終わりと始まり 巡る季節に
ちょうど先週木曜日、最後の追試が終わった。手ごたえは、以前よりかはできたが思ったよりも書けずギリギリラインかなというところ。ただ勉強はしたのでこれを続ければ受かるようになろうど希望がもてた。もう次のチャンスはないのだけど。夫が有給をとってくれたので9時すぎから大学のカフェで勉強した。緊張で手がつかなくなる感覚もあり、その感覚もなんだかいとおしい。これが最後なのだから。
もっと頑張れば良かったとか追試になる前から真剣に勉強していれば良かったとは全く思わない、残念ながら。よくも悪くも自分には達成欲求があまりない。大学院で勉強したかったけどどうしても学位が欲しかったわけではない。
夕方は子ども達の学校のオープンデーに連れていき、夜は日本からベルギーに滞在中の友人宅へお邪魔。なんと素敵なチーズのアラカルトとロゼワイン、そして美味しいスープとごはんもつくってくれていた。こう毎日誰かに料理ばかりつくっているとおもてなしされるのが本当に新鮮だ。疲れとテスト後の興奮状態も手伝って、気づくと夜中まで話してしまい、仮眠をとり7時に朝帰り。。本当に申し訳なかった。。
大学で教えている友人は博士課程は谷底に飛び降りないといけないと話しており、うんうん私はそんな勇気ないなーなどと相槌をうっていた私。「あなたはあてもなく家族全員でベルギー移住してるから、十分飛び降りてるんだよ!」とつっこまれ、なるほど。自分が行動力がある人間だなんてつゆほど思ってないのでびっくりする。
「家族そろって毎日夕ご飯が食べたかっただけなんです」と打ち明ける。
「そんな理由で移住する人は普通いない!しても転職くらいでしょ。みなどこか不満をかかえながら生きてるもんなんだよ」と友人のパートナーにも言われてなるほどー。わたしにとっては今感じる不快感をなんとか解消したいけど、みんなそれを抱えながら生きているんだな。当たり前なのだが。自分が快不快に敏感な動物のような気がしてくる。
ちなみに転職についてだが、私ももちろん考えた。外資系に転職しようかな?でも日本なら外資といえども日本っぽさがあるかもだし。。そうだ、海外で転職したら?フランス以外すぐビザ取れないし。。フランス語話せない自分にはフランスで転職は無理。じゃあ先に留学しちゃったら?どうせ大学院行きたかったしと、きっと普通に聞いたらありえないロジックでたどりついたベルギーへの海外移住。わたしにとってはとてもロジカルなんだけど。ちなみにベルギーには一度も来た事もなかったのだが絶対素敵な街だと信じて疑わなかった。それは今も変わらない。
そんなこんなで3年が過ぎ、わたし以外の家族は順調に学校や職場で居場所をつくっている。わたしだけが中途半端なモラトリアムだ。
彼女から「人の声をきく、社会性があるから人のために働くのはどうですか?社会貢献的な団体で働くとか。それか大学とか大使館とかで国際交流的な仕事とか。こういったポジションはなぜか向いてない人がくるんだよ」とありがたい助言もいただいたので、前向きに検討することにした。
趣味のように数か月に一度女子会を開いているが、「誰でもできることじゃないよ」と言われたことを思い出す。きっとわたしにも何かできることがあるのかも。これは終わりではなく始まりなんだ。皆を起こさずこっそり帰った明け方のルーヴェンは既に肌寒かった。
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