#詩
Once in a Blue Moon
── Once in a Blue Moon ──
極めて稀なこと
決してあり得ないこと
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Blue Moon
かくさないで
あの夜 朱にそまった月の頬を
Blue Moon
みていたはず
あの夜の月は燃えるように赫かった
Blue Moon
みつめていて
宵の闇から黄金の瞳で
『少女のころ』
置き去りにされても
永久(とわ)にしようと閉じ込めた
長すぎる少女の時を
儚さ抱(いだ)いて憂うのか
見果てぬ夢と知ってなお
刹那の瞬きに掻き消えた
短すぎた少女の頃を
それでも愛しく惜しむのか
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『少年のころ』
置き去りにしても
夏と競って駆け抜けた
幻のような少年の頃を
それでも共に懐かしむのか
留まることをあきらめてなお
晩夏の空に焼きつくほど
鮮烈すぎた少年の時を
互いに黙して分かつのか
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60003472/picture_pc_9499152e8d7f638c40b9c6ef6d349fb9.jpg)
詩 The subconscious
夜明けの静けさの中で
繰り返し置き去った影
今日も来たかと眉を上げるお前は
滑稽に飛び跳ねる
異国の帽子屋のまねごとか
宮廷に巣食う
慇懃無礼な道化師か
「おやおや、神であっても影はついて回るのだぞ、ほれ」
あちらにもこちらにも見えるのは
いつものように
影と名のついた顔の不確かな存在
気まぐれに歌う者
算盤をはじく者
頷きながらおかしな絵を描く者
赤く光る玉を愛おしげに抱く者
何を聴いて