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166.お金なんてね、必要な人のところに必要なだけ、行けばいいのよ!

貧乏の達人

最近は、スマホがないと不安に陥ります。失くしたりすれば大騒ぎ、誰もがパニックとなる世の中となりました。

これからの時代はお金もカードだけでなく、スマホ決済となる可能性を帯びて来ましたが、どのような形に変わろうともお金の本質はまるで変らないことがわかります。

その理由は、お金がなければ幸せになれない、お金がなければ生きて行けないと考えているからです。

確かに生きるためにはお金が必要となりますが、本当にそのお金は生きるために必要なものなのか改めて考えて見る必要があるようです。

お金のために我慢する、お金が欲しいから付き合う、お金の為に自分の意志を曲げる、お金の為に自分の人生が変わる、変える。

現代社会の歪みは、お金に対する考え方や価値観によって大きく変わってしまいます。

お金にまつわる話で、1971年(昭和46年)に発表された映画「素晴らしき哉、人生!」(フランク・チャブラ)を思い出しました。(何度かnote記事で紹介)

主人公のベイリーは家族からも恵まれ、愛する美しい妻、そして可愛らしい子どもたちと幸せに暮らし、誰からも好かれ、愛されている男性でした。それは、困っている人がいればまるで自分のことのように人々を励まし、支えてきたからです彼は町の人気者でした。

しかし、あるとき大金を置き忘れてしまい、大騒ぎとなりました。
当時は、自己破産か牢屋に入るしか方法はありませんでした。


クリスマスの夜のこと、ベイリーは自殺を考えました。クリスマスツリーの準備をしながら彼を待つ妻や子どもたち。多くの人々を支え続けてきたにも拘わらず、叔父の銀行からもお金を借りることができませんでした。

しんしんと積もる雪の中をずぶ濡れになりながら歩き続け、ベイリーは高い橋の上で飛び込もうとしました。

そこへ、二級天使クラレンスが突然現れて、「人生はお金だけではない」と
ベイリーを説得します。

そして、もし彼がこの世に存在していなかったら…と、彼のいない未来の町を見せました。その未来はとても寂しいものでした。


ベイリーは、人生をやり直そう、生きて見ようと決心し、家族のもとに向かいました。すると、噂を聞いた多くの人々がベイリー家のクリスマスツリーに帽子いっぱいの寄付金を届けたのです。

ベイリーは愛する妻と子どもたち、多くの人々からの祝福を受けて、彼は町の為に生きようと希望を取り戻したのです。

この物語には、現在の拝金主義で失われた人間性(良心)を表しているような気がします。

現在、この映画はアメリカのバイブルのひとつとなっています。

映画「素晴らしき、哉、人生!」のワンシーン


お金は決して「魔物」ではありません。

お金は、その人のこころを映し出す反射鏡のようなものかもしれません。次のようなことを調べて見ました。

①・「メジャーリーグのスター選手であったカート・シリング投手は、現役時代に日本円にすると約125億円を稼ぎましたが、現役を引退して10年後には財産をすべて使い切り、自宅も記念品も何もかも失ってしまいました。

②・ナショナル・フットボール・リーグのスターだったアントワン・ウォーカーは、現役時代に122億円を稼ぎましたが、贅沢と浪費に明け暮れて、結局は有り金をすべて使い果たしました。

③・ボクシングの元ヘビー級王者マイク・タイソン(230億円)を稼ぎ出し、2003年に21億円の借金を抱えて自己破産。マイク・タイソンはマイケル・ジャクソンのように才能あふれた子供でしたが、経営難に巻き込まれました。一時は1試合で36億円の金を稼ぐ力を誇っていたにもかかわらず、2004年に破産申し立てをしたとき、30億円の借金を抱えていました。その中には未納の税金15億円が含まれ、ダイヤのちりばめた黄金の腕輪代2000万円がありました。タイソンの破産前の生活費は月額4800円だったのです。

④・歌手マイケル・ジャクソン=負債額400億円以上。マイケル・ジャクソンは青年期までに、ジャクソン5のリーダーとしてトップ10のセールをはじき出していましたが、必要に迫られビートルズの著作権を担保に300億円のローンを銀行から引き出し、破産を食い止めました。

⑤・歌手エルトン・ジョン=総資産は200億円以上でしたが、2001年に破産。歌手ビリージョエルも稼いでは破産し、破産しては稼ぎ、そうかと思ったらまた破産するという破天荒な人生を送っています。

⑥・マービン・ゲイも現役時代から浪費や離婚で財産が吹き飛び、ドラッグに溺れて隠遁生活を余儀なくされて、最後は父親に撃ち殺された。

⑦・ハリゥッドスター。バート・レイノルズ=晩年は破産寸前、失意の中で2006年9月6日に亡くなりました。

⑧・ニコラス・ケイジ=破産寸前に追い込まれている。

⑨・「パイレーツカリビアン」の大スター。ジョニー・デップ=生活費が月に2億円超えで破産に追い込まれる寸前だといいます。


しかし、どうやったらこれだけ盛大に使いきれるのかでしょうか?
人間の欲望(心)とは果てしないものなのでしょうか?

資産が100億円あっても年間20億円を使っていたら、わずか5年で自己破産するしかありません。逆に年収が300万円であっても、年間100万円しか使わなかったら200万円が残ります。問題は自分の欲望をコントロールすることができるか、どうかなのかもしれません。

⑩・バッファロー・ビルは1893年に開かれたシカゴ・コロンビア展示会     のワイルド・ウェスト・ショーで、現在の価値にして36億円もの金を儲けたと、エリク・ラルソンの『ホワイト・シティの悪魔』に書かれています。
だが1907年の恐慌で彼は破産し、1917年に死んだときは葬式代も払えないほどでした。

⑪・偉大な小説家マーク・トウェインは生涯、危ない出資と一癖ある投資に  手を染めていましたが、その結果今日の金額にして4億円の借金を背負った。1890年代に最新式だが需要がなかったタイプライターに金をつぎ込んでしまったのです。彼はしぶしぶ講演活動をして破産を免れなければなりませんでした、

⑫・出版界の巨人ウィリアム・ランドルフ・ハーストは、サン・シメオンに土地を持ち85メートルのヨットを所有していましたが、1930年代後半に破産に追い込まれました。

©NPО japan copyright association Hiroaki




アメリカの有名な雑誌「フォーブス」誌の発表によると、ハリウッドで五番目にギャラが高い俳優であるジョニー・デップは、2016年に4300万ドル(約53億4640万円)を稼ぎました。1年間に50億円以上も稼いだのです。
まさに一生遊んで暮らせるほどの大金です。

さらに、過去10年で考えれば100億円以上を稼いだと言われています。が、そんな大金を稼いでいるにも関わらず、なぜジョニー・デップは破産寸前にまでなってしまうのでしょうか?

その理由はこちらです。◇12を超える住居に108億円◇友人であるハンタートンプソンの遺灰を大砲で打ち上げて弔うのに3億円◇娘へのプレゼントとしてキムカーダシアンの撮影で使われたソファに73万円◇毎月最大2000万円以上を使ってプライベートジェットで旅行をし、バスキアやアンディ・ウォーホルの作品を200点以上購入◇高級ワインに300万円 
                       ※ "Rolling Stone” 誌 参考
なんとジョニー・デップは生活費に月200万ドル、実に2億2000万円以上も浪費していることになります。


しかし、そんな話は大金を稼いでいるハリウッドスターの話であって他人事のように誰もが思うと思い、自分には関係ない、と考えるでしょうが、
ところが実際は年収が1億円だろうが10億円だろうが、はたまた500万円であっても、そのお金のルールを知らなければ驚くほど簡単に破産したり、金銭的に困窮してしまうものなのです。



お金にはあるトリックがあります。

例えば、街に出て財布を忘れた場合、財布にお金もカードもなかった場合、パニックとなり誰もが慌てますね。突然の不安に際悩まれ、どうしたらいいかわからなくなります。

また、ポケットに1万円あれば安心しますね。
しかし、ポケットに100万円あったら、落としたらどうしょう、と不安になります。さらにバックに1000万円の現金を入れていたら、周りの人たちがみな泥棒に見えてしまいます。確かに一銭もなければ不安になりますが、ありすぎても恐怖心の固まりとなりますね。

これが、お金に対する思い込み、勘違させてしまうトリックなのです。
しかし、このような人々もいました。それは、実際、収入が年収500万円に満たない人でも億万長者になる人は世の中には数多く存在しているのです。


例えば、アン・シーバー
彼女が IRS(アメリカ合衆国内国歳入庁)で働いていた当時、女性差別とユダヤ人差別にあっていたため昇進することもできず給料も当然低いものでした。実際、彼女は年間4000ドル以上(約44万円)の給料を得たことは一度もありません。彼女が101歳になった時、ある大学に2200万ドルを寄付しました。2200万ドルは今の金額で22億4000万円です。

ポール・ナヴォン
彼は貧しい家庭に生まれ、高校も行かず16歳からニュージャージー州のガラス容器工場で60年以上働きました。 彼の初給料はたった時給75セント!そして、最後まで11ドルを超えることはありませんでした。しかし、彼は最終的には何百万ドルという資産を築き、2つの学校に合計200万ドル(約2億2千万円)の寄付をしたのです。

マーグリット・ディクソン
スコットランドで教師として働いていた彼女は72歳のときガンで亡くなりました。しかし、彼女の預金は110万ポンド(約1億6千万円)を超え、さらには家族が知らない銀行口座にも数千ポンドの遺産を、残していました。それだけでなく、彼女は慈善団体に110万ポンドもの寄付もしていたのです。

ロナルド・リード
地元バーモント州で清掃作業員やガソリンスタンドの店員などをして生計をたてていました。2014年六月に亡くなりましたが、彼の死後に資産を調べたところ、なんと800万ドルもの資産が残っていたそうです。800万ドルとは一ドル110円で計算すれば、8・8億円に相当します。
どうなのでしょう。

今、挙げた人たちはいずれも自身の年収が500万円にも満たないにも関わらず億を超える資産を築き、最終的に多額の寄付をしています。
では一体年収が少なくともどうお金を貯めたのでしょうか?

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私の叔母は現在77歳です。
現在は病を抱え、働くことができず、年金もないため生活保護を受けています。
生活保護のお金は毎月わずか8万円。
家賃は別に35000円かかりますが、これも補助を受けています。

若い頃から、しょう害を抱えているため給食センターで皿洗いの仕事をしながら一人で生活をしていました。
当時の収入は毎月10万円~12万円の収入です。
叔母はそのわずかなお金で50年近く働き続け、約1800万円を貯めました。
毎月3万円の50年間です。

やがて、病気を繰り返し働けなくなったため、生活保護を受ける事になり、申請したときに預金額が多すぎて生活保護を受ける事ができませんでした。
確かにそれだけのお金があるわけですから。

しかし、その後、そのお金を困っている兄弟たちに使い、一銭も無くなったため再度生活保護を受ける事となりました。

そして、3年間が過ぎました。

生活保護は毎年審査があり、審査官が叔母の通帳の中身を見て驚きましたのです。それは、3年間で約100万円溜まっていたことでした。

生活保護のお金は生活に困る人々、仕事の出来ない人たちが対象のため預金残高があるということはその対象から外されてしまう可能性があるからです。

現在の叔母はようやくお金を少しずつ使うことを学び、また再申請の準備をしています。しかし、毎月3万円の小さな貯金がどうしてできるのか担当の保護官が驚くほどの慎ましい生活をしていたのです。

私は、その叔母に聞きいてみました。
「どうして、そんなにお金が貯めることができたの?」

叔母は何食わぬ顔をして答えました。
「特にね、欲しいものがないのよ…」

叔母の貯金はほとんど困っている兄弟に使われてきましたが、
「でもね、兄弟からあまり感謝されていないように思うのだけど…」

「わたしは、一人ぼっちで生きているし、みんなに心配ばかりかけて来たし、迷惑をかけないように静かに暮らしているのよ。お金なんてね、必要な人のところに行けばいいのよ…」

たどたどしい言葉づかいでそう答えました。

「…で、何が楽しいの?」

私は少しばかり嫌らしい質問をしました…。

叔母はそれでも笑顔で、
「みんなが元気でいてくれるだけで幸せよ…」

私はこの意地悪な質問に少しばかり後悔をしましたが、それが叔母の紛れもない本心でした。

彼女は、人生の達人。
いや、貧乏の達人でした…。


私たちは年収が200万円、300万円、500万円、1000万円しかないと嘆きますが、
どれだけの貯金ができているのでしょうか?
どれだけの不必要な浪費生活をしているのでしょう?
お金とは何なのでしょうか?
お金がなければ生活できない、
お金がなければ幸せになれない、
お金が必要、と。

そして、叔母のようにしあわせになれるのでしょうか?

いつの間にか私たちはお金という魔物の餌食となって、思い込みという洗脳により、不幸感や幸せ感を勝手に生み出しているのですね。


では、またあした!

みなさま、ごきげんよう!




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