第1章:現在の判断は正しいのか ⑬-1

 現在は30代がキャリアの分岐点という事もあり、20代の人材であってもフリーランス転向や起業準備など個人差はあるものの、キャリア選択を進めていく最終段階に進んでいることが見受けられることから、どこで優秀な人材の能力を後輩社員に継承していくか、どの社員に継承するかなど企業の育成方針をきちんと定めていくことや必要に応じて転職後も定期的に交流を持てるようにするなど社員の成長機会をうかがう意味でも必要な対応を多角的に検討していくことが大事だろう。

 ただ、現在は転職の際に転職する社員との交流を制限する企業も多いことから、企業としてはどこまで介入する、干渉することが望ましいかの線引きが十分に確立していないことで混乱を来す可能性も出てくるのだ。

 これも私が人手不足につながるのではないかと思っているテーマなのだが、現在は転職に関してもかなり厳しい制限をかける企業が多いことから、個人としてもこれまで従事してきた業務と同じ職種を選択したいという気持ちが強いと思う。

 しかし、これらの制限をかけられることで転職先を探す際のハードルが上がってしまう可能性や異業種に限定されてしまうことで個人にとってはこれまでのアドバンテージを活かせなくなる可能性や企業にとっては異業種ということで採用に対して抵抗感が芽生えてしまう可能性が出てくるのだ。

 そのうえ、異業種に転職をすることが前提となっている場合には学歴や経歴でアピール出来る人材は付加価値を少しつけるなど若干の準備は必要になる可能性があるが、このような人材に比べると短期間で内定が出てくる可能性が高いのだ。

 そのため、一般的な人材に比べると離職期間は短期的になり、所得も戻りやすい。

 一方で学歴や経歴でアピール出来ないだけでなく、これらの情報がネガティブイメージにつながってしまう可能性がある人材は内定につながるまでに個人差はあるため、場合によっては経済格差や就職差別などにつながるリスクも高まるのだ。

 これも私が将来的に懸念していることなのだが、現在は人材を選択できている企業が多いのだが、将来的には国内に残留する人材数が減少することが予想されることから、現在よりも人材確保が困難になる可能性や起業や個人活動による組織外就労の増加が顕著になることで副業の収入(=収益)が本業を上回った場合には副業を本業にするなど“スイッチワーク”が起こる可能性も出てくることから、企業としてはこのような選択の変化が起きた場合に企業がどこまでタッチできるかが課題になってくることから、現在の人手不足の状況が長期化することだけは避けなくてはいけないのだ。

 ただ、現在の企業が置かれている状況が刻一刻と変化していることから、企業によってはこの事が焦りを誘発するなど本来は冷静でいなくてはいけない状況であっても不安が襲いやすくなる。

 これは個人も同様だが、企業と個人では焦りのベクトルが異なってくることから、必要になる対応も異なってくるのだ。

 そのうえ、企業も“人手が欲しい”という単純な話であっても企業の捉え方はもっと深いところにあることから、間違ってもトンネルに入ってしまわないようにケアやフォローを進めていかなくてはいけないと思う。

 一方で個人の場合は何が焦りを誘発するのかを本人も理解していない時に襲うこともあるため、本人が無意識のうちに意思と反する状態になることも考えられるのだ。

 特に本人が大手企業などの社員数が多い企業に就職した場合と中小企業に就職した場合では心理的な影響は大きく異なり、場合によっては判断基準も変わってくるといわれている。

 そのため、一般的に企業の規模で変化すると思われている本人の心理的変化は部単位や課単位といった組織内の小さな規模であっても常に変化しているということが考えられるのだ。


現在、小説とコラムを書いています。 コラムに関してもこれから完成している物を順次公開していく予定です。 自分の夢はこれまで書いてきた小説を実写化することです。まだまだ未熟ですが、頑張って書いていきますので、応援よろしくお願いいたします。