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#最近の学び 記事まとめ

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#サイエンス

高齢者の自立維持のための行動構成要素14選

📖 文献情報 と 抄録和訳高齢者の自立を維持するための地域ベースの複合的介入(CII-OP)類型の開発:無作為化比較試験における介入の質的統合 [背景・目的] 高齢者の自立を維持するためのコミュニティベースのサービスには、様々な構成がある。このような介入を類型化することは、概念的な明確さを提供し、効果的な構成の特定を可能にすることで、サービス提供や研究を改善することになる。我々はそのような類型化を目指した。 [方法] (i)関連するRCTを系統的に特定すること、(ii)

【ロイヤルパープル】3000年前から色あせない布の秘密

現代では色とりどりの洋服が当たり前の時代となりましたが、私たちのご先祖様はどんな衣類を身にまとっていたのでしょうか? 紀元前のまだ歴史もない時代、もちろん科学の発達はありません。鉱物を砕いた顔料はあったかもしれませんが、糸や布を染めるような染料は一筋縄ではいかなかったでしょう。 しかし、実はそんな何前年も前の時代から、化学染料を使わずに、色とりどり布を染めていたようなんです。 それも、貝から取り出してきた生物由来の染料を使ってです。 ということで、今回は貝紫という摩訶不

大気汚染と緑地が身体機能低下に及ぼす影響

📖 文献情報 と 抄録和訳大気汚染が身体機能低下に及ぼす影響と緑の効用:全国規模のコホート研究からのエビデンス [背景・目的] 身体機能制限(physical functional limitations, PFL)は成人の脆弱性を増大させるが、その発症機序は不明なままである。 [方法] 中国28省の成人(45歳以上)18 878人の62 749件の記録を対象に全国縦断研究を行った。PFLのリスクは、有効な9項目の質問票を用いて評価した。大気汚染物質(PM10、PM2.

体格×認知症リスク

📖 文献情報 と 抄録和訳高齢者における体格とその変化と認知症発症との関連性 [背景・目的] 本研究では、高齢者における体格指数(body mass index, BMI)およびウエスト周囲径(waist circumference, WC)、ならびにそれらの短期および長期の経時的変化と認知症発症との関連を検討した。 [方法] オーストラリアと米国の65歳以上の地域在住者18,837人のデータであり、登録時に大きな認知機能障害がなく比較的健康であった。ベースライン時、お

痙縮の評価, 管理に関する米国PM&Rによるコンセンサス

📖 文献情報 と 抄録和訳痙縮の評価と管理に関するAAPM&Rコンセンサスガイダンス [背景・目的] 米国理学医学リハビリテーション学会(AAPM&R)は、成人および小児の痙縮患者のケアを強化する機会を特定するため、2021年に包括的なレビューを実施した。痙縮ケアにおけるギャップに対処することを目的とした、コンセンサスに基づく診療勧告を作成するために、技術専門家パネル(TEP)が招集された。目的:痙縮ケアにおけるギャップを特定し、それに対処するためのコンセンサスに基づく診

3Dプリンター骨モデルを用いた患者説明の効果

📖 文献情報 と 抄録和訳三次元モデルによる大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群の患者理解の向上 [背景・目的] 3次元(3D)プリントモデルは、大腿骨寛骨臼インピンジメント症候群(FAI)のような複雑な解剖学的病態を患者に理解させるのに役立つ可能性がある。われわれは、FAIの診断と手術計画について話し合う際に、標準的な画像診断法と比較して3Dプリントモデルを使用した場合の患者の理解と満足度を評価することを目的とした。 [方法] ある外科医のクリニックでFAIを発症した新

プランク運動の効果

📖 文献情報 と 抄録和訳プランク運動は、体組成、腹筋機能、自律神経活動に良い変化をもたらし、呼吸能力を向上させる [背景・目的] 本研究は、プランク運動トレーニング(PET)が呼吸機能、身体組成、腹筋パフォーマンス、自律神経系(ANS)に及ぼす影響を探ることを目的とした。 [方法] 61名の若年成人が参加し、対照群(CG、n=31)と運動群(EG、n=30)に分け、PETを週3日、12週間実施した。グループ分けは無作為に行われた(RCT)。 [結果] 実験後の結果を

人工知能チャットボットの応答は,医師よりも質が高く, 共感的だった

📖 文献情報 と 抄録和訳公開ソーシャルメディア・フォーラムに投稿された患者の質問に対する医師と人工知能チャットボットの応答を比較する [背景・目的] 重要性:バーチャルヘルスケアの急速な拡大により、患者からのメッセージが急増し、それに伴い医療従事者の仕事量が増え、燃え尽き症候群が増加している。人工知能(Artificial intelligence, AI)アシスタントは、臨床医がレビュー可能な回答を作成することで、患者の質問に対する回答作成を支援できる可能性がある。目

脳卒中 × Obesity Paradox。低体重が転帰不良のリスク

📖 文献情報 と 抄録和訳肥満度が虚血性脳卒中および出血性脳卒中の転帰に及ぼす臨床的影響 [背景・目的] 急性虚血性脳卒中および出血性脳卒中後の臨床転帰における体格指数(body mass index, BMI)の予後への影響を検討すること。 [方法] 対象は、2006年1月から2020年12月までの間に急性期脳卒中を発症し、日本脳卒中データバンク(病院ベースの多施設脳卒中登録データベース)に登録された成人患者で、ベースラインの体重と身長のデータが入手可能な患者とした。ア

大腿骨近位部骨折後の身体活動量と回復度合い

📖 文献情報 と 抄録和訳大腿骨近位部骨折から回復した高齢者の運動パターン [背景・目的] 本研究の目的は、大腿骨近位部骨折から回復した高齢者の身体活動と座位行動を定量化し、運動パターンに基づくグループを同定することであった。 [方法] この横断コホート研究では、大腿骨近位部骨折の術後3ヵ月の高齢者(70歳以上)を対象とした。患者には加速度計を7日間装着した。人口統計および身体機能、運動機能、認知機能、QOL、大腿骨近位部骨折に関する転帰が評価された。 [結果] 加速

2型糖尿病者のサルコペニア評価。握力より椅子立ち上がりテストが優れるかも

📖 文献情報 と 抄録和訳2型糖尿病を有する成人における握力または椅子立ちのパフォーマンスによるサルコペニアの有病率 [背景・目的] 高齢者サルコペニアに関する欧州作業部会(EWGSOP2)の最新版では、筋力評価として握力(handgrip strength, HGS)と椅子立ち上がりテスト(chair stand test, CST)を推奨しており、CSTは下肢筋力の便利な代用法である。しかし、脂肪率はこれらの筋力基準に異なる影響を与え、サルコペニアの有病率にばらつきを

足底腱膜と下腿筋膜。解剖学的構造を示す3つの図

📖 文献情報 と 抄録和訳ヒラメ筋膜は足底筋膜炎に関与するのか? [レビュー概要] 本稿の目的は、足底筋膜炎の解剖学的および生体力学的基盤について、ほとんど無視されているが、新たに出現した筋膜系に特に重点を置いて議論することである。 ✅ 足底腱膜(plantar aponeurosis、PA)の解剖学的構造 ✅ 下腿の横断面と筋膜 ✅ ヒラメ筋, 腓腹筋と筋内腱膜 🌱 So What?:何が面白いと感じたか?最近は、シューフィッターの勉強をしていることもあり、足部

陸上競技大会。決勝は最も筋損傷リスクが高い

📖 文献情報 と 抄録和訳国際陸上競技選手権大会の100m、200m、400mスプリントの決勝では、それまでのラウンドよりも筋肉損傷のリスクが高いのだろうか? [背景・目的] 国際陸上競技選手権の100m、200m、400mスプリントにおける下肢筋損傷(lower limb muscle injuries, LLMI)とハムストリング筋損傷(hamstring muscle injuries, HMI)の発生率を、決勝、準決勝、予選間で比較すること。 [方法] 研究計画前

教育歴と死亡リスク

📖 文献情報 と 抄録和訳日本における全死因死亡率と特定死因死亡率の教育格差:2010-15年の国勢調査連動死亡率データ [背景・目的] 全国的な死亡不平等モニタリングの枠組みがないため、日本における死亡不平等の全体像は不明確なままである。ここでは、日本における死亡率の教育的不平等とその原因別寄与について調査した。 [方法] 2010年国勢調査と2010年10月1日~2015年9月30日の死亡記録を連結してデータを得た。性別、出生年/月、住所(市町村)、配偶者の有無および