第1章:現在の判断は正しいのか ⑥

これは見方を変えると同じ集団全体もしくは学年内におけるパワーバランスや人間関係などが作用しているといわれているのだが、口止めや不申告を強要し続けることで相手に“恐怖感”を植え付けることが可能となるため、相手を利用して自分の行為を正当化してしまうというおそれもあるのだ。

 これが社会に出た場合に組織内のバランスを取りにくくさせている原因の1つではないかとよく言われているが、私もその可能性は否定出来ないと思う。

 なぜなら、これらの行為というのは成長と共に変化していき、少しずつ目立たなくなっていくのだが、根本となる基本の思考が本人の中に潜在化している事も多く、これらの行為が“成功体験”として残っている事で入社当初は頭角を隠していたとしても社内で昇任や昇進をしていくうちに立場が上になる事から、これらの心理が少しずつ芽生えてしまうおそれもあるため、上司である本人は“ハラスメント”ではないと判断している内容でも、部下から見ると“ハラスメント”であると判断される事も考えられるのだ。

 これも個人がこれまでに体験・経験してきた内容がそのままこれらの判断にも影響を与えてくるのだ。

 そのため、企業に入社した人材は同じプロセスを辿っていたとしても、全員が同じ結果ではないことも多く、これまでの結果とは異なっている状態で入社した場合にこれらの違いを埋めるためには企業側から複数の選択肢を出すことを求められるのだが、企業によっては“基本はこれで、これ以外は認めない”のように表向きは“多様性の職場”というアピールをしているのだが、実際には“多様性に理解がない”や“考え方を否定される”といったハラスメントに近い状態になっているという事も多いのだ。

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現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。