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映画 記事まとめ

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映画の感想文や、おすすめ映画について書かれた記事をまとめていく公式マガジンです!主にハッシュタグ「#映画」「#映画感想文」が付けられている記事を自動で追加し、紹介していきます。
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#おすすめ名作映画

お題企画「#映画感想文」開催中!受賞者は映画『マイ・ダディ』を輩出したTSUTAYA CREATORS’ PROGRAMの公式ライターに!

映画をみて感じたこと、考えさせられたこと、考察、振り返りなどを「#映画感想文」で募集します! 映画を愛するクリエイターを応援します!今回のお題企画は、2022年1月27日から2月28日の間、クリエイターの発掘コンペティションを運営する「TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM」に後援いただくことになりました。 後援期間中に「#映画感想文」をつけて投稿された作品のうち、TCP担当者が最優秀賞、優秀賞を選定。受賞された方には、公式ライター就任などのすてきなプレゼント

運命の輪が回る -フリッツ・ラングの映画の魅力

  【木曜日は映画の日】     よく、ホラー映画や小説の惹句に、「人間が一番怖い」というのがありますね。   「人間が一番怖い」映画で私が思い出すのは、『メトロポリス』を撮った巨匠、フリッツ・ラングの映画です。   ラングは、サイレント時代から撮っており、おそらくは映画史上10本の指に入る、重要な巨匠です。 ジャンルとしてのホラー映画は一本も撮ってはいませんが、その容赦なく暗い人間観と、精巧な機械のように組み合わさって、破滅へ向かう運命の過酷さは、並みのホラーよりも背筋が

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

思えばこの映画を初めて見たのは中学生の頃だったか。映画が好きでとにかくなんでも貪るように見ていたっけ。 さて、わたしは先ほどから見始めて、ちょうど50分のところでまずひと泣きした。 まて。ティッシュを取らせてくれ。 そう思って画面を停止したら50分のとこだった。 ウィルを外に連れ出したショーンが、初めて諭すように語るシーンである。 中学生のわたしには、この映画はまだまだわからなかった。そういえば、中学生の頃に読んだ向田邦子のエッセイも、さっぱりその良さを分かってはいなかっ

デニス・ホッパー監督 『イージー・ライダー』 : 「無意味な死」と キリスト教的含意

映画評:デニス・ホッパー監督『イージー・ライダー』(1969年・アメリカ映画) 子供の頃、この映画の写真を見て以来、長らく「アメリカの暴走族」の話かと思っていた。 その後「ヒッピー」的な若者の話だと聞いた(読んだ)ような気がするが、その際も「ヒッピー」が何かをよくわかっていなかったので、「ドラッグをやっている、アメリカの不良」という印象もあって、やはり「アメリカの暴走族」という悪イメージは、ほとんど修正されなかった。 その後、「ヒッピー」に対する悪イメージはかなりのところ払

【映画感想】 『美しき仕事』 Beau Travail - クレール・ドゥニの隠れた傑作

ああああああああ 良い映画を観た。 すごい映画を観た。 クレール・ドゥニってこういう鑑賞後感あるんだよなああああ だから好きなんだよなあああ 捻りも変哲もない直訳の邦題だけど、ロゴすら美しい。 ロゴデザイナーの端くれとして惚れ惚れするタイポグラフィ。 そしてそして、主演はあのドニ・ラヴァン。 そう、カラックス青春三部作(『ポンヌフの恋人』『汚れた血』など)で有名なあのドニ・ラヴァンですよ!!!! おっさんになってるかと思いきや、いやおっさんの役なんだけど、身体はキレ

天の使いが駆ける -映画『ペイルライダー』の美しさ

    【木曜日は映画の日】     「ジャンル映画」というのは大体物語のパターンが決まっています。ホラー映画、ラブコメ映画、一昔前のギャング映画ややくざ映画しかり。   パターンが決まっているというのは、みんなが好む、大衆的な作品の条件でしょう。   そしてそれゆえに、人々の集合的な無意識を反映して、ある種の神話のように輝いてしまう異様な作品が、時折存在します。   クリント・イーストウッド監督・主演の1985年の映画『ペイルライダー』は、西部劇という大衆的なフォーマットを

【フランス映画紹介】 あまりにもマイナーなゴダール映画3選

二本目以外はわざわざ劇場へ足を運んで観たのだけど、ゴダールオタクを豪語するわたしでも「?」な作品ばかり。 それでも集客ができるのはゴダールはブランドだからである。 わからなくてもいいのだ。 畏れるな、感じろ。 #01 『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』 Film annonce de film qui n'existera jamais : 《Drôles de guerres》巨匠ゴダールの遺作となった作品。 さっぱりわからなかった。 ゴダールにかなり近

映画「マッドマックス:フュリオサ」 -もはやマッド・フュリオサ

こんにちは、Emuです。 当記事をご覧いただき、ありがとうございます! 「マッドマックス 怒りのデスロード」の前日譚にあたるフュリオサの物語、「マッドマックス:フュリオサ」を観てきました! フラッと観に行っても楽しめなくもないですが、本気で楽しみたい方はマッドマックス 怒りのデスロードを一度ご覧になってからがオススメです! 映画「マッドマックス:フュリオサ」あらすじ核戦争により崩壊した世界にも緑豊かな土地が残っていた。 ある日、フュリオサは友達と一緒に集落から離れた森

Take-36:映画『マッドマックス/怒りのデス・ロード』(2015)は面白かったのか?──ここから既にフュリオサは主役?

【映画のキャッチコピー】 『おまえのMADが目を覚ます』   ちょっとスットンキョなコピーですが😂海外版のキャッチコピーは『The future belongs to the Mad』──また『What a Lovely day』というバージョンもあります(これも面白いコピーですねw) 【作品の舞台】  大量殺戮戦争勃発後、文明社会が壊滅した世界が舞台。  生活環境が汚染され、生存者達が物資と資源を武力で奪い合うこの設定は『マッドマックス2』から唐突に始まった世界観です

疾走する若さ -傑作映画『出発』の美しさ

    【木曜日は映画の日】     青春映画の美しさの一つは、「期限」があることだと思っています。   終わりは決められている。終わりを分かっているからこそ、そこまでの時間が大切で、甘美に感じる。   ポーランドの映画監督、イエジー・スコリモフスキが、ベルギーで撮影した1967年の映画『出発』は、そんな時間の甘美さと終わりの痛切さを鮮烈に描いた作品の一つです。 ブリュッセルの美容師見習いの青年マルクは、カーレーサーになることを夢見ています。車は持っていないので、夜な夜な店

【フランス映画入門】 あかるくたのしいフランス映画紹介 #07

こちらはフランス映画に馴染みのない読者の皆さんが、「フランス映画って楽しそう!観てみたい!」と感じていただけるよう、明るく楽しい作品を紹介していく試みだ。 今回はその第七弾である。 ライトに短編に絞った3作品をご紹介する。 それではスタート。 #19 『あこがれ』 Les Mistons (1958)監督:フランソワ・トリュフォー 主演:ベルナデット・ラフォン 自転車に乗って走り回るベルナデット(ベルナデット・ラフォン)のシーンはもはや伝説。懐かしさすら感じさせるアイコ

映画「碁盤斬り」。

草彅剛さん主演「碁盤斬り」 観てきました。 素晴らしい映画でした。 役者・草彅剛が炸裂。 今回も本当に見事でした。 バラエティ番組とかだと“5歳児”の顔しか見せないのに笑、一体どこにあんな表情を隠し持っているんだと。 「ミッドナイトスワン」も本当に素晴らしかったですが、今回も凄かったです。もう完全に“その人”にしか見えないんだもの。 清原果耶さん、國村隼さん、小泉今日子さん、中川大志さん、斎藤工さん、音尾琢真さんら脇を固める役者陣も完璧で。 特に國村隼さんが好きだ

Take-35:映画『碁盤斬り(2024)』は面白かったのか?──“日本映画”は死んでいなかった

【映画のキャッチコピー】 『妻を想う男、父を信じる娘、誇りをかけた闘いが始まる!』 【作品の舞台】 江戸時代。浅草、阿部川町の裏長屋が主人公、柳田格之進の住まいとなっている。  また碁仇である萬屋源兵衛の住まいは同じく浅草馬道一丁目とあり、観音さんから吉原へ向かう方面にあります。娘のお絹が身を落とすのはその吉原の大店「半蔵松葉」です。 【上映時間】129分  皆様、よき映画ライフをお過ごしでしょうか? 𓃠N市の野良猫、ペイザンヌです  え〜、何気にボクは邦画を劇場鑑

映画『大魔神』(1966)レビュー〜「特撮だからできること」と「CGだからできること」の違いを明示し、現在でも古びない傑作〜

映画『大魔神』がYouTubeで期間限定の本編配信とのことだったので「これは見ておかねば!」と思い、視聴して見たのでレビュー。 ストーリー:C(佳作)100点満点中65点 キャラクター:A(名作)100点満点中80点 特撮アクション:SS(殿堂入り)100点満点中120点 演出:S(傑作)100点満点中100点 音楽:S(傑作)100点満点中100点 総合評価:S(傑作)100点満点中93点 正直にいうと魔神が前半なかなか出てこないので「早く出せよ」と思ったのだ