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「副業やってます!」という社員がいたら、会社がやること

こんにちは!
社会保険労務士を生業として、中小企業の雇用環境の整備を行っております、やはだと申します。学生時代のあだ名”つーじー”で活動する時もあります。

労務管理って、地味で面倒くさいイメージありません?

…実際、面倒くさいです。本気で取り組むとしんどいですよ。労働時間管理について言えば、「所定内」「所定外」「法定内」「法定外」…これらの似てるけど全然意味の違う用語を正しく理解することがスタート地点です。

ショテーだろうがホーテーだろうがどうでもよくなりません?
まぁ私は社労士としてそれを飯のタネにしているのでどうでもよくなってはいけないんですけどー。

でもちょっとした言葉遣いの違いに気を回さないといけない面、労務管理は地味で面倒なことは確かです。

今日は昨日の続きで、テーマは≪副業・兼業≫。その中でも地味で面倒な、労働時間管理について。
少しでも、『地味で面倒』を、『ライトに身近に』感じてもらえたらいいなぁ、ふーん、そんなことにこだわる世界観があるのねぇと興味を持ってもらえたらいいなぁという期待をこめてお送りいたしまーす。

※これまでの記事はこちら

労働時間管理【原則パターン】

本業も副業も労働者として雇用される場合には、労働基準法が適用されます。よって、副業・兼業の労務管理で一番頭を悩ませるのは、間違いなく労働時間管理です。

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    ※個人事業主として仕事をうける「請負契約」や「委任契約」の場合には労働基準法が適用されない→以下は当てはまりません。ご注意ください。

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労働基準法38条1項には”労働時間の通算規定”と呼ばれる規定があります。

(時間計算)
第三十八条 労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

この規程は副業・兼業の場合にも当てはまります。

この事によってどんな問題が発生してくるか。
一番大きな問題として『 割増賃金の支払』に関し、どの会社で支払い義務を負うのか、という点があります。

例を挙げて説明します。 
下図は『副業・兼業の促進に関する ガイドライン わかりやすい解説(2022年10月版)』p20よりとったものです。

企業AもBも労働時間が短いので分かりにくいかもしれませんが、
企業 A というのが本業先、 企業Bが副業先とお考えください。

この一日についてみると、企業Bで朝7時から11時までの4時間(図の②③)、その後企業Aで5時間(図の①④)、 合計9時間勤務したことになります。
このとき、企業Aで働いている18時の時点で法定労働時間8時間に達することになり、その後1時間については「法定外の時間外労働」という扱いになります。企業Aでは5時間の勤務なのに、うち1時間は25%以上の割増率をつけた計算での割増賃金支払いが必要になります。

注意したいところは、割増賃金はその日その日の労働状況によって、その会社で8時間勤務を超えなくても、また副業先ばかりでなく本業先でも支払う必要が出てくるという部分です。

副業といえば、例えば深夜のコンビニバイトなど、本業でフルタイム働いた後に副業といったケースを思い浮かべがちです。そのイメージが強いと本業先で割増賃金を支払うのが「何でや?」となるかもしれませんね。

【管理モデル】による労働時間管理

以上は原則的な労働時間管理の方法ですが、『副業・兼業の促進に関するガイドライン』では【管理モデル】による労働時間管理の方法というのも紹介されています。

【管理モデル】については…、実際のところどうなんだろう、あんまり使われることは少ないだろうなぁ…と思われます。本業先も副業先も二社とも”コンプラの鑑”みたいな企業ではないと使われないな…。【管理モデル】を使った方が簡易で確実に法の基準を守れるのは十分理解しますが。

あんまり使われることが少ないものを紹介しても仕方ないと思うのと、現在の私の体力が尽き欠けているので、今日のところはここまでにします。すみませんm(_ _)m
副業・兼業の労働時間管理【管理モデル】は、また気が向いた時に紹介するかもしれません。ん~でもニーズは少ないだろうな…。←しつこい

本日もお読みいただきありがとうございました。
よかったらスキしていってくださいね。ニヒニヒ!



☆★☆このnoteについて☆★☆

読む人がすーっと読めて、なんとなーく労務管理脳になってもらえることを目指しています。会社員、社長や管理職、正社員もアルバイト・パートも、またフリーランスなど雇用契約を結んでいない人、どんな人でも働くときの権利について知っていて損はありません。

働く全ての人が知識の底上げをしていき、私の目指す世界「人生・仕事を面白がれる大人を増やす」につながっていくことを期待しています。


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