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教育の低年齢化

「幼児教育の役割」

教育の底辺を支える幼児教育は、文科省の進める教育改革により大きな岐路に立たされたと思います。このような教育の低年齢化は、1960年、アメリカで行われた、国を挙げての教育論議(ウッヅ・ホール会議)を思い起こさせます。多民族国家により、母国語の英語に対する読み書きができない人の数は予想以上に多く、それが様々な分野で大きな影響を与えていました。国際的には、旧ソビエトに先を越された宇宙開発から、国民全体の学力向上は、教育者のみならず、国としての念願でもあったと思われます。

 その後「新幼児教育法」が、C.ベライター・S.エンゲルマンによって教育に於ける幼児期の重要性が広められました。その前書きには「子どもの知能は、誕生後4カ年で、その後の13年間に成長するのと同じくらい成長する」という文言から始まっています。実際に、その成果は2年で実証されることになります。(旧ソビエトも、「就学前教育」として研究、実践をしていた。)

 我が国でも学力低下が叫ばれるようになって久しいですが、年長からの国語・算数などの小学校で習う学科教育の移行は、抜本的な教育対策の一つになるでしょう。幼児教育では年少から年長が主流ですが、本質的には、0歳から3歳までが重要だと言えます。何故ならば、この時期は、これから必要となる感覚器官の発達がより顕著だからです。例えば、視覚です。乳幼児期に縦線だけを見ていた幼児の視覚認識は、その後に見せる「横線」を認識できないという調査結果があります。

 味覚・嗅覚・聴覚・視覚・触覚・固有感覚・前庭感覚、乳幼児期は、これら感覚教育が最も必要な時期だと言えます。

 3歳以降は、言語発達と共に、「学ぶ」姿勢を見せ始めます。様々なものに興味関心を示し始めます。これから学ぶ様々な事に対し、知識を数多く吸収するのです。本格的な学習の準備とも言えるでしょう。幼児教育では、本来、子どもの発達に合わせた指導の段階が存在します。前期として0歳から3歳、後期として4歳から6歳という発達段階に応じた区分けがされます。後期では遊びの質も、大きく変化してきます。より知的な遊びも好んで行いようになります。文字遊び、数遊び、知恵遊び、子どもは遊び感覚で知的好奇心を満足させていきます。それぞれの時期で、子どもの成長発達を感じ、行う子育ては、周囲の保護者、保育士、先生などの目がしっかり子どもに向けられていることが望ましいと言えるでしょう。こうした中に、義務教育の一部が移行されてくるわけですから、子どもだけでなく周囲の大人達の関わりはより重要となって来ます。

 これからの幼児教育の役割は、今まで以上に責任の重さが増してきます。幼稚園、保育園、そして民間の幼児教室、子どもの将来に関わる時期の教育、そして携わる人達の責任は重いはずです。今まで、「普通」に行われてきた子育て、「当たり前」の成長ができなくなって来ている大人社会にそして家庭に警鐘が鳴らされています。改めて、子育てを意識すべきなのかも知れません。

2014/8/5


著:石川教育研究所 代表 石川 幸夫

石川教育研究所 代表 石川 幸夫

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