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【フランス映画紹介】 あまりにもマイナーなゴダール映画3選

二本目以外はわざわざ劇場へ足を運んで観たのだけど、ゴダールオタクを豪語するわたしでも「?」な作品ばかり。
それでも集客ができるのはゴダールはブランドだからである。

わからなくてもいいのだ。
畏れるな、感じろ。


#01 『ジャン=リュック・ゴダール/遺言 奇妙な戦争』 Film annonce de film qui n'existera jamais : 《Drôles de guerres》

あらすじ:ゴダール自身による手書きの文字、絵、写真、映像のコラージュに音楽やナレーションをあわせ、比類なき独創性とインパクトで描いたゴダール芸術の集大成的作品で、音楽とサウンドトラックの切れ目にはゴダール自身の老いた、穏やかな、そして激しく震える声を聴くことができる。

morc阿佐ヶ谷 ホームページより

巨匠ゴダールの遺作となった作品。

さっぱりわからなかった。
ゴダールにかなり近い位置にいたスタッフが「『人生史上最高の作品だ』ってJLGが言ってました」とのことだけど本当だろうか。

わからないなりに、
「なんか洗練されている」
「なんかすごいものを観せられている」

という感じはあるのだ。なんたってゴダールだから。
映画という概念をぐっちゃぐちゃにされる感じもあるね。

「なにやらえらく分かりづらいことを好き放題している」のに、なぜか大衆を惹きつけてやまないスター性。死ぬまでちゃんとスターだった。あんたという存在が芸術だよ、JLG。


そういうわけなので、解読に自信がある読者はチャレンジしてみて欲しい。20分だけだし。ライトだし。ゴダールの中では。


#02 『さらば、愛の言葉よ』 Adieu au langage 3D

あらすじ:ある人妻が独身の男に出会い、やがて2人は愛し合うようになる。一方、一匹の犬が四季折々の中、彷徨っていた。時を経て2人は再会し、そして件の犬が2人の元に居着くようになっていた。しかし彼女の元夫が全てを台無しにしてしまい…。

U-NEXT 作品紹介ページより

「へえこんなあらすじあったんだ」と思うくらいストーリーの流れはわからない。すんごい細かいのとでかいのが混ざったピースでできた、誰も見たことがないようなジグソーパズルのよう。概ねこの時期のゴダール映画って、イメージの本もそうだけどそういう節がある。
しかし、この時期の分かりにくさの中では分かりやすい部類。

公開当時は映画館で3Dで上映されたらしい。
確かにU-NEXTで観てても「ここ3Dだったんだろうな」と伺える映像の乱れは感じ取れたりする。

3Dで観たかったなー。きっと3Dというゴダールなりの映画の限界を試した "お遊戯" な作品だったんだろう。


#03 『イメージの本』 Le livre d'image

あらすじ:『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』をはじめ数々の名作を世に送り出してきたヌーヴェルヴァーグの巨匠、ジャン=リュック・ゴダール。1930年フランス・パリに生まれ、88歳を迎えてなお、世界の最先端でエネルギッシュに創作活動に取り組む監督の最新作『イメージの本』は、新たに撮影した映像に、様々な<絵画>、<映画>、<文章>、<音楽>を巧みにコラージュし、現代の暴力、戦争、不和などに満ちた世界に対する“怒り”をのせて、この世界が向かおうとする未来を指し示す 5 章からなる物語。本作で、ゴダール本人がナレーションも担当している。

映画公式サイトより

2019年、本作のレビューでわたしはこんな文章を残している。

死ぬほど聡明かつ着実に歳を取りながら孤独にならない芸術家って何やねん。皮肉か?あなたの存在自体が皮肉だわ。もはや新作を見るのが怖い。これだけ癖が強いくせして大衆の中に存在し続けるJLG。大衆を味方に、大衆を被写体にして作品を撮れるJLG。すごい才能よ。私の生き方とは真反対だわ。ここまで来ると嫌いだよ。でも尊敬してます。心から。

Filmarks 当時のレビューより

まあ、そういうことだ。

未熟なわたしにはゴダールが何を映画に求め、何をスクリーンに託したのかを掴み切ることができない。
でも、何かを叫んでいる。悲痛に、懸命に、賢明に。

そのエネルギーを受け取りつつ、その迫力に圧倒されつつ、人間としての嫉妬すら感じるそのスター性。
結局はそれに帰結する。
それに帰結するしかないのが哀しいところだ。
ファンと自称するのすらおこがましくなるほどに。


ある程度後期の作品だと『カルメンという名の女』が好きよ。
おすすめするならこちらかしらね。


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