ロメールの女には敵わない

Emoruという名でクリエイターをやってます。フランス映画に圧倒されてフランス語習得し…

ロメールの女には敵わない

Emoruという名でクリエイターをやってます。フランス映画に圧倒されてフランス語習得したフランスオタク。映画、芸術、デザイン、海外古典文学、心理学、フランス滞在について幅広く。 filmarks: https://filmarks.com/users/ooospem

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わたしについて

わたしについて、というタイトルをいきなり書いて、一体誰が読みたいんだろうと思ったのが本音だった。他人は所詮他人で、自分が一番可愛い。気にしているほど人は人を見ていない。一部は真理かもだけど、それじゃあ幸せになれないよとアドラーが言っていた。だから、この記事を開いてくれた知り合いかもしれないあなたに、そして、これから出会うであろう、愛すべき世界中の仲間に向けて、わたしについて紹介する。 一言でいうとあなたにとってわたしは、どんな人間に見えますか?と聞いたら、いちばん身近な5人

    • 「何者かになりたい」が「丸の内OLになりたい」だって良いじゃないか

      この脈の続く限り、何にでもなれ。 それがたとえあなたの3年間をだめにするような災難に終わるとしても。 それがたとえ肝機能をやるほどに飲み回る羽目になった結果だったとしても。 それがたとえ、自分の周りをぐるっと描くひとかたまりの居住エリアに満足しようとしてなかろうと、そういう守るべきものを持つ未来がくるってことを受け入れることになるとしても。 何にでもなれる。でも、何にもなれない。 何もする気が起きない。 何もかもが白々しい。 ひどく美しいかと思えば無価値で、何も

      • 夜になってやっと思い出す

        酒と人と文学が救い。 元気じゃない。元気に振る舞えるときもあるけれど。 だって、人といることは楽しいから。愛おしい時間だから。 だけど、きっとまだ例の "black dog" は巣食ってる。 何をすれば治る?ううん、治らない? 治らないとしても。たとえ一生抗うつ薬と付き合っていくことになるとしても、今より良い未来を信じたい。 デザインがしたい。人と働きたい。人を愛したい。生活がしたい。 好きなものを好きと言って、美しいものを美しいと感じたい。 それだけのこと。 こんなにシ

        • 【読書感想】『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』 - 夢と現実の狭間

          夢日記を書いていた時期があった。 映画ですら観たことがないような幻想的な設定を覚えておきたくて、その風景を思い出せる状態でいたくて、それが何かのインスピレーションになると思って。記憶が薄れないうちに、noteなり手書きなり0フォロワー鍵付きのXなりに夢の内容を書き起こしていた。 でね。 この「夢を書き残す」という行為は、わたしが思ったよりかなり深く、自身の思考に影響を及ぼした。 何が起きたか。 夢と現実の狭間が曖昧になったのだ。 これは、簡単に書いてるけど、けっこうヤ

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          【お知らせ】 LINEスタンプを作りました #2

          前回に引き続き「ギヨーム」シリーズのLINEスタンプができたよ! 「ギヨームと猫」というよ。 使いどころむずそうに見えて、意外と使いやすいよ。 チェックしておくんなまし。 ↑LINEスタンプストアはこちら〜 Emoru

          【お知らせ】 LINEスタンプを作りました #2

          【映画感想】『瞳をとじて』 - 生の感覚と虚構が入り混じる奇妙な快感

          2017年に同ヴィクトル・エリセ監督の『ミツバチのささやき』『エル・スール』を観た。 『ミツバチのささやき』の主演に5歳で抜擢されたアナ・トレントが同じく "アナ" 役を務めた今作について、当時の記憶もおぼろげに何か言うほどの知性と国語力を持ち合わせていないので、映画をわたしが愛している理由のひとつについて残しておきたいと思う。 それは、映画館に行くと感じる、独特の生ぬるさ。 生きてる、って感覚。 生きてるものを、できるだけ率直に、かつ美しい状態で保存したものを直視してい

          【映画感想】『瞳をとじて』 - 生の感覚と虚構が入り混じる奇妙な快感

          【フランス映画入門】 あかるくたのしいフランス映画紹介 #04

          こちらはフランス映画に馴染みのない読者の皆さんが、「フランス映画って楽しそう!観てみたい!」と感じていただけるよう、明るく楽しい作品を紹介していく試みだ。 今回はその第四弾である。 ずいぶん久々の更新になってしまったが、フランス映画にだってあかるくたのしい作品はある。 どんどんいきましょう。 #09 『ラ・ブーム』 La boum (1980)監督:クロード・ピノトー 主演:ソフィー・マルソー とにかく一言。 主人公ソフィー・マルソー、可愛い!!!!!! 日仏ハーフを思

          【フランス映画入門】 あかるくたのしいフランス映画紹介 #04

          【夢日記】風船で海の彼方へ飛んでいく

          風船でアメリカまで空を飛ぶ。 そんな夢みたいなおとぎ話を、夢で見た。 最近、変な夢ばかり見る。 もう少しわたしに画才があれば、絵本のように素敵な世界観でイラストにしたいほどに、おもしろおかしい夢。 夢を見るとたいてい、目覚めてから記憶がなくならないうちにインターネットにありつく。「風船 アメリカ 夢」なんて具合に、同じような夢を見た人の例がないかどうかチェックしに行く。 大体はどんなへんてこりんな夢でも、良い具合に先例があるものだ。 風船でアメリカまで空を飛ぶ夢は、夢

          【夢日記】風船で海の彼方へ飛んでいく

          想像(創造)力のポテンシャル

          夢想家と呼ばれても良い、けれど、 創造欲がムクムクと湧き直した最近、 この気質が社会をよくするための素質として間違っていないことを肯定された気がした。 絵を描きたい、ものを作りたい、世界観を高めたいという欲求は鬱が落ち着くとともに自然に湧き上がってきて、これが世に求められる "デザイン" とは異質のものであることを理解しているからこそギャップに苦しむことがあった。 自己表現とビジネスに有益なことは必ずしも合致しない。 でも今は、いったん、前者がやりたい。 だからそれでい

          想像(創造)力のポテンシャル

          スパイスカレー、始めました。

          最近、趣味と呼べるものがひとつ増えた。 それは料理である。 とりわけスパイスカレー。 シェアハウスに入居した際、初めて元住人が振る舞ってくれたのがお手製のスパイスシーフードカレーだった。有頭エビをまるごと使った奥深い味わいは今でも覚えていて、こんな本格的なカレーを家で作れる人がいるなんて、と心底感心したものだ。 彼にカレー作りを教わる機会はついぞ無かったけれど、どうやらわたしが思うよりものすごい簡単に出来るらしいということを小耳に挟んだ。 インドカレーは、最低3つのスパ

          スパイスカレー、始めました。

          "今は干からびるまで泣いて良い"

          そう言ってくれたのは、わたしを大切だと言ってくれる人だった。 友人が死んだ。 一緒にスノボ行ったじゃん。あの子の誕生日一緒に祝ったじゃん。ぜんぶわたしが、本当に大好きな人たちだけを呼んで幹事した会でさ。雪山の中に誰かが投げ捨てたゴミ袋をわたしたちの荷物だと勘違いして大騒ぎして、結局ただのゴミだったオチでシラフでゲラゲラと、夜中でもないのにお腹千切れるくらい笑ったじゃん。 サシで日本酒いろいろ巡ってさ、酔っ払いながら二人で色々試してさ、トイレが和式のおじさん臭い居酒屋に下町

          "今は干からびるまで泣いて良い"

          生きづらさは「恐怖」から来ていた。その正体は? - 『あやうく一生懸命生きるところだった』 より

          本日の曲はこちらです。 ヴィヴァルディの『四季』より、『冬』第一楽章。 わたしの聴き慣れた調とは違う(知ってたのは一番盛り上がるとこが 🎵ソッソソソソ ソッソッソッ #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) ファッ ファファファファ ファッファッファッ…… のやつだった。Youtubeのはたぶん半音下げ)。なぜ協奏曲ではたびたび、演奏によって調が違うバージョンがあるのか計り知らないので、いつか知りたい(調べなさい)。 『四季』は『春

          生きづらさは「恐怖」から来ていた。その正体は? - 『あやうく一生懸命生きるところだった』 より

          【仕事】 フランス映画を紹介させていただけた話

          先日、池袋の映画館・新文芸坐にて、『クロード・シャブロル監督特集』が上映された。シャブロルはフランスの著名な映画作家で、フランスのヒッチコックとも言われたくらいサスペンスを多く撮った監督である。 その特集チラシの裏面に、わたしが描いた彼の似顔絵を載せていただいた。 これこれ。 ささやかかもしれないけど、わたしとしては、キーパーソンに直談判して直接仕事をいただけたということ、そして何より何年も恋焦がれて人生を変えられたほどのフランス映画の世界に少しでも加われたことが、めっ

          【仕事】 フランス映画を紹介させていただけた話

          ガチの鬱ってしんどいが、まだ生きてやる

          生きていい理由もないが、 死んでいい理由もないからな。 何にもないのに毎晩しくしくと泣いてしまう、そこらへんの3歳児より泣き虫になった26歳だけど、ちゃんと鬱で、ちゃんとニートで、ちゃんと生きている。 偉くはない。 でも、偉くなくもないんだ。 良いじゃないかそれで。 以前、こんな記事を書いた。 鬱と診断されてから久しいが、何ヶ月休職せど、「一刻も早く社会に復帰しなくちゃいけない」って焦りは一ミリも抜けなかった。 社会人になってからこのかた、いや学生をやり始めてからずっ

          ガチの鬱ってしんどいが、まだ生きてやる

          【読書感想】『夜と霧』- 入院中、人間の尊厳について想いを馳せる

          入院した。しかも内科だ。 13年ぶりに高熱が出て、ついにインフルになったと思ったら陰性で、別の病気が見つかり即入院だった。珍しい疾患ではないのだが、わたしの歳で罹る人は多くないらしい。コロナのワクチンを打ってもびくともしなかった強靭な肉体が、こんな病気で初めての入院になるとは。やれやれ。 長い人生において、毎日同じような明日がやってくるわけではないことを、ある意味で初めて己の身体で痛感した。 症状が軽くなってからは一日が異常に長かった。 つまり暇だった。病棟に押し込めら

          【読書感想】『夜と霧』- 入院中、人間の尊厳について想いを馳せる

          しいたけ占いのふわっとした結論が、日々に意味を与えてくれる気がする

          しいたけ占いっていいよね。 半期ごとの運勢をざっくり占う年2回の記事のほか、「12/4~12/10の蟹座の運勢は?」的な一週間ごとの運勢を占う記事も毎週月曜日に更新されるのだが、それを見るのがわたしのひそかな楽しみのひとつになっている。 といっても「そうか、今週はこういうふうに過ごせばいいんだな」という先読みを当てにするというよりは、一週間が終わってから「しいたけ占いのこの文章、当てはまってたな」と振り返るのが楽しいのである。 しいたけ占いが好きでよく見に行く人たちには

          しいたけ占いのふわっとした結論が、日々に意味を与えてくれる気がする