重たい手。
お疲れ様です。脳リハです。
本日は、よく聞く「手が重たい」感覚についてお話しします。
手は重くはなっていない
まず、断言できるのは手は重くなってはいません。
本来、重く感じるのは「質量の違い」です。
脳卒中になったからと言って右手も左手も、質量自体は変わっていません。
しかし、良い方の手と比較して麻痺側の手は重く感じると思います。
しかも、動かない手を重く感じる場合もありますし、動くけど重たいと感じる場合もあるので、なかなか不可解なことが起きています。
それぞれの理由で考えてみましょう。
動かない手を重たいと感じる理由
まず先行するのは「イメージ」です。
動かない=ぶら下がっている。
ぶら下がっているから重たい。
のイメージ変換で、重たく感じているのが非常に多いです。
歩くときに手を重たく感じることはないですし、荷物を持っていない方の手は重く感じないのが普通ですが、片麻痺が生じると、良い方の手を使うときに重さを感じたり、邪魔な感じがしたりします。
重いものとイメージしてしまっている為です。
それに起因して、無意識に力が入っている状態も、重く感じるのは原因です。
自分は力を抜いていると思いますが、
指が勝手に曲がっていたり、肘が勝手に曲がっていたり、常に緊張状態が続いていると、重く感じます。
まずはこのイメージを払拭する必要があります。
動く手が重たいと感じる理由
これは、肩を使わずに、肩甲骨や首、背中を使って持ち上げる形で手を動かすパターンが多いです。
いわゆる「代償動作」ですね。
これは、しっかり肩甲骨を使うイメージで上肢を使う訓練をする必要があります。
また…
自分がイメージしている動きと、実際の動きのズレが起きる場合も、重さを感じることがあります。
このパターンは、閉眼した時に非麻痺側を上げた高さと、それに合わせようとして麻痺則を上げた時の高さに違いが起きます。
なので、正しい関節を使うイメージと、閉眼でもそれが可能になる(イメージ通りの動き)ことで、脳卒中により重く感じる手を変化させなければいけません。
何と比較して重たいと思うのか??
重たさを感じるには、何かを持つ必要があります。
その時、重さを言葉にするには、何かと比較する必要があります。
スーパーで「このキャベツよりこっちのキャベツの方が重く感じる」など、何かと比較して、どの程度重たいのかを言葉にすることが出来ます。
脳卒中後の場合、イメージで重たいと感じてしまう為、この比較対象がない状態で、重たいと思い込んでしまうので、変わり辛いです。
この時、感じなければいけないのは…
☑︎ 病前と比較して手を重く感じるのか
☑︎ 非麻痺側と比較して重たく感じるのか
☑︎ 訓練前と比較して重たく感じるのか
☑︎ 歩いている時と比較して重たく感じるのか
など、様々な比較対象を使って、今の手の状態を再学習する必要があります。
ここを覚えておくだけでも、「重たく感じる手」とは、おさばらできる可能性はおおいにあります!
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