20.光の先には、きっと幸せの扉があるという。
「遠く離れた父と母」
遠く離れた父と母。
あなたは、わたしの父や母だったけれど、
あなたが、わたしにしてくれたように、
わたしがあなたを抱きしめる時が来てしまいました。
あなたが、わたしの子どもの頃にしてくれたように。
そっと、囁きましょう。
そっと、語りましょう。
そっとお話してみましょう。
遠く離れた父と母。
いつの頃からか、わたしはあなたの親になりました。
いつの頃からか、あなたはわたしの子どものように、
いつの頃からか、わたしはあなたの年になってしまいました。
わたしの中のあなたは、わたしよりも若く、大きく、強く、逞しく。
わたしの中のあなたは、わたしよりも永遠に優しさを残したままで、
わたしの心の中にいつまでも、いつまでも息づいています。
あなたが、わたしの子どもの頃にしてくれたように、
わたしは、わたしの子どもたちと、今のあなたに同じことをしています。
そっと、囁いています。
そっと、語りかけています。
そっと、お話をしています。
あなたが親だった時のことを。
いつまでも愛し続けてくれたことを。
遠く離れた父と母。
遠く離れた父と母は、遠く離れた祖母のもとへ。
そっと、囁くでしょう。
そっと語りかけているでしょう。
そっとお話をしているでしょう。
時の流れを超えて、いつまでも待つてるあなた。
時の流れを超えて、遠くから光で導くあなた。
遠く離れた父と母。
光の先にはしあわせの扉があるという。
しあわせの扉の先にも光があり、
その光の中に愛する人たちがあなたを待っている・・・
遠く離れた父と母へ。
coucouです。みなさま、ありがとう、ごきげんよう!
追記:親は年を取ると子どもに還ります。知らぬ間に、子どもは年を重ねて親になります。私は父や母がこの世を去るまで、私が子どものころにしてもらったように同じことを語り、笑い、泣きつづました。いつの間にか、遠く離れた父と母ですが、目をつぶり、声をかけるといつもの笑顔が見えてきます。わたしはいつまでも声を掛けます、「大好きだよ!」と。
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