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【緊急調査結果】新型コロナによるスタートアップ企業影響とその対応策

 こんにちは、nks start-up tableです。
 5月31日までの緊急事態宣言延長、新型コロナウイルスの感染拡大予防対策…いつテレビをつけても、世界の感染状況や経済の縮小について報道しているような毎日が当たり前のことになってしまいました。
 そんな中、nks start-up tableでは、新型コロナウイルスの影響及び対応策の実態を発信するべく、スタートアップ企業を対象に緊急アンケート(2020年4月20日~5月3日)を実施しました。ご協力いただいたスタートアップ企業のみなさま、誠にありがとうございました。今回はシード期~ミドル期である19社の回答を基に、スタートアップ企業への具体的な影響と、各社が取り組むポストコロナ時代に求められる動きについて解説させていただきます。

▼アンケート回答者属性
○成長ステージ成長ステージ

○業種
業種

▼アンケート結果
 新型コロナウイルスによるスタートアップ企業へ与える影響は以下の通り。

●新型コロナウイルスによる売上高への影響

売上増減

 約6割以上のスタートアップ企業が「売上高が減少している」と回答。
その一方、「売上高が増加している」と回答したスタートアップ企業も複数みられました。

 売上高が増加していると回答したスタートアップ企業の事業領域は、「Eコマース」「ヘルスケア」「シェアリングエコノミー」領域の方が多く、また売上高が減少していると回答したスタートアップ企業の事業領域は、「旅行・グルメ」「エンターテイメント」領域が中心という結果でした。外出自粛により、接触型のビジネスには大きな影響が出ていることがわかります。

 この比率や傾向は、スタートアップ企業にかかわらず、上場企業も同じ状況となっています。

図121

 帝国データバンク「TDB 景気動向調査」による1万社以上の上場企業の前年同月の売上比の比較データでは、2020年3月時点で、売上高が減少している企業は55.8%と半数を超え、増加している企業の割合は、21.4%。業種別で売上高が上昇しているのは、電気通信サービスやソフトウェア業界、IT業界。下降傾向にあるのが、「製造」 次いで「サービス」 、「小売」。このように、スタートアップ企業でも上場企業でも、コロナウイルスの影響の受け方は「事業領域」によって大きく分かれています。

●現在最も困っていること

困っていること

 スタートアップ企業への具体的な影響としては、売上へ直結する販路拡大と資金調達ができないことです。特に販路拡大ができない理由として、オンライン商談では限界がある(57.1%)が一番多く、次いで既存顧客の予算がカットされている(50.0%)、展示会の中止等により新規顧客のリード獲得ができない(42.9%)という結果でした。また、その他の回答として、「海外進出ができなくなった」、「研究開発に必要な資材が調達できない」、「海外企業と連絡がとれない」など、新型コロナによるグローバルビジネスへの影響もみられました。

▼ポストコロナ時代のヒント
 コロナ時代でも事業を前進させるには、その先にある市場のニーズを正確に捉えることが必要です。新しい社会に合わせて今をアップデートするために、以下のような情報はそのヒントとなるかもしれません。

●COVID-19 Startup Information Hub Plug and Play
http://japan.plugandplaytechcenter.com/covid-19/
●インキュベイトファンドが考えるCOVID-19によって生じる社会課題と市場機会
https://note.com/incubatefund/n/nac53f92aef00
●COVID-19: ビジネスへの意味合い
https://www.mckinsey.com/jp/our-insights/covid19-implications-for-business

 また今回、アンケートに回答していただいたスタートアップ企業の方々にも、新型コロナウイルスで業績への影響が避けられないなかで、すでにポストコロナへの変化を見据え、ビジネスチャンスを捉えようとする動きも出ています。

●最も困っていることの対策として現在やっていること
◯「資金調達ができない」と回答したスタートアップ企業
・マーケティング支援などの新しい売上作りの検証。先を見越した新規事業検討。
・トップライン上げるために、SaaSからコンサルティング商材の導入
◯「販路拡大ができない」と回答したスタートアップ企業
・現存のリソースを活用できる新しいビジネスモデルを検討中。
・オンラインセミナーの開催計画など。
・新規事業の立ち上げ。
・トップライン上げるために、SaaSからコンサルティング商材の導入。
・自社の強みを活かした他領域への展開。

 コロナ禍が始まったばかりの頃は、「緊急対応」として取り組みが多くみられましたが、現在は「withコロナ」「postコロナ」といわれるような、もう少し先の未来に向けて現実的な「実験」をスタートさせているフェーズとなっています。

 デジタル化に乗り切れていない企業や個人にも、このコロナ禍は確実に新たな基準を生み出すきっかけとなっていることは明らかです。ポストコロナ時代に、どこへ向けて舵をきるのか、また世界とどうコミュニケーションしていくのか、今後もさまざまなスタートアップ企業のみなさまと、コミュニティ活動を通じたディスカッション、また壁打ち相手としてもサポートしていきたいと思いますので、お気軽にお声掛けいただければと思います。

大変な時期ではありますが、一緒にこの危機を乗り越えていきましょう!
どうぞよろしくお願いいたします。



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