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災害時に読者から届いたSOSとローカルメディアにできること
拡散にご協力ありがとうございます。奇しくも今日で東日本大震災から8年半。今回いろいろなところで冷房のついた環境や充電場所、シャワーを開放する等の助け合いがあり、改めて地域の繋がりの大切さを感じます。今日も微力ではありますが出来る限り情報収集と発信を続けます。#千葉県停電 #千葉台風
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 10, 2019
こんなツイートをしたのは、2019年9月のことです。
あれから1年半が経ち、東日本大震災から10年となる今、改めて令和元年房総半島台風での経験を振り返り、災害時に我々ローカルメディアに求められたことが何だったのかを記録しておきます。
「まさか千葉が」
2019年9月9日、千葉県に上陸した台風15号の影響で、県内では最大約64万軒が停電。強風による建物被害や倒木等が多数発生し、『ちいき新聞』を配布しているエリア内でも、停電の長期化や、断水・通信障害など、読者の皆さんの生活に大きな被害が生じる災害となりました。正直私自身ここまでの事態は予想しておらず、「まさか千葉が」という気持ちでした。
社員やレポーターさん、配布スタッフさんも被災しましたが、「少しでも何かできることを」と、編集部では自治体から発信される避難所情報などを収集し、SNSで拡散することにしました。
#千葉台風
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 10, 2019
★市原市備蓄飲料水の配布(市HPより)https://t.co/xewRlTLejz
飲料水(500ミリペットボトル)の配布について
(1)配布日:2019年9月9日(月)午後9時から9月11日(水)午後5時まで
(2)配布場所:市原市役所第一庁舎守衛室前
(3)配布本数:1人6本まで
(4)配布方法は↓(つづく)
すると、DMやコメントなどで、地域の皆さんからさまざまなSOSが届きます。まず一番多かったのは、「避難所がどこで開設されているのか分からない」「水や非常食はどこで配布されているのか?」といった声。各市のHPや防災メールなどで情報は出ているのですが、いざという時に必要な情報をどこから、どのように得られるのかを知らない方が予想以上にいらっしゃることを目の当たりにしました。
更に、通信障害により情報収集ができないという問題も起きていました。そこで無料Wi-Fi開放の情報をツイートすると、2,277件リツイートされ、インプレッション数は23万を超えました。紙媒体にしかできないこともたくさんありますが、やはりこういう時のTwitterの拡散力はすごいです。
千葉県全域で無料wifi ネットワーク名(SSID)「00000JAPAN」が解放中https://t.co/zONZUjpB1S
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 10, 2019
『ちいき新聞』2019/8/23号 防災特集より
日本での大規模災害時に被災者がインターネットに接続できるように無料で提供される公衆無線LAN。スマートフォンやパソコンがあれば、無線LAN接続画面から
ちょうど直前のちいき新聞8月30日号で防災特集を組んでおり、その紙面に災害時の無料Wi-Fiの記事を掲載していたのでした(※ツイート内の「8/23号」は誤りです。すみません)。改めて防災特集の意義を痛感すると共に、私たち自身が日頃から最新の防災知識にアンテナを張っておくことが重要だと感じました。
▲▼2020年の防災特集記事
長期化する停電と断水
まだ残暑が厳しい中で停電と断水は長期化。次第に人々のストレスも募り、ちいき新聞に届くSOSも多様化していきます。
・携帯の充電ができる場所を教えてほしい
・携帯がつながりづらいので、「日付、時間、場所、内容」を簡潔にまとめて、スクロールしなくても必要な情報がぱっと見て分かりやすいよう発信してほしい
・お風呂が利用できる場所はあるか
・熱中症が怖いので涼しい場所に避難したい
・アレルギー持ちの子どもがいるので、アレルギー対応の食事をどう確保したらよいか
・子どもが不安やストレスを抱えている。何かよい解消法はないか
など。
中には「なぜテレビであまり報道されないのか」「テレビを見ても今欲しい情報がない」といった苛立ちも。無理もありません。気持ちはよく分かりました。その一つひとつに答えることしかできないもどかしさもありましたが、当時の編集長を中心に、正確な情報を、できる限り早く届けることに努めました。
【子どもたちのストレス発散に】
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 14, 2019
被災時の子どものストレス解消にアイデアはないかと読者様よりご連絡をいただきました。東日本大震災で活用された事例を中心に情報を集めてみました。身体を動かすものに関しましては、熱中症などに十分お気をつけください。#千葉県停電 #台風15号
東日本大震災の教訓にも随分助けられました。
届いたのはSOSだけではなかった
一方で、私たちの元に届いたのはSOSだけではありません。こんな切羽詰まった状況でも、「今何かできる支援があれば教えてほしい」といった声もたくさんいただいていました。
#台風15号被害
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 12, 2019
読者様やフォロワーさんから「今何かできる支援があれば教えてほしい」というお声をいただいております。9/12 10:30現在 千葉県庁に取材をした情報は下記の通りです。
県では個人での物資受付はしておらず、企業・団体のみの受け入れになっています。↓つづく
その他、お風呂を無料開放してくれるという温浴施設や宿泊施設、ペットを無料で預かってくれるというペットホテル、「どなたでも涼みに来てください」「携帯の充電できます」という地元商店などからも情報をいただき、いわゆる「地域のつながり」を、実体のあるものとしてまざまざと感じたのでした。
と同時に、お恥ずかしい話ですが、自分が思っていた以上に『ちいき新聞』が地域の皆さまに頼りにしていただけていることを知りました。信頼できる情報源として認知していただいているという自覚を、もっと持たなければならないとも思いました。フリーペーパーは市の広報紙などとは異なる物ですが、取材を通して自治体とのつながりは持っていますし、さまざまな地域情報が蓄積されています。それらは有事のときこそ誰かの役に立つという意識を持って、地域における自分たちの役割は何なのかを考えていかなければなりません。これはコロナ禍でも感じていることです。
今私たちにできること
こうした台風被害の経験をふまえ、私たち地域密着のローカルメディアにできることしては、
・記事を通して地域のつながりをつくる情報発信をする
・毎年の防災特集などで地域の防災意識を高める(2021年の防災特集は8月27日号の予定です)
・地域の声に耳を傾け、細かいニーズに応える
・Twitterでできるだけ多くの方とつながっておく
といったことが挙げられます。小さなことでも、日頃の積み重ねが大切だと思っています。
また、どなたでもできることとして、お住まいの市町村の防災メールに登録すること、各自治体のTwitter公式アカウントをフォローすることをおすすめします。地元のコミュニティFMの存在も確認しておくと良いと思います。
【各市の防災安心メール登録方法(9/15 13:45調べ)】
— ちいき新聞🌱#地域のお店守り隊 で飲食店応援中📣【公式】 (@chiikishinbun) September 15, 2019
※迷惑メール設定をされている方は、下記のドメインからのメール受信およびURLつきのメール受信の許可を行ってください。
※各種情報の取り扱いや設定の詳細については各市町村のHPを参照ください。
私は何かあったときにすぐ情報発信ができるよう、自分のTwitterの「リスト」機能を使って自治体の公式アカウントをまとめているのですが(以下参照)、最近そのリストをフォローしてくださる方が増えています。良かったらそちらもご活用ください。もちろん我々も可能な限り情報発信しますので、ぜひちいき新聞のTwitterもフォローよろしくお願いいたします。
微力かもしれませんが、住んでいる地域にちいき新聞があって良かったと思っていただけるような存在であれたらと思っています。
それではまた。
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