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プロのオーケストラ打楽器奏者に聞く! (その1) ...マレーシアで活躍するプロのパーカッショニストに聞く 音楽、多言語文化、英語のつながり

はじめに

2007年にTOEFLメールマガジンの筆者のコラムFor Lifelong Englishに掲載したインタビュー記事です。海外のオーケストラで活躍しているプロの打楽器奏者菊池清美氏にインタビューしました。インタビューから17年経ちますが、フロリダ州立大学学士号取得、Juliard修士号取得、そして海外オーケストラ副主席兼奏者へ!大好きな音楽の道を海外で開いたその才能と活力、若い方々に参考になると思います。


菊池清美氏の略歴


今回は「プロのオーケストラ打楽器奏者に聞く! ~マレーシアで活躍するプロのパーカッショニストに聞く 音楽、多言語文化、英語のつながり」と題し、 マレーシアフィルハーモニー管弦楽団Malaysian Philharmonic Orchestra(MPO),副主席assistant principal・ ティンパニ打楽器 奏者(timpani/percussion)として活躍されている菊池清見氏にお話を伺いま した。

菊池氏は、高校時代に交換留学生として米国に留学したのがきっかけで、フロリダ 州立大学の音楽科に進学し、その後超難関ジュリアード音楽学院Juliard School of Musicの大学院に進学し修士号を取得しプロとして活躍されています。

その 前向きなエネルギー溢れる人生に、英語はどのように関わっていたので しょうか。音楽の才能を見い出され、英語を身につけ、そして多言語・ 多文化の環境を実に楽しんでいらっしゃる菊池さんのこれまでの経歴の 中に、英語が上達するカギも隠されているような気がしてきました。

(その1)ではイントロダクションとして、菊池さんが活躍されているマレ ーシアの環境やマレーシアフィルハーモニー管弦楽団についてお話しいただきます。

マレーシアについて

鈴 木: マレーシアといえば、多言語・多文化・多国籍社会という印象で すが、一般にはどんな言語を話されるのですか。

菊 池: 主にマレー語、タミル語、そして中国語が話されますが、公用語 は英語です。特にクアラルンプール市内では、多種多様な言語的 背景をもつ人々がいますので、お互いのコミュニケーションをと るために英語は必須です。でもみんなそんなに上手ではないんで すよ。ときどき他の言葉が混ざったりしています。それでも全然 いいんです。

鈴 木: たとえば菊池さんが英語でお話しているときにマレー語が混ざっ ても、なんとなくわかるわけですか?

菊池: はい(笑)。住んでいるうちになんとなくわかるようになります ね。少しずつ覚えて使ってみると喜んでもらえたりして。向こう の人も、外国人なのに勉強してくれている、と嬉しく思ってくれ るみたいです。

鈴 木: そうして言葉だけでなく、言葉の意味する物事に関心を持つよう になるんですよね。

マレーシアフィルハーモニー管弦楽団 (Malaysian Philharmonic Orchestra)について


鈴 木: オーケストラの構成はどのようになっているのですか? 菊池: メンバーは105人で、日本人は8名です。全部で約22カ国からき たメンバーで構成されています。打楽器奏者は全部で4人です。そ の中で私はティンパニーと打楽器を両方担当しています。

鈴 木: 指揮者はどういう方ですか? 菊池: シーズンの約半分は主席指揮者といって、私たちのオーケストラ 選任の指揮者が指導するのですが、あとは客演指揮者といって、 いろんな国から招いています。

鈴 木: そうすると、指揮者は必ずしも英語を話すとは限らないですよ ね?

菊池: そうですね。ヨーロッパの人もいますが、韓国の方もいます。英 語が片言でも全く気にしません。多少間違っていても気にせずど んどん話します。その人の音楽のアイデアが、コミュニケーショ ンできればいいわけです。

鈴 木: もちろんプロでいらっしゃるから、まず音楽ですよね。音楽でつ ながっているんですね。とても楽しい空間ですね。そうやってい るから、英語もどんどん上手になっていくのでしょう。


鈴木の一口コメント


お話を聞いているうちに、マレーシアに行きマレーシアフィルハーモニ ー管弦楽団の演奏を聴いてみたくなりました。マレーシアではまだクラ シック音楽がそんなに浸透しているようではないということですが、こ の管弦楽団は地元の学校に出かけていっては子供たちに音楽のよさ、楽 しさを伝えているようです。女性の打楽器奏者が少ない中、ましてや、 日本人として外国でプロ活動をするのはとても大変なことであったよう です。菊池さんはとても前向きで行動的でかつ優しさを兼ね備えた素晴 らしい人です。(その2)も是非楽しみにしてください。アメリカ留学時代の 話が聞けます。

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