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ヒトはなぜ肌の露出に惹かれるのか

性の問題はいつもわれわれの心を虜にする。性はわれわれに最も深い喜びをもたらすが、逆に苦悩の種となることもある。そうした苦悩のほとんどは、進化によって生じた男女の役割のあいだの本来的な対立から生まれるものだ。
ジャレド・ダイアモンド『人間の性はなぜ奇妙に進化したのか』草思社文庫 2013年 P7

普段月曜日に投稿している「noruniruの頭の中」ではゆる~いエッセイ風なことを書いているが、たまには真面目にふざけたいこともある。今日はそんな記事です。

肌の露出と神々の肉体。そしてマッチョ。


まずはじめにこちらの動画をご覧いただきたい。

「Pan Piano」というピアノ演奏する音楽系YouTuberである。

2022年2月14日時点で、チャンネル登録者数が305万人もいる。

上記の動画はそんな「Pan Piano」の一本目の動画だ(2016年11月21日投稿)。普通のそこら辺にいるお姉さんがただピアノ弾いているのだが、なぜ305万人の登録者を誇るYouTuberになり得たのかは、「Pan Piano」の動画の変遷を追っていくと追々わかる。

続いて2018年2月15日に投稿された動画である。

ここまでは正統派で育ちのよさそうな淑女がただピアノを弾いてる動画であることに変わりはない。

そこから約3ヶ月後の5月11日に投稿された動画で少し変化が現れる。

やたら露出は増え、胸の形が露わな服を着している。このあたりから動画の再生数が伸びている。

極めつけは2020年5月5日に投稿されたこちらの動画。

もはや誰も彼女の演奏に目が行かなくなる。気になる所がいっぱい。なぜピアノを弾くだけなのにコスプレするのか。なぜ胸元ざっくりのコスプレなのか。なによりこの動画の再生回数が異常に多い。雑にグラフにすると下図の通りである。

2020.5.5投稿のコスプレ衣装の回はおよそ400万回再生

非言語コミュニケーション手段を用いた動画(しかも一貫して顔出ししていない)でこのような再生回数を記録する異常な現象が起きている。

Pan Pianoのコメント欄を読んでも「指使いが綺麗です!」とか「とても素敵な演奏です!」というコメントが多いが、本当にそうだろうか。こんな情報量が多い動画(露出度の高いコスプレの演奏動画)に対して、本当に「ピアノの上手さ」を称えることができるであろうか。少々疑念を抱くが、純粋にピアノの技術を観るなら「超絶技巧練習曲第4番 ニ短調 S.139-4「マゼッパ」」がいいと思うわけである。


Pan Pianoの動画を数本視聴したが、ピアノ素人の僕からみても確かにピアノの上手さはわかるが露骨な肌の露出とコスプレに目がいってしまう。肌の露出度の高さに比例して再生回数の上昇が目にみえて面白い現象である。ヒトは肌の露出に弱いという証左が得られた。

また、昨今コンセプトカフェが流行っているがその中でもマッチョカフェがある。


画像2
お姫様抱っこするマッチョ
画像3
腕立て伏せするマッチョ


マチェキ
指名したマッチョとお手持ちのカメラで2ショット撮影ができます
1000yen
上記のマッチョカフェのメニュー
肉の壁
肉の壁です。※大好評によりマッチョの限界が近づいてきたため値上げさせていただきました。
4000yen
上記のマッチョカフェのメニュー

筋骨隆々で屈強なマッチョを一目に見ようと訪れる者が多数。(らしい)

思い返してみると、西洋絵画に登場する神々は決まってマッチョ

ラオコーン像 
ドメニコ・ティントレット『キリストの復活』
レオナルド・ダ・ヴィンチ「バッカス」

肉体美を絵画として、芸術として評価された時代から遡るとめんどくさいので今回は割愛して、日本を中心にみていこう。

肌を露出することにリスクを上回る利得がある


1970年代から日本にミニスカートブームが来た。日本航空(現・JAL)の制服の制服がそれを象徴している。

1967年3月~1970年6月に着用された4代目の制服 
 http://www.jal.com/ja/outline/history/uniform/


1970年7月~1977年9月に着用された5代目の制服
http://www.jal.com/ja/outline/history/uniform/

こういった着装における肌の露出は、身体保護に役に立たないリスクがありながらも着用するということは、肌を露出することにリスクを上回る利得があるはずである。肌の露出によるセックスアピールを有する着装は男女ともに孕んでいる。

ミニスカの女王ツイッギー
胸元を開け、たくましい二の腕の露出

これはアニメでも同様である。

TVアニメ「ダンベル何キロ持てる?」公式サイト
https://twitter.com/ufotable/status/1167396396049154048


肌の露出度が顕著に伝える情報内容は,「新しいものが好きである」,「流行に敏感である」,「冒険心がある」,「刺激を求めている」,「ロック音楽を好む」,「遊びにいくところである」,「目立ちたがり屋である」,「派手な人である」,「挑発的である」,などであった.
神山進・枡田庸「容姿の情報伝達内容に関する研究-肌の露出度について-」1990年

着装からみる非言語的コミュニケーションが伝える情報として上記のような傾向があるという。なるほど。ボディービルは肉体美を披露するために上半身裸で海パンを履いたボディービルダーを観賞する者や、アイドルが水着を着し、それを観賞する者は「刺激を求めている」のだと。とくに水着とは本来、海やプールに入る際に肌を保護するためのものだが、商業利用としての水着の着用はまさに「肌を露出することにリスクを上回る利得」なのである。


【おまけ】さまざまな肌の露出を画像とともに観て感想を言おうじゃないか。(※健全な画像だけだよ)


メイドに褒められすぐ調子に乗るマッチョ(モストマスキュラー)
百人一首マッチョ
タンクトップでちいかわカフェ来た結果、めちゃくちゃ浮いて店に入る時横のJKに「え、マジ、え!? 」って言われてた時の俺(ごりらまるTwitterより)
骨折している患者に笑顔でショルダータックルする看護師
「看護師はベッドで寝なよ、俺は床で寝るからさ」
絶対領域メイド
新日本プロレス・飯伏幸太
「チラリズム」の由来となった女優・浅香光代

ここから所感になるが、肌の露出にフェロモンの分泌され、衣服隠しつつも露出された肌をみて刺激的興奮を得るのだ。マッチョはかっこいい。僕自身、男性の筋骨隆々な体は見ていても美しいものを感じるし、ニーハイによる絶対領域やチラリズムも「見えないものを見ようとして」という興奮さもあるわけだ。しかし中にはマッチョにおびえる人もいる。

中京テレビで放送している、オードリー×素人のクチコミバラエティー『オードリーさん、ぜひ会ってほしい人がいるんです!』にて「マッチョがこわい」素人・三浦さんが出演した回が印象的だった。

春日「マッチョな男性が怖い。それはなんかきっかけがあったの?怖いなって思った瞬間とか」

三浦さん「いや瞬間が無くて、たぶん今までの人生で関わったことがないので、見るとなんだろう…もし殴られたらどうしようとか笑」

大丈夫だよ!!!マッチョは優しい人しかいないから!!!安心してよ!!!むしろ何かあったら守ってくれそうじゃん!!!

目隠しされてマッチョに囲まれる三浦さん(かわいい)
マッチョから逃げる三浦さん(かわいい)
ボテボテの若林の体を見て安心する三浦さん(かわいい)
恐る恐るマッチョを見つめる三浦さん(かわいい)

ただただ三浦さんがかわいい回になってしまったが、ヒトの刺激的興奮にはいろいろあるという証左である。三浦さんにはぜひマッチョの良いところに気づいてほしい。

肌を露出した被服には「自分らしさ」「個人的親しみやすさ」「魅力的にみせたい」みたいなところがある。肌の露出はそういった印象形成がなされる。そこに肌の露出に魅力があるのだ。たとえばデートで彼女がセクシーな服を着てきたら男性はドキっとするんじゃないだろうか。そういうことである。(深くは語らない)

肌の露出をみて、感じて、そして尊べ。





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