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映画 記事まとめ

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映画の感想文や、おすすめ映画について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#映画」「#映画感想文」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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#映画評

お題企画「#映画感想文」開催中!受賞者は映画『マイ・ダディ』を輩出したTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMの公式ライターに!

映画をみて感じたこと、考えさせられたこと、考察、振り返りなどを「#映画感想文」で募集します! 映画を愛するクリエイターを応援します!今回のお題企画は、2022年1月27日から2月28日の間、クリエイターの発掘コンペティションを運営する「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」に後援いただくことになりました。 後援期間中に「#映画感想文」をつけて投稿された作品のうち、TCP担当者が最優秀賞、優秀賞を選定。受賞された方には、公式ライター就任などのすてきなプレゼント

ジョン・カーペンター監督 『マウス・オブ・マッドネス』 : 地上に堕ちた「狂気」

映画評:ジョン・カーペンター監督『マウス・オブ・マッドネス』(1994年・アメリカ映画) 気になりながらも、ずっと見る機会のなかった作品のひとつである。 このところ、「ヌーヴェル・ヴァーグ」関係のお勉強で、正統派の古典映画ばかり見てきたから、たまにこういうのを見ないと「頭がおかしくなってしまいそうだ」と、本作を見ることにした。 本作が気になっていた理由は、主に次の二つ。 (1)については、とにかく私は『遊星からの物体X』が好きなのだ。 クローズド・サークルのメンバーの

アルフレッド・ヒッチコック監督 『ロープ』 : 「現場視点」の快楽と陥穽

映画評:アルフレッド・ヒッチコック監督『ロープ』(1948年・アメリカ映画) 本作『ロープ』は極めて特徴的な作品である。 そのため、通り一遍の紹介や評価で良いのなら、その特徴を挙げて誉めるだけでいいのだから、これほど容易いことはない。まただからこそ、それ以上のことを言おうとすれば、それなりの見識が必要ともなる。 その意味で本作は、「評者の試される作品」だと言っても良かろう。 本作の「基本的な性格」は、「Wikipedia」の紹介文冒頭の、次の一文に尽きる。 この紹介文は

チャールズ・チャップリン 『キッド』 : 素朴なヒューマンコメディ

映画評:チャールズ・チャップリン『キッド』(1921年・アメリカ映画) チャップリンの初長編作品である。無論、モノクロ・サイレント。 本稿のタイトルを、いつものように「○○監督『×××』」という具合に、「監督」を付けなかったのは、チャップリン作品の場合、監督・脚本・主演のすべてをチャップリン自身がやるのは当たり前のようなので、ただ「監督」とだけ付けるのに違和感があったからだ。つまりチャップリンの作品は、チャップリン作品以外の何物でもないと、私にはそう思えたためである。

映画『フェラーリ』 マイケル・マン、老いてなお健在(ネタバレ感想文 )

イタリア人たちが英語しゃべってるのはどうかと思いますが、まあ、吹き替えみたいなもんだと思いましょう。 私はマイケル・マンが好きです。 きっかけは『ラスト・オブ・モヒカン』(1992年) マイケル・マンの監督作は8年ぶりくらいなのかな? 私は『パブリック・エネミーズ』(2009年)以来なので15年ぶりくらい。 あの映画は、強盗専門の脚本家と社会派好きな脚本家とガンマニアの監督が全員バラバラな方向を向いている印象でしたけどね。 私はマイケル・マンを「無精髭と銃を描く作家」と

【総評】第76回アカデミー賞

 みなさん、こんばんは!  久しぶりにこの企画をやります!  今回は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』が作品賞に輝いた第76回アカデミー賞!その総括と個人的ランキングを書いていきます。 総括この年は『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』の年でした。ノミネートされた全ての部門で受賞、『ベン・ハー』『タイタニック』と並ぶ11部門で受賞となりました。 また、『ロスト・イン・トランスレーション』ソフィア・コッポラはアメリカ人女性として初めて監督賞にノミネートされました。 また

デニス・ホッパー監督 『イージー・ライダー』 : 「無意味な死」と キリスト教的含意

映画評:デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』(1969年・アメリカ映画) 子供の頃、この映画の写真を見て以来、長らく「アメリカの暴走族」の話かと思っていた。 その後「ヒッピー」的な若者の話だと聞いた(読んだ)ような気がするが、その際も「ヒッピー」が何かをよくわかっていなかったので、「ドラッグをやっている、アメリカの不良」という印象もあって、やはり「アメリカの暴走族」という悪イメージは、ほとんど修正されなかった。 その後、「ヒッピー」に対する悪イメージはかなりのところ払

2024年 上半期ベスト

社会人も四年目となってしまい、着実に映画を観る時間は減っているのだが、今年もそこはクオリティで維持しようと奮闘している…はず。鑑賞本数自体は一昨年より100本近く少ない去年よりも更に少ない343本で、しかも今年は去年頑張りすぎた影響でギリギリまで好みの新作に出会えない辛い年となった。毎年恒例の発表日をズラすというズルを今年も行い、滑り込みでランクインした作品もあって、これも良かった。今年も例年通り、 の三つを条件に作品を集めまくった。結局総数は138本となった。昨年は128

映画オッペンハイマーをやっと見てきました

やっと映画オッペンハイマーを見に行くことができました イオンに入っている市内一大きな映画館へもっと早く見に行きたかったけど、 気づいたらレイトショーしかなくて、公共交通機関もなくてどう足掻いても無理で諦めていました 家に帰る頃には日付またいでる(哀)  やっと駅裏にあるアルヴェシアターさんで上映が決まったので行ってきました  家から片道約15分で行くことができます でも、飲み物やホットドッグを買っていたら開場時間を数分オーバー  冒頭ちょろっと見逃しました(汗) 現

[2024.7] 【映画評】2024年夏に観るべき傑作3本〜『メイ・ディセンバー ゆれる真実』『めくらやなぎと眠る女』『墓泥棒と失われた女神』

2024年夏に観るべき傑作3本 『メイ・ディセンバー ゆれる真実』 『めくらやなぎと眠る女』 『墓泥棒と失われた女神』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  去年ハリウッドで長期に渡って行われた脚本家組合と俳優組合によるストライキの影響で、多くの大作映画の撮影が延期された。そのせいか今年の夏は誰もが話題にするような注目作は見当たらないが、それでも小、中規模の質の高い作品が数多く公開を控えている。そんな中から3本を選んで紹介しよう。

映画 『大アマゾンの半魚人』 : 半魚人をめぐる あれこれ

映画評:ジャック・アーノルド監督『大アマゾンの半魚人』(1954年・アメリカ映画) 本編の主人公ではないはずだが、まあ実質的に主人公である半魚人が、「ギルマン(エラ人間)」という名称で呼ばれているというのは、本稿を書くために「Wikipedia」などを読んでいて、初めて知った。 私はこれまで、子供の頃にそう呼んでいた通称で「半魚人」あるいは「アマゾンの半魚人」と呼んでいたのだ。タイトルの頭に「大」が付いているのも知らなかった。 私が子供の頃、外国映画のモンスターといえば、

ジャック・ドゥミ監督 『シェルブールの雨傘』 : 恐るべし、ミシェル・ルグランの魔笛

映画評:ジャック・ドゥミ監督『シェルブールの雨傘』(1964年、フランス・西ドイツ合作映画) 『シェルブールの雨傘』というタイトルは、子供の頃からよく耳にしていた。だが、それ以上に耳に馴染んでいたのは、ミシェル・ルグランによる本作の主題曲で、私はこの情感あふれる曲を、子供の頃にあちこちで耳にしながら育ったと、そう言っても良いくらいである。 ただし、子供の私にとっては、この曲が映画『シェルブールの雨傘』の主題曲だという認識はなかった。ただ、物悲しくもロマンティックな「良い曲

[2024.6] 【映画評】アウシュビッツが照射する現代の非情 『関心領域』そして『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』と『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』

アウシュビッツが照射する現代の非情 『関心領域』そして『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』と 『ONE LIFE 奇跡が繋いだ6000の命』 文●圷 滋夫(映画・音楽ライター)  現在公開中の『関心領域』は、昨年のカンヌ国際映画祭でグランプリ、今年のアカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞を受賞している。そしてアウシュビッツを描いた作品として、これまでにない画期的な表現によって映画史にその名を残す傑作になったと言えるだろう。  カメラは強制収容所内で行われていた行為を一

『ある時は 人が何と言おうとも 自分の心の声を聞いて』

【遠い空の向こうに】またもや実話ベースの物語。王道感動系の作品なのですが、実話というのがすごい!まるで映画のために脚本家が書いたようなストーリーでした! 1950年代のアメリカの田舎町がこの物語の舞台です。1957年、ソ連が人工衛星の打ち上げに成功し、町中の人が夜空を見上げます。その中に、ジェイク・ギレンホール演じるホーマーという少年がいました。夜空を駆ける衛生を目の当たりにした高校生のホーマーは、その美しさに感動します。自分もロケットを打ち上げようと思い立ち、友人たちと試