複数の可能世界:トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』
トマス・ピンチョン『競売ナンバー49の叫び』の読書会に参加しました。新潮社版の訳者である佐藤良明さんの解説も聞きましたので、4月から5月にかけてトマス・ピンチョンのこの作品のことをぐるぐると考えていたかもしれません。
佐藤さんはこの小説のタイトル:”The Crying of Lot 49”について、「タイトルと小説の終わりがまったく同じものとなっており、この"Crying”、すなわち叫びが49のLot(塊)それぞれにあるのだと読むことができる。それはアメリカ49州の中にあ