストックまでつくって毎日投稿できるのに。
でも、それが何になるんだろう。「自己を満足させるため」に努力することに、何の価値があるのか。
という葛藤を連続投稿2週間目あたりからずっと抱えて、今日に至る。
いくら沼の表面を見つめていてもなにも見えてこない。
もう、昨日ですっからかんになったんだもの。
わたしの中のオクサレサマは鎮められたにちがいない。
なのに、朝起きれば、沼の表面にぽこぽこと泡が立ってくる。
沼の底から、昨日まで気づかなかった異臭が湧き上がる。
自分はまだ瘴気をまき散らし足りないのか。
あーあ、めんどくさい。
「そんなにめんどくさいなら、人間やめなよ」
って子どもの頃よく言われたなあ。
袖から飛び出てるほつれ糸をちょいとひっぱったら、ぎゅーっと千切れるまで引っ張らずにはおられない。
ずぼら人間は、ほつれたものをハサミでちょきんと切ることができない。
袖と同じようにヨレヨレの状態になるまで、言葉を吐き出すハメになる。
作家でもないのに、仕事でもないのに、こんなに苦しがってまで「書く」必要性に駆られているのは何故か。あんた一体なんなのさ。
達成感オバケに憑りつかれているだけなのか。
ただの、おしゃべりおばさんなんだろうか。
80日間書いてきて、さすがに自覚した。
「書くこと」は、自分にとって全然楽しくない。
しんどい、苦しい、書き終わるまでは浅い呼吸しかできない。
なのに腹の底から、言葉がえずく。
受け皿を探して、noteを開く。
口の中に胃液がせりあがってきたら、口をおさえて便器へ走る。
一度吐きはじめたら、吐ききるまで止められない。
早くスッキリしたくて文字を落とす。
上手に吐ききれなければ、しばらく胃のむかむかが続く。
連続投稿チャレンジによりわたしが得たものは、吐き癖なのか。
自分の吐瀉したものを観察するように、読み直す。
ちらっと見て、水洗レバーを引く日もあれば、「なんだこれ」と凝視してしまい、何度も何度も読み直す日もある。
ただし、一度「公開」ボタンをクリックして水に流してしまえば、みんな同様に忘却の彼方へ。
そんな日々の排せつ物をまとめてZINEにしようとしている自分は、正気じゃない気がしてきた。
今日の沼がやけにくさいのはきっと、この本を読んだせい。
最高にしびれた。
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