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教育評論家・研究家 石川幸夫の教育ブログ

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現在、教育評論家・研究家として活動を行い、弊会理事でもある石川幸夫先生による教育に特化したマガジンです。専門は、幼児教育および小学生教育で、胎教から、子育て、受験、学習など幅広く…
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#教育

原点回帰「独り言」

「愛なき世界に」本能に逆らっては… 今朝のニュース番組から「家庭内離婚」ということばの後に、「死体遺棄事件」ということばが続いた。最近、年配のご夫婦にこの「家庭内離婚」が目立って来たという。家庭内では互いの存在を無視して生活をしていたらしい。縁あって結ばれた二人なのに、若ければ即離婚だったのだろうか。結果、相手の死を確認できなかった。こうした事件が相次いだことでニュースとして取り上げられた。かつて互いに誓い合ったであろう「愛」は何処にも見当たらない。残された者は、悲しいかな

教育の可能性

「新たな教育の幕開け」 早くても2016年から始まる可能性のある義務教育の年齢引き下げ、対象は年長児となる。当研究所では、既に2歳児から学習の体系化が出来ており、対応する教材(プリント)も出来ている。当研究所では、幼児から、幼児の国語(言語指導)、幼児の算数(数指導)を指導の柱としている。しかし、幼児期には、こうした知的学習だけでは幼児の発達を十分にカバーできない。それは、各種概念形成に必要な学習が必要だからだ。幼児期では最も重要視されるのが「言語」であり、もう一つが「知覚

教育の低年齢化

「幼児教育の役割」 教育の底辺を支える幼児教育は、文科省の進める教育改革により大きな岐路に立たされたと思います。このような教育の低年齢化は、1960年、アメリカで行われた、国を挙げての教育論議(ウッヅ・ホール会議)を思い起こさせます。多民族国家により、母国語の英語に対する読み書きができない人の数は予想以上に多く、それが様々な分野で大きな影響を与えていました。国際的には、旧ソビエトに先を越された宇宙開発から、国民全体の学力向上は、教育者のみならず、国としての念願でもあったと思

考えも新た、見直される子育てと教育

「心の教育・いのちの教育」 佐世保で起きた事件の影響は教育界だけでなく、広く家庭内にも広がっています。今まで起こった青少年犯罪から得た教訓は生かされず、かつて「不良」と呼ばれた青少年が引き起こす事件よりも、陰湿で凶悪化しているように感じます。温和しい子、まじめな子、成績優秀者等、今まで犯罪とは無縁であると思われていた子ども達が、大人の想像を絶する事件を引き起こしています。改めて、世間では「心の教育」「いのちの教育」の必要性が叫ばれています。目は、単純に子ども達への教育再編に

命の尊厳

「生命誕生と死」 今朝は、3時半に起き身支度を整え、迎えの車をまった。道路が予想以上に空いていて、スムーズにTBSテレビに到着した。朝の情報番組である国分太一さん司会の「いっぷく」に出演するためだ。教育評論家として、佐世保で起きた高一女子殺害事件について意見を求められた。また、教育委員会の「命を大切にする教育」についても同様だった。本番前の時間、出演者の方々と打ち合わせをしたが、フリートークであったため、様々な意見が出された。国分さんからも、教育の立場からの意見を求められた

変わる教育に

「幼稚園・保育園の選択は」 昨日、新潟県長岡で活躍されている保育園の園長からご報告を頂いた。教育界は今後大きな改革が行われる。改革は、今までと違い思い切った内容が予想される。義務教育の変化は、多方面に影響を与えるだろう。こうした状況変化も感じてのことなのだろうか、昨日、小学校の先生方が校長と共に保育実践の見学に園に来られた。こうした小学校の先生方が積極的に保育園などを見学されることは大いに歓迎したい。今月初め、これからの保育実践に大きな変化が予想されることから、保育園で行わ

ことばを失う子ども達

「保護者の判断力と思考力が…」 「政治家の質は国民の質」福沢諭吉のことばです。議会制民主主義の崩壊は、政治に関する国民の意識低下が招く結果であるとも言われています。全国に広がる政治家の舌禍問題は私たちの姿を写す鏡なのかも知れません。 子ども達の教育にも同じ事が言えるでしょう。子どもの失語症、親から見放された子ども達の殆どがことばを知りません。親から、大切なことばを与えられていないからです。親から繰り返し行われることばがけ、様々な現象や「ものごと」などが笑顔で繰り返し話され

教育効果「独り言」

「手本」 我がラボスクールに新入室してくる生徒に対し、授業の最初に指導するのが家庭学習だ。子どもの学習状態は、記憶力ではフラッシュカード、集中力、持続力、はチャレンジ500(弊社の計算練習教材)で、またチャレンジ500では、どの学年で躓きがあるのかがわかる。中学生では、データベースシステム(吉備システム)で、その子の学校における位置がわかる。こうした学習情報を元に、学習上の問題点を探る。「まるで、病院のようだ。」と人は言う。 中学生では、それまでの何でもない問題点が、既に

子どもの変化

「教育のバランス」 幼児教育を通し、子ども達の成長発達を見ていると、指導内容にもよるのですが、2~3ヶ月のサイクルで変化していく状態が見えます。私達の身体は、日々新陳代謝を繰り返し、血液も、細胞も入れ替わります。この細胞の入れ替わりと、子どもの変化(能力的)に関係があるのかも知れません。乳幼児期の身体にとって必要な栄養素や運動、対する乳幼児期の脳に必要な栄養素と刺激、親としては共に関心を示すべきなのでしょう。 以前に紹介した「脳の神経細胞数から見た人間」の図があります。

ことばの教育「インプリンティング」

「話して聞かせる」 文科省の推し進める教育改革の骨子が次々と発表されている。学制の変更は昨日も申し上げた通り。教育委員会の改革も、各自治体主導の考え方がある。力には力という論理の集団的自衛権問題や、特定秘密保護法等と相まって、知らぬ間に軍事国家、警察国家のような様相を呈してきた気がする。教育者として、親として危機感を感じている。 退廃した社会、閉塞感の漂う社会、今問題視されている「居所不明児童」のように、犠牲になるのは常に社会の弱者達だ。選ばれた命としてこの世に誕生し、本

責任

「人が引き受けて成すべき任務を全うする」 責任ということばには、法律的な面から社会的な刑事責任、また、個人的な民事責任がある。私は、もう一つ人道的責任があると思う。 神奈川の厚木市で白骨化した男児の遺体が発見された。亡くなった男の子は、人間としての尊厳を、実の両親から奪われた。餌と化した食事を僅かばかりに与えられ、人間としての成長発達を止められた彼は、ペット同様で、スプーンなどを使って食べることすら教えられていなかったという。彼は何の為に、この世に生を受けたのだろう。彼の

変化に対応できるか

「教育の過程」 土曜授業の扱いに窮している小中学校だが、それは当選だろう。文科省の教育改革が教育現場と足並みが揃わず、指導要領を作成する側とそれを具現化するのに苦労するこの関係は昔から変わらない。世の中は完全週休二日制が定着している。それは、生徒も教師も同じだ。共に、この土曜授業解禁にどう対応して良いのか苦慮している。土曜授業解禁の背景には子ども達の学力低下がある。では、その原因は何か、その一つは文科省の提案し実行した「ゆとり教育」にあるのだが、しかし民意も同じであった事は

障がい者教育

「教育の捉え方」 今日から、心を切り替え心新たにブログを更新していきます。 ホームページでタイル指導の動画を配信してから、タイル教材の注文が急増した。その殆どが、脳障がいを持たれたお子さん用に購入されている。幼児教育と障がい者教育は、互いに基礎教育であることが共通している。また、言語発達の未熟な幼児と、同じく言語理解が難しい障がい(脳障がいと言っても様々だが)者では、両者において言語理解に未発達な部分では、やはり共通した基礎指導が必要であることも見逃せない。このことは何を

保育園の取り組み

「保育士のレベルアップに臨む園長」 私は、以前、故水野茂一先生、故七田真先生と共に、幼児教育の可能性を追求してきた。現在も総幼研(総合幼児教育研究会)として全国の幼稚園を保育園でこの指導を取り入れている。この頃からのお付き合いである新潟の長岡にある保育園園長から研修のご依頼があった。保育園としての活動以外に総合教育をされている。保護者は、保育園に通いながら都心にある幼児教育と同レベルの授業を受ける事が出来る。市内の幼児教室はあるが、週1回の授業に対し、毎日の活動となると保護