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セドリをする——古本を仕入れる4つの方法(3)

別冊 本の仕入れ方大全 3(3)

セドリとは

 古本を仕入れる方法の三つ目は「セドリ」である。「競取り」とも「背取り」とも書くようだが、後者の字義通り「本の背を見て取る」ことだ。自分でそれ以上の値段をつけられそうな本を、古本屋で買うだけだ。

 自店向きでなかったり、専門外であったりするものについては、値段を安くして外のワゴンで販売している古本屋が多い。また、ブックオフなど大量の古本を扱う新古書店にも、掘り出し物が隠れていることがある。そういうものから、価値を認めたものを買っていく。

 古書組合に入ったり、買取をしたりするのはハードルが高い、もっと気軽に本を売りたいという場合、セドリはよい方法だ。ただし、転売目的でセドリを行い、継続的に古本の販売を行っていく場合は、たとえ買取を行わないとしても、古物営業法上、古物商を取る必要がある。

 他の商品をメインにして少しだけ古本を売る、というような形であれば、セドリだけでも成立する。また、古本がメインの店をセドリだけで営んでいる人も存在する。組合には入らずに、買取も基本的には行わず、知人や常連からのみ買取をするなどのスタイルを取る。一人でやっていれば、週のうち数日に営業日を絞るか、もしくは午前は古書店を回ってセドリをして、午後から店を開けるというような形で営業する。何より、自分が選んだ本だけで本棚を構成できるメリットがある。

まずは自分の蔵書を売る

 一箱古本市(二九〇頁を参照)やフリーマーケットなどに出店する場合など、初めて古本を売るときは、まずは自分の蔵書からスタートするのが、何より簡単な方法だろう。私物を売るにあたっては、古物商の許可は必要ない。なにより、自分の本棚から本を抜いて並べることから始めれば、客に商品の説明もしやすいので、接客においてもハードルが低い。また、小さな古本屋をオープンするにあたって、まずそれまでに蔵書を蓄え、それを売るところから始める人も多い。まずはそこから始めて、後に古書組合に入ったり、買取を始めたりすればいい。

現代的なセドリ

 Amazonや楽天などのネット書店でセドリをしている人もいる。そうしたところには、安いものでは「一円+送料」で売っている古本がある。自分ならそれ以上の値段を付けて売れると思えるものを買っていく。

 もちろん、インターネットでの販売価格は、おおよそ相場が決まっている。一円で売っているような商品は、その本を買おうと検索する人に対して、市場に出ている冊数が供給過多であるために、値崩れしている商品である。

 しかし、本は必ずしも目的をもって買われるものではない。そうした本の中にも、リアルの店で売れば魅力をアピールできる商品はたくさんある。ピンポイントで探している人は少ないとしても、偶然見つけると買いたくなるような魅力をその本自体が持っていたり、あるいは売り場の演出によって作り出せたりする。特に、雑貨屋やカフェなど本を探しに来る人が少ないような場所であれば、その店に合ったものであれば、インターネット上での相場とは関係なく売れていく。

 あるいは、海外のサイトやオークションなどで売られている本で、日本のネット書店に出品すれば利益が出るような商品もある。そうしたものを見つけて転売することを専門にしている人もいる。

※『これからの本屋読本』P153-154より転載


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ブック・コーディネーター、クリエイティブ・ディレクター。新刊書店「本屋B&B」(東京・下北沢)と出版社「NUMABOOKS」を経営しつつ、「八戸ブックセンター」「神保町ブックセンター」「BIBLIOPHILIC」などの仕事をしています。散歩社取締役、バリューブックス社外取締役も。
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