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#海外文学のススメ 記事まとめ

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お題企画「#海外文学のススメ」に投稿された作品をまとめる公式マガジンです。
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記事一覧

読書感想『百年の孤独』

 文庫化で話題となったガルシア=マルケス作『百年の孤独』の感想を書きます。 注  結末部…

推し活翻訳13冊目。The Royal Rabbits of London Escape from the Tower、勝手に邦題…

原題:The Royal Rabbits of London - Escape from the Tower 原作者:Santa Montefiore, Sim…

穏やかに輝く日々の結晶 -名作小説『晩夏』の魅力

【水曜日は文学の日】 小説には様々な楽しみ方があるのが、その魅力の一つでしょう…

プロット万歳!(最近読んだ海外ミステリー)

 自分の読書の中で中心となっているのはミステリーで、特に本格ミステリー(探偵が謎を解くや…

Small World
3週間前
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推し活翻訳12冊目。The Snow Girl、勝手に邦題「スノーガール」

原題:The Snow Girl 原作者:Sophie Anderson 勝手に邦題:スノーガール 概要と感想 ター…

ジョン・アーヴィング『ガープの世界』 その2(全六回)

その2 『まるで連想ゲームのような』 ※ 物語の決定的な部分はなるべく言及しないように気…

十四
3週間前
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神秘をかたどる -小説『フランケンシュタイン』を巡る随想

【水曜日は文学の日】 人類の創作の中には、元の作品世界を超えて、ある種の人類共通の象徴になった存在があります。神話の中から現実のイコンになったような存在。 「フランケンシュタイン」は、そんなイコンの中でも、かなり数奇な広まり方をした例でしょう。 イギリスの作家メアリー・シェリーの創作した小説『フランケンシュタイン』から出てきた怪物は、ポピュラー・カルチャーの中に深く浸透しています。 メアリー・シェリーは、1797年ロンドン生まれ。本名メアリー・ウルストン

ジョン・アーヴィング 『ガープの世界』  その1(全六回)    

 その1 『狂気と悲哀。だけでなく』  同じ作品を繰り返し読むことが好きです。  読む度…

十四
1か月前
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『ライ麦畑でつかまえて』(The Catcher in the Rye)J.D.サリンジャー ~ここは、「…

今回は、昨今では村上春樹氏の翻訳でも知られる、「ライ麦畑でつかまえて(キャッチャー・イン…

福田尚弘
1か月前
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時間泥棒にささやかな抵抗を

「便利になって短縮されている時間で余暇が生まれているはずなのに、何故かますます忙しくなっ…

こぼれた愛を繋ぎ合わせる -名作小説『ペドロ・パラモ』の魅力

【水曜日は文学の日】 ディズニー/ピクサー映画の『リメンバー・ミー』を観た時、メキ…

推し活翻訳8冊目。The Ghost’s Child、勝手に邦題「まぼろしの子」

原題:The Ghost’s Child 原作者:Sonya Hartnett 勝手に邦題:まぼろしの子 「真っ暗な空…

『奥のほそ道』リチャード・フラナガン著 noteを始める前に、2018年12月19日に書いて…

『奥のほそ道』 単行本 – 2018/5/26 リチャード・フラナガン (著), 渡辺 佐智江 (翻訳) Amaz…

原 正樹
2か月前
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複数の可能世界:トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』

トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』の読書会に参加しました。新潮社版の訳者である佐藤良明さんの解説も聞きましたので、4月から5月にかけてトマス・ピンチョンのこの作品のことをぐるぐると考えていたかもしれません。 佐藤さんはこの小説のタイトル:”The Crying of Lot 49”について、「タイトルと小説の終わりがまったく同じものとなっており、この"Crying”、すなわち叫びが49のLot(塊)それぞれにあるのだと読むことができる。それはアメリカ49州の中にあ