夏草や兵どもが夢の跡|芭蕉の風景
夏草や兵どもが夢の跡 芭蕉敗者への愛 芭蕉は元禄二(1689)年の旧暦五月十三日、午前八時ごろ一関を発って、平泉を訪ねている。この地が『おくのほそ道』最北の地である。掲出句は紀行文『おくのほそ道』所載。句意は「夏草が生い茂っている、ここは義経たち勇士が奮戦した、夢の跡なのだ」。
東北本線平泉駅を降りて、駅前を右に歩む。「伽羅御所跡入口」の道標を右に見て進む。これは藤原秀衡・泰衡の居館の跡である。左側に「無量光院跡」がある。ここは宇治の平等院を模して秀衡が建てたと言われる寺