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なぜ人は転職し、転職を通じて何を得るのか

こんにちは。

私は人事経験が約12年あり、自分自身も三度転職を経験しているので、いわゆる「転職」という出来事に結構たくさん触れたり向き合ったりしてきました。
その中で、なぜ人は一定のリスクを取って「転職」という選択をするのか、そして「転職」という経験を通じて何を得られることが多いのか、それなりに一般化してお伝えできるようになった気がしていますので、今日はその点にフォーカスして書きたいと思います。

人はなぜ「転職」を志すのか

これは前回の投稿ともやや重複するのですが、私自身も毎回転職する度に自問自答しているので、改めて考えてみたいと思います。

前回は、
・人間関係
・やりたいことや大事にしたいこと(お金、ワークライフバランス等)

が満たされればイキイキ働ける可能性が高い、逆に言うとこれが満たされないとモヤモヤする可能性が高い(転職を検討する可能性がある)とまとめましたが、私自身もそうでしたし他の転職活動者の方々を見ていても概ねこの理由に集約されると思います。
(会社の業績不振といった自分ではどうにもコントロールできない理由を除く)

要は、現職と比べて人間関係ややりたいこと、大事にしたいことという観点で自分にとってより魅力的な環境を求めて人は転職を志すのだと思います。

しかし、不思議なことに転職活動時の面接においてはポジティブな転職理由を述べることが半ば儀式のようになっており、現職に不満があるからという理由を述べることはタブーだとされています。
(新卒の就職活動時に御社が第一志望ですということが儀式なのと似ていますね)

ただ、そもそも論として人は価値観や志向性が他人と100%一致することはありえないため、どんな環境でも違和感やモヤモヤ、不満を全く持たないという状況はほぼ発生しないと考えています。

したがって、現職で感じるメリットとモヤモヤや不満を比較した時に、メリットが上回れば転職を志す可能性は低く、モヤモヤや不満が上回れば転職を志す可能性が現実的に出てくるというシンプルな方程式ですね。

ちなみに上記の状況に置かれても、我慢するという選択をする方が(想像以上に)一定数いらっしゃるのですが、現職へのモヤモヤや不満が転職のきっかけであること自体は何ら不思議なことではないので、無理に我慢をする必要はないと思っています。

転職して良かったこと(良かったと思われること)

上記の通り、現職へのモヤモヤや不満があるときに無理に我慢する必要はないと言いつつも、転職という行為(環境を変えること)に一定のリスクがあるのも事実だと思うので、私の経験談や自社に転職された方のその後を見ていて感じたことなどを元に「転職して良かったこと」を整理してみます。

1.今までにない出会いが増える
これは当たり前と言えば当たり前ですが、実は人生において何より大事な要素だと個人的には思っています。仕事であれプライベートであれ、他人と関わり合いながら生きて行くのが人生なので、新たな出会いを通じて刺激や発見を得られることは自分を成長させたり人生を豊かにするうえで不可欠だと思います。

また、現職で仕事をするうえで前職や前々職の繋がりが活きることもあったりします。

2.自分の得意不得意を客観視しやすくなる
人間は誰しも完ぺきではなく、必然的に得意不得意は発生するものですが、
・環境に関係なく得意なこと
・環境を変えれば不得意から得意にできること
・環境を変えても不得意なこと
という分類が段々できてくるので、自分の良いところや足りないところを客観的に認知できるようになると思います。

3.環境適応能力が向上する
2.とやや重複しますが、一般的には環境を変えることで「不得意から得意にできること」が少しずつ増えていくはずですし、恐らく人は無意識のうちに新しい環境になじもうと努力する習性があると思いますので、その回数を重ねて行くことで適応力は一定以上向上すると感じています。

4.成果を出せる幅が広がりやすい
20代のうちは全く別の仕事へのキャリアチェンジをされる方も一定数いらっしゃいますが、30代以降は概ね今までの経験やスキルを活かせる仕事に転職するケースがほとんどです。また、受け入れる企業としてもお手並み拝見的な部分も含め、早めに成果を出して会社に馴染んで欲しいという意向があるので、今までに経験したあるいは成果を出した仕事にアサインされる可能性が高いです。
ただ会社が変われば細かいタスクの内容やその他条件は変わってくるため、過去に成果を出せたエッセンスをベースにしながら新しい環境での成果創出に向けて取り組むことができるので、ずっと同じ環境にいるよりも成果を出せる幅を広げやすくなります。

5.お給料が上がりやすい
これはやや切ない話でもありますが、日本企業(特に大企業)は課長や部長など役職が上がった場合を除き、毎年の昇給額が微々たるものである場合が多々あります。

一方、転職の場合は年収交渉も含めての勝負になりますし、企業側は現年収をベースに上げるか下げるかを検討するので、上げても採用したい人材だと思わせることができれば現年収プラス50万~100万ぐらいは比較的勝ち取りやすいという側面があります。

もちろん年収を上げた分だけ期待される成果のハードルも上がるため、むやみやたらと年収UPを目的にしない方が良いとは思いますが、とは言え年収UPを勝ち取れる貴重なチャンスでもあるので、このチャンスをうまく活用できるといいですよね。


ということで、私自身の経験を中心にしながらまとめてみましたが、今現在転職を考えている人や今後考えるかもしれない人にとって何かしらお役に立つ情報になっていれば幸いです。

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