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闘病記

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あかるい未来を信じメンタルヘルスに向き合う女の子の記録。
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記事一覧

退院後、日常の幸福度が爆上がりした話 - 無職なりに忙しい日々

今年春から初夏にかけて入院した話はつねづね書いているが、今回はその退院後の絶好調な日常を要約したいと思う。 入院前は考えられなかったことだけど、 ほんっとに日常の幸福度が爆上がりした。 いちばん大きいのは、 うつが寛解したんじゃないかと思われること。 生きてるだけで辛いと思わなくなった ふとしたことで「幸せだな」と感じることが増えた いやあ、生きてるだけでほんと辛かったな。 何をやってても「なんかやっていないと不安だからやる」「何かをやっていないと自分が無価値に思え

精神科に約2ヶ月入院した - 身体と精神に起きた変化について

かねてよりこのnoteには記載しているが、 わたしは精神科病棟に長期入院している。 思ったより年齢層は高く、一般に「若いね」と言われがちな20代は見たところわたしだけ。周りを見渡してもこの2ヶ月間ずっとそうなのだから、傾向として高齢者が多いというのはあるんだろう。 なぜ高齢者が多いのかというと、ここはただの精神科ではなく「アルコール依存症の治療病棟」も兼ねているためである。 アルコールが体内に蓄積され身体に弊害をきたすまでに長い年月がかかることが多いのと同時に、ライフス

汝の隣人を愛せよ - 愛するマッチに負けた話

何度かこのnoteでも書いているが、 わたしは一年ほど前、都内の100人規模のシェアハウスに住んでいた。 そして以下は、そのシェアハウスの 『シークレット・ライター』なる企画で書いた文章だ。 『シークレット・ライター』とは、A4で2枚ほどの量におさめつつテーマに沿って文章を書き、ライター名を非公開にしてシェアハウス内に展示するという素晴らしい取り組みである。 以下にその文章を残しておく。  ある日、わたしはとある事情で3ヶ月の長期入院となり、4人部屋にぶち込まれた。そ

ボケってなんだ?

7秒しか記憶がもたないという人のドキュメンタリーを見たことがある。 その人は自分の特性を理解していて、 人と話すときは一生懸命メモを取りながら話していた。 他人には理解できないストレスや恐怖があるだろうに、 やわらかな笑顔を絶やさない姿が印象的だった。 一方で、こちらにも記憶がもたない人がいる。 一度仲良く話したつもりでも、次の日に口をきこうとすると「うっせえ女」などと罵倒され、話した事実さえ覚えていない。 それを一般的に「ボケ」という。らしい。 わたしの家系では、今の

半月間断酒してみて感じたこと

なかば強引に精神科病棟に入院して、半月ちょいが経った。 お酒も飲まず夜遊びもせず、ばかみたいに健康的な生活を送っているが、半月間断酒したことなんて飲み始めた18歳ごろからカウントしても自分の人生になかったんじゃなかろうかと思い、所感を書いてみることにした。 カラダは軽く、米は美味く、ツヤハリ肌に 許容量超えの飲酒ダメージを蓄積していた胃腸が回復した。 飲んでたときは飲んでも胃が悪い、食っても胃が悪いで上半身のコンディションは常に最悪。それにさらに酒を重ねるのだからコン

精神科に入院した - 自らの軸を立て直すための記録と今後について

2023年の12月、内科の病気で人生初の入院をした。 その約5ヶ月後、わたしはまた閉鎖病棟に突っ込まれている。 今度は精神科に近い病棟なのだが、精神科閉鎖病棟と聞いて想像していたよりもはるかに快適な生活を送れている。スマホもPCも没収されない、高速wi-fiとYogiboのある毎日。老若男女色んな人がいるが、今のところ集団生活に差支えもない。 これが約3ヶ月続くのだと思うと途方に暮れるけど。 精神科に入院ってマジでヤバいのでは? 職歴云々どころか今後の人間関係形成にも大

「何者かになりたい」が「丸の内OLになりたい」だって良いじゃないか

この脈の続く限り、何にでもなれ。 それがたとえあなたの3年間をだめにするような災難に終わるとしても。 それがたとえ肝機能をやるほどに飲み回る羽目になった結果だったとしても。 それがたとえ、自分の周りをぐるっと描くひとかたまりの居住エリアに満足しようとしてなかろうと、そういう守るべきものを持つ未来がくるってことを受け入れることになるとしても。 何にでもなれる。でも、何にもなれない。 何もする気が起きない。 何もかもが白々しい。 ひどく美しいかと思えば無価値で、何も

夜になってやっと思い出す

酒と人と文学が救い。 元気じゃない。元気に振る舞えるときもあるけれど。 だって、人といることは楽しいから。愛おしい時間だから。 だけど、きっとまだ例の "black dog" は巣食ってる。 何をすれば治る?ううん、治らない? 治らないとしても。たとえ一生抗うつ薬と付き合っていくことになるとしても、今より良い未来を信じたい。 デザインがしたい。人と働きたい。人を愛したい。生活がしたい。 好きなものを好きと言って、美しいものを美しいと感じたい。 それだけのこと。 こんなにシ

想像(創造)力のポテンシャル

夢想家と呼ばれても良い、けれど、 創造欲がムクムクと湧き直した最近、 この気質が社会をよくするための素質として間違っていないことを肯定された気がした。 絵を描きたい、ものを作りたい、世界観を高めたいという欲求は鬱が落ち着くとともに自然に湧き上がってきて、これが世に求められる "デザイン" とは異質のものであることを理解しているからこそギャップに苦しむことがあった。 自己表現とビジネスに有益なことは必ずしも合致しない。 でも今は、いったん、前者がやりたい。 だからそれでい

生きづらさは「恐怖」から来ていた。その正体は? - 『あやうく一生懸命生きるところだった』 より

本日の曲はこちらです。 ヴィヴァルディの『四季』より、『冬』第一楽章。 わたしの聴き慣れた調とは違う(知ってたのは一番盛り上がるとこが 🎵ソッソソソソ ソッソッソッ #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) #ソッ(#ドッ) ファッ ファファファファ ファッファッファッ…… のやつだった。Youtubeのはたぶん半音下げ)。なぜ協奏曲ではたびたび、演奏によって調が違うバージョンがあるのか計り知らないので、いつか知りたい(調べなさい)。 『四季』は『春

ガチの鬱ってしんどいが、まだ生きてやる

生きていい理由もないが、 死んでいい理由もないからな。 何にもないのに毎晩しくしくと泣いてしまう、そこらへんの3歳児より泣き虫になった26歳だけど、ちゃんと鬱で、ちゃんとニートで、ちゃんと生きている。 偉くはない。 でも、偉くなくもないんだ。 良いじゃないかそれで。 以前、こんな記事を書いた。 鬱と診断されてから久しいが、何ヶ月休職せど、「一刻も早く社会に復帰しなくちゃいけない」って焦りは一ミリも抜けなかった。 社会人になってからこのかた、いや学生をやり始めてからずっ

【読書感想】『夜と霧』- 入院中、人間の尊厳について想いを馳せる

入院した。しかも内科だ。 13年ぶりに高熱が出て、ついにインフルになったと思ったら陰性で、別の病気が見つかり即入院だった。珍しい疾患ではないのだが、わたしの歳で罹る人は多くないらしい。コロナのワクチンを打ってもびくともしなかった強靭な肉体が、こんな病気で初めての入院になるとは。やれやれ。 長い人生において、毎日同じような明日がやってくるわけではないことを、ある意味で初めて己の身体で痛感した。 症状が軽くなってからは一日が異常に長かった。 つまり暇だった。病棟に押し込めら

メンタル疾患という存在の耐えられない軽さ

ごめんねジーンセバーグ、こんな記事であなたの御顔をヘッダーにして。 でも貴女なら分かってくれる気がして。 隠すつもりは無かったけどわたしはうつ病らしい。 人前に出れば楽しく話せるし、気分の良い日は美術館や映画館に出かけることもできる。 「元気だね」「デキるよね」「バリバリ働いてそうだよね」少し遠くにいる遠めの友人からはそのように言われることも多い。 たしかにそれはわたしの片側面だけど、 誰にも見せられない酷く暗い底に落ちることがあるのがもう片方の側面だ。 こんな話した