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26歳の引越し

投稿しないまま下書きに眠っていたやつを。

2021.6月おわりごろ

会社を辞めて有給消化の間、会いたい友人たちに会いに行ったり引越し準備をしたりしていたら大阪での生活は一瞬で過ぎ去り、東京に越してきて早2週間ちょっと。7月から新しい仕事が始まるから、あっという間に私のお休み期間も残り少しに。正直、前職の退職日と新しい仕事の開始日を決めるときに、1ヶ月弱も休みが取れるのはいいけれど暇すぎて気を病むのではなかろうかと悩み有給を潰して働こうかなどと考えたりもしていた自分…。思い留まってよかった〜というかあと2ヶ月くらい休んでも全然よかったよ、という感じ。余白が生活を、暮らしを豊かにしてくれるし、それだけじゃなく忙しなく過ごしているときには見過ごしてしまっている自分の感情や感性にも気付けて、充実してた1ヶ月弱の休暇時間。

なかなか時間が取れずに会えていなかった遠くに住む大学時代の友人に会いに行って、大学の時みたいに友達の家に泊まってひたすら好き放題しゃべり続けた。根っから気の合う友達と話している時間って本当、かけがえないな〜改めて。価値観の似ている友達の近況を聞くのはワクワクして刺激を受けるし、新しい発見も多くて。

コロナ禍で大阪から出られず田舎の実家へも帰れず、大阪での生活が当たり前になっていたけれど、仕事も住む場所もバッサリと変えて手ぶらで歩いたあの町の夜はびっくりするほど真っ暗で、いくら目を凝らしてもなにも見えなくて、でもこの暗さが本当の夜だったってハッとした。商業施設や人工的な灯りの溢れる大阪の夜は昼間みたいに明るくて、一人でいるのもちっとも怖くない。夜更かしするのも夜中まで出歩くのも何の違和感もないほどに昼と夜の境目がなくて。それはそれで都会の魅力のひとつ。だけどそれに慣れすぎて、少し目線を変えれば、生活を変えれば、それ以外の選択肢も暮らし方も無数にあるっていうことをすっかりと忘れ去ってしまっていた自分に気付いた。大阪で住んでいた家はオフィス街からすぐのところにあって、歩いて会社へ行けるのが好きだった。夜もマンションの周りは住宅やオフィスからの光でキラキラしていていつでも明るい世界。夜に近所の公園に散歩に行くのが気持ちよくて。なんの不満も持っていなかったけど、真っ暗で静かな友人宅で部屋の灯りを落として眠ったあの夜も忘れられないな〜どっぷりと深い夜に包み込まれてからっぽになって眠る感覚。どっちがいい悪いはなくて、それだけ世界は広くて選択肢はたくさんあるということ、忘れないようにしたいな。選択肢が多いほど、心の余裕は大きくなる。そんなことに気付けたのも思いがけずできた余白あってのこと。

余談だけれど、せっかくだしワイン開けようかって、テンション上がったワインの開け方よく分かっていない2人がワインの栓を抜こうとしたんだけど、全然抜けなくて。怖いから中庭出ようって縁側から外に出た瞬間、ポーン!と夜空高くにコルクが舞った。突然の出来事に一瞬時が止まってえ?ってなってたら、静寂な中ボンってコルクが屋根にバウンドする音が響いて、2人顔を見合わせて声を押し殺しながら爆笑したの、本当シュールで完璧に坂元裕二の世界だったなあれ。楽しかった思い出です。

そんなこんなで始まった東京生活。大学からかれこれ8年以上大阪に住んでいたので、なにも知らない土地で暮らすってなんて大変なんだ…と今更になって気付く。ちょっとした買い物をしたくてもどこに行けば売っているのかいちいち調べないと分からないし、カフェで作業したくてもどこが人が多くてどこが穴場なのかも分からず、友達との待ち合わせもスポット名が分からないので言葉が通じずなかなか集合できない(そういえば大阪に住み始めた時も"ビッグマンとは…?"ってなったなあ)。駅の広さやホームまでの距離感も知らないから電車は乗り損ねるしエスカレーターは癖で右側に立ってしまう。いろいろ探り探りやっているけど、友達とか美容師さんと話して気付いたのは、結局住んでる人に聞くのがいちばんだし東京の人と喋るのが、ネットや雑誌で知識を得るよりもいちばん手っ取り早く土地のことを知れるってこと。担当してくれた美容師さんがとっても食通で、食の好みもわりと似ていて(平野紗希子さんの本が愛読書なあたり)いろいろと教えてもらって楽しかったな。それだけでまた次もあの美容院行こうかなと思ってしまう。単純。

何もかもが新鮮で、また一からスタートな環境で新しい暮らしができるのは飽きっぽい私にとってはとても幸せ。たぶん大学ぶりくらいにこんな気持ちを味わって、これから先も新鮮な気持ちとかワクワクを大切にしていきたいし、やりたいことに正直に自由に柔軟に生きていこう、と思います。

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