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63.越中富山のくすりやさんの、素敵な言葉「先用後利」、人々に奉仕しよう!

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越中富山のくすりやさん、不思議な銅像

富山駅の前に不思議な銅像がありました。
それは、駅前でもあまり人通りはなく、銅像はひっそりと佇み、何かを語りかけていました。

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富山市観光公式サイト「富山駅前の売薬さん銅像」より

その銅像は等身大のブロンズ像「富山のくすりやさん」です。
一体は風呂敷で包んだ柳行李(ごうり)を背負い、道を急ぐ姿です。
もう一体は訪問先で懸場帳を開き、そばに紙風船を大切そうに持つ子供の姿でした。
明治から戦後間もない時期の懐かしい「売薬さん」の姿を伝えていました。
実はこの講演会の前に、担当者からこんなメモを頂いていました。

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富山県民会館分室館「薬種商の館・金岡邸」の富山薬売り業の特徴の一節より。

《行商員心得十則》

一) 戊申詔書(ぼしんしょうしょ)の聖旨を奉體(ほうたい)し忠實(ちゅうじつ)、業に服し國恩報謝(こくおんほうしゃ)を心懸けよ。

二) 自己の亨くる幸福は得意家の賜(たまもの)と心得て常に之を感謝せよ。

三) 得意家は一時に非す永久の顧客なれば尊重して親切を尽くせ。

四) 懸場帳等の記載は明瞭に、計算は正確にし過誤なきを期せよ。

五) 仕事は豫(あらかじめ)準備し其日其日之を完了し翌日に延ばすな。
《四つの柱》
(一) 感謝報恩
(二) 先用後利
(三) 心説薬救(しんせつやっきゅう)真心をもって説き、良薬で苦しみを救う。
(四) 士魂商才(士の魂をもって商才を発揮する)

※「先用後利」とは、まず薬を先に使ってもらって感謝され、その後に利益を得るという考え方です。先用とは、相手の健康を思いやって薬を渡し、肉体の苦しみを取り除いてあげ、その後に感謝の報酬を受ける。人々に奉仕しよう、ということが初めにあるという考え方です。

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富山市の観光公式サイト「富山駅前の売薬さん銅像」より

(へえ・・富山県の担当者は素敵な土産をくれた。粋だねえ・・ありがたい。)

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私は子供の頃を思い出しました。
大きな包みを担ぎ、玄関に座り込んで母と話している越中富山のくすりやさんの姿。額の汗を拭いながら、大きな笑顔で風呂敷から箱を出し、置き薬を置いていきます。(「置き薬」は、無料で薬箱と薬を置き、使った薬だけを集金に来てくれる便利な薬箱です)

私の楽しみはくすりやさんのお土産、なぜか子供たちに紙風船を置いていくことです。とても嬉しいサービスでした。
その紙風船は子ども心に随分と楽しませてくれました。

くすりやさんは一年に一回か二回くらいしか来ません。
ついつい待ち遠しくもあった子ども時代。

失礼ながら、もう滅びてしまったのかと思っていいたら、そんなくすりやさんは現在も続いていました。

何も観られなかった富山県。
聴講してくださった多くの方々から頂戴した拍手と「富山のくすりやさん」のメモが、私の大切な宝物になりました。

「また、呼んで下さい」と言いたくなる、そんな素敵な土地柄でした。

©Social YES Research Institute / coucou


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coucouです。みなさまごきげんよう!

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