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#エッセイ 記事まとめ

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noteに投稿されたエッセイをまとめていきます。
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#恋愛

恋人が見つかる飲食店ってどういうもの?

お知らせ 林さんが書いた新しい小説が上梓されました。ぜひお読みください。 前回の記事はこちら モテるバーテンダーはどうやって女性を誘うのか?いらっしゃいませ。 bar bossaへようこそ。 僕のある親しくしているバーテンダーが、とにかくモテるというか、たくさんの女性とデートしている男性でして、一度「どうやって誘っているの?」って聞いてみたことがあるんです。 バーのカウンターって、他の飲食店の話題が出ることが多いんです。基本的に、バーのカウンターで会話をする人たちって

月が綺麗ですね、と言われたときに備えて、返事をシュミレーションしてみた

「月が綺麗ですね」というのは愛の告白、なんていうのはよく知られたことで、もし仮に言われたとしてもあははは、と笑ってしまって風情もくそもなくしてしまう自信がある。 ただ、もしこれを言われたらなんと答えるのが正解なのだろうとふと疑問に思い、令和を生きる27歳はGoogleを使って検索をしてみた。 いつ、どんな告白をされるかわからないし、お相手によってはそれを笑い飛ばすような人ではなく、私服で和装をしてしまうひとクセくらいあるような人かもしれないし、そのひとクセある人に私自身も

SNSでの恋愛は平安時代に似ている

 SNS恋愛、と言うのは現代でも珍しくないことだろう。  ネットでしかやりとりがなかった人のことを好きになってしまうことがある。Facebookなら顔や本当のプロフィールもある程度わかるのかもしれないが、Twitter上の関係などだと、相手の情報は文字でのやり取りとアイコンだけということもあるだろう。  ネットでのやり取りを重ねるうちに相手のことを好きになり、だんだん会いたくなってきて、思い切ってオフ会の約束を取り付けてみる。恋愛抜きの友達関係としても、そういう知り合い方も

間違えた道の先で、素敵な花に出逢えるかもしれない

分かってくれる人がいてほしいだなんて、 おこがましいのかな。 例えば、あの映画のあのシーンがグッとくるとか 例えば、あの曲のこの歌詞に泣けるとか。 自分と同じ人間なんていないと分かっているのに、どこか通じ合える人を心から求めてしまう夜がある。 たぶん私は、心の深い部分を分かってくれる人を常に求めているんだろうなぁ。 そしてそんな人はなかなかいないから、分かってくれる人が現れると軽率に好きになってしまう。 そういうとこ、ある。 心の深い部分というのは、 その人の本質を表

春にさよなら

春が思い出させる、くだらない記憶。 高校卒業あたりのことを書きたいと思う。 私には好きな先生がいた。 先生への恋というのはよくある話だが いわゆるそういう話に登場するような'先生' ではなく、かなり変人だった。 別に格好良くもないし、2回りも年上。 一見すごい冷たくて絡みづらい。 ひねくれていて自虐的。教師らしくない…… でも本当は情熱的で、優しいところもあった。 自分でも何で好きになったのかよく分からない。 まぁ、気づいたら好きになっているのが 恋というものらしい

感傷なんてもんじゃないけど

え?意外。二人は結婚するんだと思ってた。 午前二時、どこからか降ってきた声に抗うように、ニラを切る。ニラを切るのに必要ないくらいの力を込めて。ざく、ざく、ひとつに束ねられていても、ほら、いずれはバラバラじゃない。結局そうなんだよ。 ニラを切り終えて、玉葱の皮を剥く。鼻の奥がツンとする。持っているエネルギー全てを包丁を持つ右手に集中させて、玉葱を切る。ざく、ざく、五回ほど包丁をおろしたところでじわじわと涙が溢れる。ひとつを切り終える頃には、涙は頬を伝ってぼとぼととまな板にまで

18歳差の恋愛において、大切なこと

ぼくの妻は18歳年上です。 出会った時から大切な人で、それは14年経った今も変わりません。むしろ、日を重ねるごとにその想いは強くなっていきます。彼女と出会って、ぼくは大きく変わりました。彼女が好きだった美術や陶磁器、花が大好きになりました。生きる姿勢、人への思いやり、想像力と共感力、誠実であるということ。 彼女の存在抜きに今のぼくは説明できません。彼女のことを誰よりも尊敬し、誰よりも愛おしく想っています。つよさも、よわさも、すべて含めて。 先日、「いい夫婦の日」に二人の

好きで好きで大好きで

むか〜しむかし、大好きな人がいました。 私が二十歳の時です。 あちらは確か一つ上だったかな?いや、3っつくらい?4っつ?わからんけどそのくらい年上でした。 ファッション業界に入って2年目。大好きなブランドの洋服に囲まれて毎日楽しくて楽しくて仕方がなかった。 その人は同じ商業施設の中で別の店にいました。一つ下の階、メンズフロアの憧れのブランドで店長をしていました。 ちょっと中性的な雰囲気とそのスレンダーな身体に繊細な着こなしがめちゃくちゃオシャレでいつも憧れて陰から見

ポジとネガ

「恋が終わってく瞬間」を味わったことがあるだろうか。 「その人」は、確かに私を愛してくれた。 私も確かに夢中で愛した。 なぜ、終わってしまったのか。 その理由は明白だ。 「その人」が嘘をついていたからだ。 ある日突然、「その人」からコンタクトがきた。 とても丁寧な文章はすぐに私を魅了した。 心のこもった言葉は乾いた私の心を隅々まで潤わせた。 「人を愛する」ということを久しぶりに思い出させてくれた。 「信じる」ということを何年かぶりに味わせてくれた。 そん

アイドルにガチ恋して成仏できなくなった女の話~“平手友梨奈”に出会ってしまった(2023.7追記)

2度目の恋の相手は、18歳の女の子だった。 欅坂46のセンター、平手友梨奈だ。 彼女は私がまだ社会の何たるかも知らなかった年齢でアイドルデビューし、社会的なテーマを歌ったシングル曲のセンターとしてこれまでに何度も世間に露出してきた。私が最初に彼女を見たのは、マニッシュなスーツに黒ぶちの眼鏡、サスペンダーの衣装で性別を感じさせない、だけどどこかちゃんと丸みを残している姿で、そこから彼女が歌い、踊り、時には世の中を糾弾するような激しいパフォーマンスに釘付けになった。 初めて

ツイートがバズったわたしは、口紅を買えていない

仕事を辞めた翌日、わたしは生きていた。 「当然である」と、言えるだろうか。わたしは自分のことを"よくやっている方"だと思っている。意味もなく宙を見上げ、水滴を仕舞う。人生を都合のいい妄想へ預けなければ、硝子のように心が割れてしまいそうだ。 「大丈夫ですか?」 歩きながら眠っていた。目が血走り、足が痙攣する。どこかから声が聞こえた気がしたが、辺りを見渡しても人は少なかった。ロクにごはんも食べていない。生命の境界線を、平均台を渡るようにしてふらふらと進む。 常に不安と手を

セクハラを会社で報告したら、つながった勇気のこと

「言わなければよかった」 "大丈夫"の境目がわからない。 つらく、苦しいことを体と心の中で馴染ませ、ごまかしている。いつまで経っても報連相がうまくできないわたしは、涙と手を繋ぎながら話している。誰かに寄り掛かってばかりだから、自分を"負担"と捉えてしまうのかもしれない。 頼ってもいいのかな。 頼ったら、迷惑なのかな。 聞きたくなかった言葉ほど、ぬるい風にのって律儀に届く。昔勤めていた会社で、わたしは疲弊していた。仕事に埋もれ、責任やプレッシャーにも押し潰されそうになっ

ゲイになったら、職場で自分が消えた

「おはようございます」 聞こえていないのかな。 不安になってもう一度挨拶を試みるが、やはり、届いていなそうである。というよりも、体を動かしても視界に入れてもらえていない、そんな気がする。 わたしは昔から声が小さい。 ガラス細工か、絹糸のようなものと自分に対しては言えない。ただ、「そうだったらいいのにな」と妄想をしたことは何度もある。天然を願い、涙が落ちたその場から、生まれ変わりたいと想う。 「男なら泣くな」「もっと男らしくしろ」と言われても、上手にはできなかった。む

ゼクシィのあのフレーズの続きを、ハッピーエンドにしたいな

昨日の夕方、夜ご飯の鮭を焼く前に、部屋にこもって、夫婦にまつわる本を読んでいた。 結婚したカップルが、パートナーにまつわる悩みを、ひっそりと打ち明けた本だった。 ページをめくる度に、誰かのリアルな心のさけびというか、SOSを聴いている気がして、胸がキュっとなった。 結局siriに頼んでおいた30分のアラームを無視して、延長して心のさけびに触れ続けることにした。 ✳︎ と、思って結婚した2人が に、変わるまでに、一体どんなことが起こっているんだろう。 ふと、ゼクシ