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中国広告紹介「ポロヤ化粧品」 

中国の企業広告は、2010年代までは「とにかく安い!」「とにかく露出!」という時代が長かったのですが、最近は違うんです。
日本と同様に、企業の姿勢や企業のメッセージを押し出して共感を呼ぶ広告も流行してきており、本日はそんな現代の中国を反映したCMを紹介します。

構成は女性の一人語りとイメージ映像の繰り返しでメッセージ性の非常に強い映像になっています。
今日紹介するのは、ポロヤ化粧品という、中国杭州の化粧品メーカーのCMなのですが、原稿を翻訳して一部抜粋してみましょう!

私たちは 女性は理系に向かない と言う 
私たちは 男性がなぜ介護を学ぶの? と言う
私たちは女性に どうやって家庭と仕事とのバランスを保つのかを聞く
同じ質問を男性にはしない。あなたはどういう状況下においてジェンダーを意識するのか
<中略>
女性は
たくさん本を読む必要が無い 
仕事に力を入れる必要はない
仕事のできる旦那を見つければよい
家庭を中心にするべきである
そしてまた私たちは
男性は泣いてはいけないと言う
男性がピンクを選ぶのが恥ずかしいと言う

<中略>

それはなぜか
女性は優しくあるべき 
違う
「人」は優しくあるべき
男性は強くあるべき
違う
「人」は強くあるべき
女性は家庭と仕事のバランスを取るべき
違う
「人」は家庭と仕事のバランスを取るべき
男は泣いてはいけない
違う
「人」は泣いてはいけないのでしょうか?
私たちは強くも、優しくも、勇敢にもなれる。
ロマンティックになれる。
泣くことだってできる。
性別には境界線はない。偏見にこそ境界線がある。


PROYA(ポロヤ)化粧品
 2003年創立の中国杭州の大型化粧品グループ。研究、生産、販売が一体化している。先進な海洋の科学技術の運用に専念して、深海の駐顔エネルギーを発掘し、アジアの女性に全面的全面、全新なスキンケア体験を提供する。


「性别不是边界线 偏见才是(性別には境界線はない。偏見にこそ境界線がある。)」
というのが本広告のキャッチコピーです。

この広告の素敵なところは、化粧品メーカーだからと言って女性だけを応援するわけではなく

「人」は優しくあるべき
「人」は家庭と仕事のバランスを取るべき

と、「人」を主語に変えたところです。
普通なら「男性も優しくあるべき」としてしまいそうですが、逆の発想で全ての人を応援するメッセージとなっております。

また、中国の化粧品会社のアンバサダーは男性であることも珍しくなく、美に対して性別問わず全ての人に門戸が開かれているというのも日本と異なる点です。
ちなみにポロヤ化粧品のアンバサダーは范丞丞(ファン・チョンチョン)という、男性アイドルグループのメンバーです。

ちなみに、中国は日本よりもジェンダーギャップ数値が良く、ランクも日本の120位に対して中国は107位と上位ですが、先進国の中ではまだまだ低い方です…!

こういった意見広告が中国でも多く見られるようになってきました。
引き続き次回も中国のクリエイティブ広告を紹介していこうと思います。

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次回は6/23に、同じく中国の広告紹介記事をリリースします!お楽しみに!

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