Makoto Okada

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Makoto Okada

テーマ:セクターを越える。好きな言葉:幸せのハードルは低く。認知症フレンドリージャパン・イニシアチブ共同代表理事。GLOCOM客員研究員、富士通JAPAN株式会社。胸にきざむは退却ダマシイ、今日もテーマはあとずさり。

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啓発って・・・

啓蒙って「無知をきりひらき、正しい知識を与えること」だから、目的語を持つ他動詞っぽい言葉なんだろうなと思う。だから似たような言葉の啓発も他動詞だと思っていた。 だから辞書に、「論語の「憤せざれば啓せず、悱(ひ)せざれば発せず」からの言葉」と書いてあるのを見て、ちょっと、そうかぁ~と思った。 論語の言葉の意味は「学ぶ者が発憤して理解しようという気持ちにならなければ、それを啓発し教えようとはしない」らしい。なるほどなぁ~と思う。 「憤せざれば啓せず」っていうのが面白かった。

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      びろう(尾籠)とは、「話題が下品だったり口にしづらかったりするさま」をいう。イメージ的には「きたないこと。けがらわしいこと」に関して、世にいう紳士・淑女は「びろうな話ですが」と前置きする。 何がびろうかといえば・・・私の腹囲が1.5 mを超えたことがである。 もちろん、世の中にはいろいろな事情がある。ことさら身体のことはそうだ。それを「尾籠(びろう」と禁忌のごとく言うのは一般的には正しくない。しかし、いま話題にしているのは、私の腹だ。そしてその私の腹を、他人はいわずもがな

      • わからないことへの耐性

        わからないことへの耐性には何種類のタイプがあるのだろうか。無理をして、いやもう少し正確にいうと魔が差して、カントの『純粋理性批判』を読んでいる。そしてこれがさっぱりわからない。 よく子どもがいうじゃないか。どこがわからないのかがわからないって。あるいは会社で、「何がしたいんだからわからない」という発言もよく聞く。 誰だってわからないのはなんとなく気持ちが悪いし、学校教育のおかげでわからないとどこか自分が責められているような気持ちになるのでわかりたいと思うのが人情だ。 で

        • パタンセオリー翻訳本出版プロジェクト

          正直にいうと、キリがないのでクラウド・ファンディングの支援は、基本的にめったにしない。 でも、『パタンセオリー翻訳本出版プロジェクト』は、お世話になった人たち(中埜さん・高柳さん)が進めているプロジェクトだし、パターン・ランゲージ関連ということもあり、支援することにした。 出版プロジェクトというところが面白いと思う。既存の出版事業者の企業論理のフレームには乗らないかもしれないが、こういう出版系の活動には意義があると思うのだ。アニメなどの同人誌よりももう少し学術系の同人誌が

        啓発って・・・

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          読書会で世界史を振り返る

          読書会の課題本で選ばれた山﨑圭一氏の『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】』はとても満足感のある本でした。 「若いときにもう少しちゃんと勉強しておけばよかったなぁ」と考える人は少なくないと思います。少なくとも私はそう思っています。 どの科目でそう思うかは人によっていろいろでしょう。英語という人もいるでしょうし、数学とか地学とか理系の科目をいう人もいるでしょう。私はといえば、まぁ、いろいろなのですが、世界史はその中の最右翼です。 でも、いざ勉強しようと思って

          読書会で世界史を振り返る

          歪んだことを愛する人へ:川端康成『片腕』

          川端康成『片腕』の読書会に参加しました。読書会で川端康成を読むのは『雪国』に続いて2回目でした。 小学生のときに川端康成が逗子で自殺しました。1972年、私が小学校5年生のときです。逗子マリーナが開業したのが1971年とのことです。逗子からトンネルを抜けた鎌倉の材木座に父親の会社の海の家があったので、逗子マリーナができた場所は私の蟹釣りの磯のすぐ裏手でした。逗子マリーナができたとき、会社の人と逗子マリーナのプールに泳ぎにいきました。 だから、川端康成が自殺したと聞いたとき

          歪んだことを愛する人へ:川端康成『片腕』

          坂戸日記 2024.05.04

          2024年5月2日(木)晴れ。天気予報だと昨日よりも気温は上がるとのこと。ウェザーニュースで履歴をみると14時頃に29℃だったようだ。確かに日差しが暑かった。日陰に入ると爽やかなところが5月らしい。 近所に「坂戸市健康増進施設(サンテさかど)」という、目薬なんだか薬屋なんだかよくわからない施設がある。水泳教室に通うことにした。 サンテさかどのキャッチフレーズは「多くの市民が集う、健康・交流づくり拠点」。その意気は買いたいが、近くには餃子の満州の工場もあってお持ち帰りもでき

          坂戸日記 2024.05.04

          海まで歩く(Day 4)

          海まで歩く、4日目。志木からバスで行ける秋ヶ瀬橋からの再出発。海までは34.4 km。 すぐに武蔵野線の鉄橋が見えてくる。前回は武蔵野ラインまで行きたかったんだよなぁ。橋とか好き。 武蔵野線は北朝霞あたり。まもなく朝霞水門が見えてくる。デカい。近くに寄ったら画角に収まらない。 デカいから日陰もデカい。自転車で川沿いを走ってきたと思われる人もみんな休憩している。湿度が低いので日陰にはいると本当に気持ちがいい。早めのお昼(コンビニおにぎり)にする。水門からはまた別の橋が見え

          海まで歩く(Day 4)

          坂戸日記 2024.05.02

          2024年5月2日(木)、晴れ。 隣町の鳩山町には、Automated Meteorological Data Acquisition System(地域気象観測システム)、通称、アメダス(AMeDAS)があり、最近は、熊谷市を抜いた気温になることも少なくない。 幸いに、今日は五月らしい爽やかな天気とのことだったので、鳩山町にある蕎麦屋(満作)まで歩いて行こうという話になり、ドロシーと10時半頃に家を出た。うちから満作までは1時間ちょっとの距離で、11時半開店なので、ちょ

          坂戸日記 2024.05.02

          たまたま似たテーマ

          伊藤比呂美『伊藤比呂美の歎異抄』、吉本ばなな『キッチン』読了。 『歎異抄』と『キッチン』を並べるなんて変な話だ。でも、伊藤比呂美『伊藤比呂美の歎異抄』と吉本ばなな『キッチン』は、どちらもちょっとだけ身近な人の死をテーマにしている。 だからなんだということでもない。テーマが似ていたのはたまたま。私にとって少し年上と少し年下の作家を気が向いて読んだに過ぎない。これもなにかの巡り合わせだろう。そんなことをいったら昨日観ていた韓国ドラマ『涙の女王』だって、ある意味、人と人が出会う

          たまたま似たテーマ

          エマニュエル君

          エマニュエル君と新宿のルノワールで雑談をしている。というか、そんなような気持ちで、カントの『純粋理性批判』をぼんやりと読んでいる。 友人のエマニュエル君はまじめな奴で、一生懸命になにか考えているっぽいが、正直なところ彼のいっていることがよくわからない。 先月は、感性の話をしていたのだけれど、今月は認識の話をしている。 まじめな彼の話をきちんと理解してあげようとしない態度を人は不謹慎だというかもしれない。その通りだ。けれど、彼が結構な時間をかけて一生懸命考えたことが、そん

          エマニュエル君

          海まで歩く(Day 3)

          春までには海まで行こう。そう思って歩いた3日目。前回は1月5日・6日で、荒川の支流、高麗川の家の近くにかかる粟生田大橋から、高麗川と越辺川の出合い、越辺川と荒川の出合いを経て、治水橋まで歩いた。次は桜の咲く頃にと思っていたが少し遅れてしまった。 大宮まで電車で移動し、バスで治水橋堤防に向かう。治水橋は「ちすいばし」だとばかり思っていただが、「じすいばし」だということを知る。この辺りで荒川にかかる橋はどれもかなり長いが治水橋も800メートルを超える。土手の内側にゴルフ場や田ん

          海まで歩く(Day 3)

          坂戸日記 2024.04.28

          2024年4月28日(日)、晴れ。 既にかなり暑い。ウェザーニュースの履歴をみると13時には30℃、15時には31℃になっている。「まだ四月なのに・・・」と使い古された言葉を思う。 世間一般は3連休の中日。ドロシーと話してプール教室に申し込むことにした。歩いて申込みに行ったのだけど溶けそうだった。途中、関越自動車道を横切るところで高速を見下ろす。いつも渋滞のニュースで流れる高坂サービスエリア近くだがかなり空いてる。しかも上りの方が車が多い。 午前中、小さな家の芝生に水を

          坂戸日記 2024.04.28

          トークイベント『〈公正〉・(読んだふり)・連帯』を視聴する

          積読ならぬ積視聴となっていた動画を視聴した。左側に映っている朱さんに関係する本と、右側に映っている三宅さんの本を最近読み終え、いずれも面白かったからだ。三宅さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読んで、「だよね」と思ったというのもあるし、それは本に限らず動画もだよねと思ったからだ。 動画の中で二人の会話が噛み合っていたかどうかは私にはよくわからない。二人とも「それ面白いですね」という言葉を最初に言ってから、結構、自分の言いたいことを言っている気もしたからだ。 で

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          皮肉に満ちた趣きのなかで:ボルヘス『死とコンパス』

          世界には隠された秘密がある。そう考えた方が面白いことは間違いがない。『死とコンパス』の登場人物の一人、レンロットもこう言っている。 ボルヘスの短編『死とコンパス』は、モノクロ画面やスタイリッシュな構図が多用された犯罪映画《フィルム・ノワール》の雰囲気に満ちている。 たとえば冒頭で殺害されるマルセル・ヤルモリンスキー博士に関する説明の以下の文章がその例となる。 日本語に翻訳されていることを考慮しても、実のところこの5行ほどの文章は、端的には、 1. 最初の犯罪は北ホテル

          皮肉に満ちた趣きのなかで:ボルヘス『死とコンパス』

          現代的な課題感と感性を反映するSFらしい近未来SF:柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』

          本を読んで「やられた!」と感じるのは、人によっていろいろ違う。哀しい恋と別れという人もいれば、巧妙なトリックや壮大な歴史ドラマっていう人もいると思う。 私はといえば、《センス・オブ・ワンダー》。まぁ、ざっくりいうと違う世界につれていてくれる感覚。違う世界に行くといっても異世界転生とはちょっと違って、どこか理屈っぽく訴えかけるのに弱い。SFが好きだったのもそういう理由だ。 柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』は、日本のSF(サイエンス・フィクション)の短編集で、私はこの

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