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かなしいろうにん〜不合格体験記〜③エピローグ

最近堕落してます。浪人が終わり、いざ目標が一旦消えてしまうとこうも簡単に堕落してしまうのかとうんざりした気持ちです。浪人期に夢見た大学生活は、「こんなもんか」と入学前から希望がなくなっている次第です。やはり自分から行動してバリバリ学習しないと、真に楽しい自由は得られないようです。なんだかんだ浪人期が一番楽しかった…


こんな感じ。こんないいクッションは家にはない。

さて、私のひどい現状で文字数を伸ばすわけにはいけない。今回の記事は「かなしいろうにん」シリーズの最終回である。早く「たのしいだいがくせい」のシリーズを書きたいが…最終回なので、①浪人のリアル ②受かった友達の特徴 ③新浪人生へ(特に多浪生)という3本立てにしようと思う。例により文字数はかなり多くなるだろうが、最後まで読んでもらえれば筆者冥利につきる。



①浪人のリアル


浪人生が第一志望に受かる確率は10〜20%

これは実際その通りである。私も70〜80%側の人間である。残念。10〜20%の人間の特徴(予備校の友達の様子を振り返っての)については②で詳しくまとめるつもりだが、浪人生が第一志望に受かる確率は10〜20%です。あとは普通に国立二次試験まで毎日継続して予備校に通うor自宅や図書館で学習できる学生も、浪人生の5〜6割程ではないかと感じる。実際、私の友人で予備校からドロップアウトした人を知っているし、授業に来ず、フロンティアホールと呼ばれる浪人再生産所休憩所にたむろする人がかなり多い。合コンなども開催されており、自分を大学一年生か何かと勘違いしている哀れな浪人生なのである。
浪人生は、やはり落ちた側の人間なので、なんだかんだ自分に甘い人が多い。
また、1年間真剣に勉強して(むしろそれが当たり前なのだが…)も第一志望に合格できない人も数多くいる。そう、数多くいるのだ。それは、効率の良い勉強ができていなかったり(私がそのやり方を知っているわけではない)、現役生に最後に追い抜かれてしまったり、色々な要因で合格できない人である。これは浪人生特有のプレッシャーである、「失敗できない」という思いが、自分の思った以上に心身に影響を与え、ミスを連発してしまったり、なんだかんだ諦観の境地に至ってしまったりするのである。A判定取ってなんぼであるが、模試と本番はやはり少し違うので、ずっとA判定を取り続けても最後に追い抜かれてしまう可能性もあるというわけだ。怖い。自分が、現役生として浪人生を脅かしていた側であったのに、今度は浪人生となり現役生の末脚を恐れるようになるのである。成績が爆発的に伸びても、それがイコール合格とはならない点も恐ろしい。私も現役時代とは全く違うよい成績であったが、結局現役より1ランク上の大学にしかいけなかった。悲しい。
また、「浪人生は時間があるのだから現役より上の大学に受からなければおかしい」ということを言う人がいるのだが、僕の周りでも結局現役時代に合格した大学に行くことになった人や、ひどい人では、あんなに一生懸命勉強してたのに、現役時代に受かった大学に落ちてしまい、現役より1ランク低い大学に進学せざるを得なくなった人もいる。あと、共通テストという国家の陰謀としか思えない、思考力を試すと言いながら我々をAIかなんかだと思っているかのように鬼畜な量読ませてくるおかしなテストで目標得点に届かず、第一志望を譲ったにも関わらず、下げた志望校に落ちてしまった人も多い(私もそのうちの一人である)。時間があるのだから受かるということもなく、受験は「もう一度受験を行ったら合格者の半数が入れ替わる」と言われる程本番の運要素が強く、浪人したから確実に受かるというのは上位1〜5%くらいの話であり、なかなか現実はうまくいかず、「一浪したのにこの大学か…」と学歴コンプを抱えてしまう人も多いと聞く。大学受験は残酷である。浪人生は一つの模試がまるで死刑宣告かのように、手に汗握るデスマッチとなり、現役時は「E判定だったわ〜ww」と軽く流していても、浪人生のE判定は体の一部がなくなったかのような無力感と絶望感を与える。いだちゃんねるのサイコ氏が「浪人生のC判定はE判定」という趣旨の言葉を言っていたが、まさにその通りである。かといってA判定でも全く安心できないため、魔境である。

浪人怖いよ



②受かった友達の特徴

ここまで、浪人は甘くないという話をしつこいほど、言葉を選ばずにしてきた。これは、新浪人生が半端な覚悟で浪人すると、ただの無駄な1年間に終わる可能性が高いことを危惧したからである(何様)
しかし、そのような浪人という怖〜い世界で第一志望に合格するという栄冠を勝ち取ってきた人もまた多い。私の友達にもずっと第一志望だった超名門国立大学俺のロンダ先に合格した友達がいる。感動ものだ。
そこで、受かる人ってそういえばこんな行動や思考だったなと振り返ってまとめてみる。

①現役時代から成績が高いor成績はそれほど高くないが、トップ校に通っていた。

根も葉もないが、合格者はやはりずっと努力してきた人が多い。ポッと出の人間が簡単に合格を勝ち取れる世界ではない。

②選択と集中

予備校のテキストをひたすらやったり、他人に意見を仰ぎ、その上で必要だと思ったものや自分で必要だと思ったものをひたすら演習していた。何周するぞ❗️とかではなく、理解できるまで何度も何度も繰り返していたり、予備校の前期の基本的なテキストをバカにせず、むしろそっちを大事にしていた。逆に、前期は全部授業に出ていたが、後期はいらないと判断していた授業を切っていた。

③模試にこだわっていた

賛否両論あるが、現役生はいいとして、浪人生は一つ一つの模試にこだわる必要がある。私のように模試にこだわらなすぎて、結局落ちまくるみたいな本末転倒なことはやめてほしい…逆に受かった友達は模試の判定をかなり気にしていたし、模試に照準を合わせて勉強していたり、模試のできなかった部分をできるまで復習していた。模試の判定を気にしすぎるな!とか本番が全て!という意見もあるが、浪人生が模試で取れないというのは問題だろう。模試で取れないものが本番で取れるというそんな甘い話はない。復習すれば別だが…模試は予備校が作った質の高いものであり、本番に出そうな良問や、全国模試系では、学習効果の高い良問が多く、また、解説も素晴らしい。インフレ化しつつある模試に金を払うだけの価値はあると思うし、模試の復習をしないというのは金をドブに捨てているようなものだ。判定も、受験者内の判定なので、本番に近い。現実を見て志望校を変更するか、奮起して第一志望を譲らないかという選択のよい材料になる。

④謙虚

彼らはむちゃくちゃ勉強してるし、模試でいい点数を取っても、当然のことだと思っているため、驕らず更なる高みを目指して勉強している。友達の一人は「弱点を作らない、受かるのではなく、落ちないようにする」と言っていたのが記憶に残っている。共通テストも疎かにせず、高い点数を取っていた。ここでいう謙虚というのは「いやいや〜全然頭良くないよ〜」という聞かれてもいないのにしたり顔で謙虚ヅラをするアレではなく、自分の弱点と真摯に向き合い、高い成績を取ってもさらに高い成績を求める求道者のような人のことを言う。憧れちゃうね。


③新浪人生へ(特に多浪生)

「浪人が決定してしまった、もう俺の人生は終わりだ…」「浪人するなんて、他人に笑われたらどうしよう」と思う人もいるかもしれない。私も浪人が決定した3月にはこう思っていた。頑張れるかも分からず、予備校に入って勉強する自分が想像できない時期。実際に予備校の授業を受けていても「今こんなことやってるけど、同級生は大学で楽しんでるんだろう。俺は一体何をやっているんだ」とふとしたときに思うこともあった。そして結果は、第一志望を下げたのにも関わらず、合格発表で私の番号はなかった。この結果だけ見ると、私は浪人しないで現役で合格していた大学に進学すればよかったかもしれない。(浪人で合格した大学よりランクは下)
しかし、浪人の結果はどうであれ、私は浪人したことに一切の後悔はない。たまたま、入った予備校に中学の同級生がいて、彼と夜まで毎日自習室で勉強したり、ひたすら受験勉強だけに向き合ったりした。このような経験はおそらく浪数を重ねなければ一生に一度の機会ではないか。また、一度「現役で大学に進学し、卒業し、できるだけいい企業に就職する」という既定路線のようなものから外れると、気が楽になったり、他人の失敗に対して共感しやすくなる。これは医学部志望や心理学系志望には重要な資質である(こじつけ)。
それに確かに受験は一度失敗したかもしれないが、浪人は失敗ではない。例え現役で東京大学に合格したとしても何年も留年したり、国家試験などを何年も浪人する人もいるかもしれない。それに就職後に体を壊して休職する人もいるだろう。それと何一つ変わらない。予備校の先生が言っていたことだが、「n年浪人したらn年長生きすればいい」と究極的には言えるのかもしれない。もちろん浪人を最初からモラトリアム期と捉え勉強しないのは、現役で受かった大学に進学するか、さっさと働けばいいだろうと思うが、浪人で志望大学に受かりたいと考え、もう一年を受験勉強に捧げようと決意するのは素晴らしい。


私は浪人経験者なので全浪人生、特に多浪生を全力で応援している。

浪人生頑張れ!

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