見出し画像

「「集団の思い込み」を打ち砕く技術」の感想

読み進めるうち、内容の深淵さにコワクなった。
20代のころよんだサマセット・モームの「The Summing Up(要約すると)」以来のことです。
「The Summing Up」は、人生の教訓をこんなに知ってしまっていいのだろうか、と思ったものです。

この本は、社会と密接に結びついている人間の弱さや誤解を具体的事例をまじえ説明している。読後、自分の進むべき道が見えた気がする。

<具体的事例(一部)>

・腎臓移植のための健康な腎臓が10%以上廃棄されいる(自分より前の人の判断を採用、アメリカでのこと)
・社会的孤立をさけるため、共通認識にしがみつく(孤立への恐怖と多数派としてのメリット、選挙などで)
・スペースシャトルチャレンジャー号爆発事故(Oリングの危険性を、現場技師が(コワイとおもっていた)上司に報告できていなかった)
・トマトが有毒と語られるようになった(貴族が使っていたお皿の鉛がトマトの酸で溶けだしたことによる鉛中毒)

こんなものもありますよね。(本書と関係ないですけど)
・非常ベルが鳴っているのに、みんなが逃げないから、無視する
・赤信号 みんなで渡れば 怖くない

<人間の特性(一部)>

集団の思い込み(本文では集団的幻想と表記されている)に立ち向かうために知っておくべき事実だ。

・比較本能によって人間は報酬と懲罰のシグナルに敏感(SNSの いいね は報酬として作用する)
・他者をまねてしまう(ミラーニューロンの活性化)
・自己不一致は人間に大きなダメージをあたえる
・人は他者が何を考えているか理解しようと努力しているが、心の中が確実にはわからない
・神経学的にも個人的情報を開示する欲求があり、情報を共有するたびに脳の報酬系が刺激されて体に純粋な快感がもたらされる
・オキシトシンはただの絆ホルモンではなく、相手を信頼し、自分も信頼に値しようとする行動を促す効果がある

わたしは、若いころ(今でも?)マイペースだった。
例えば、誰かが撮ってきた旅行の写真(紙の)をみようとしたとき、その場にいた他の人のことを考えずに一人ですべての写真をかかえて見入っていたりした(当然、他の人にうながされ、写真を分けることになる)。また、みんなと違う意見を(空気を読まずに)発言したこともある。

でも、その後、みんなの視線、みんなの思うことを少しづつ習得(?)し、気にするようになった。これが同調圧力ということになるのでしょう。

その後、長いこと社会生活を送るうちに、その同調圧力は強くなっていった気がする。
上司の期待を考慮して(今は忖度というのかな)、自分の考えを修正したこともある。そんな生活をしているとストレスがたまる。体調をくずし、診療所で点滴をうけることもあった。

いまはそうしたストレスが、たぶんほとんどない生活を送っている。
noteに参加している方(カタ)は年代や環境がさまざまと思いますが、そうしたストレスが多かれ少なかれあると思います。本書の最後にかかれている「集団の思い込み(集合的幻想)」に立ち向かう方法を読めば、人生が楽に、充実したものになること うけあい です。
※その前の本文にかかれていた事例等を読んで納得することが必要ですけどね。

読後の私は自分の性癖(マイペース)を生かし?、社会的なつながりは維持するけれど、自分の良心にしたがい、人を信頼し自分らしい生活を送っていきたいとおもっている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?