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長年片想いしてた子から結婚式の招待状が来たけど、返信できなくて泣いたあの夜

人間の心に潜む黒い激情はふとした瞬間にくる。

世間的には新年度にさしあたって、瑣末事からようやく落ち着いてきた頃ではないだろうか。

3月の最後の月曜日に投稿したこちらの記事。


簡単に言うと、

10年後どうなるか誰もわからないのだから、日々自分をアップデートしないと浮世離れになってしまう。
自分をアップデートする。そして新生活の嗜み方について

また、新生活をより楽しくするために

・食にはこだわりをもつ
・インドア、アウトドアともに趣味をみつけよう
・推し活を怠らない
・文章を書く癖をつけておく
自分をアップデートする。そして新生活の嗜み方について

ということを書いた。

これは僕が社会人になってからわかり得た経験則である。他の記事でも同じようなことを言っている人もいるので、まさにその通りだと実感する。自分の中で譲れない物、こだわりをもつことは、自分のアイデンティティを保つことにも繋がる。

しかし僕にはまだわからないことがある。

誰にも言えない悩みはどうしたらいいものか

人は誰しも、大なり小なり悩みを抱えるものである。そのような時は家族や親しい友人、職場の先輩や上司、それは様々である。

仕事の相談をするならこの人!
恋愛の相談ならこの人!

というように、親しき友人の中でも、相談する内容によっては相手を選ぶ人も多い。抱えているモヤモヤを誰かに打ち明けることによって、いわゆるカタルシスが得られる。(心理学用語であるらしい)

しかし、それができない人もいる。僕がそれだ。なぜなら

悩みを打ち明けることは、自分の弱みをさらけ出すことになるからだ。

親しき友人相手でも、長年の付き合いを経ているのでお互いに先入観というものがうまれる。

「○○くんがそんな悩みを抱えてたなんて…」と、逆に相手を困らせてしまう。そして、相手にも悩みを一緒に背負わせてしまう。そうなってしまったらなお後ろめたさに苛まれてしまう。お互い生きている境遇が違う。当然、それぞれがもっている価値観もある。

「思い立ったら即行動だよ!」とか「時間が解決してくれるよ!」、「若いうちは色々経験した方がいいよ!」、「人生ってそういうもんだよ。俺にもあったよそういうこと」と言われてしまうと、「あぁ、この人に言わなければよかった」と後悔して泣いた夜もある。(過言)

話を聞いてもらえるのはありがたいが、肝心なのはそこではない。将来どうしたいかじゃなくて、今が辛いからどうにかしたいだけなのだ。

1人で悩みを抱え続けないことに越したことはないが、誰に相談したらいいかわからない人もいる。僕の持論だが、もし話を聞いてもらってそれで心の内が晴れるのなら、自分のことをまったく知らない赤の他人に話してみるといい。SNSやネットのサービスを駆使すればそのやり方もあるし、人も見つかる。この方法の肝となるのは、「お互いに先入観を持ってない者同士である」こと。生まれや育ち、境遇が違くてお互いの価値観に差異があるのが当然のことだと認識している人が多いので、押し付けがましいアドバイスというのがない。あと、話の内容に対して否定をしない点においても、まったく赤の他人に話してみるメリットでもある。

「聞き上手な人」がいるが、そういう人の特徴というと、悩みを打ち明けると「話してくれてありがとう」と真っ先に言ってくれるところだ。それはそう。弱みをさらけ出す恐怖がありながらも、話してくれたその勇気に感謝してくれる人の存在は本当に大事だ。そして、そのような悩み相談を私にしてくれてありがとうという思いが持てる人こそ、「聞き上手な人」なのかもしれない。

第2の方法としては文章を書く

前述した、新生活をより楽しくするためには「文章を書く癖をつけておく」というのがまさにそれである。自分の思考を整理できるだけでなく、「このときの自分どうしてたっけ」と後から振り返ることができる。デジタルでもアナログでもいい。できればそれを書いた日付も書き記した方が良い。思いのほか「あ、こんなことで悩んでいたのか自分…意外とくっだらな!笑」といったこともある。

「話す内容」を頭の中で組み立てるのって本当に難しいから、一語一句文字起こしするといい。
大学4年生の教育実習の際、指導教官から言われたこと

脳内で描いていることは、どんな形にせよ文字として書き起こした方が良い。脳内だけだと思考がぐっちゃぐちゃになってしまう。

余談だが「言語化できない」といった悩みは、大半はこのやり方で解決する。まずは自分の言葉でいろいろ書いてみる。だからみんなもnoteやろうぜ!(noteのまわし者ではない)
「言語化できない」といった方へお節介ながらこういうやり方もあるよ!

さて、僕もそんな「誰にも言えない悩み」が昔あった。それは僕が25歳のころ。大学院を修了し、社会人になりたての頃の話である。当時、「誰にも言えない悩み」にモヤモヤしていた自分は、悩みのはけ口がわからず、とりあえずEvernoteでリアルタイムでメモしていた。結果的に10000字になっていた当時の苦悩について話していきたい。

ここからは僕が一昔前に抱えた悩みとその後について書いていくよ。

僕には好きな女の子がいた。小2からの付き合いの幼なじみの女の子である。単刀直入になぜ彼女のことが好きになったか。

・少しお勉強が苦手で天然
・いつも笑顔なところ
・少し心が弱いところがあって守ってあげたくなってしまう
・おいしそうにご飯をたべるところ
・聞き上手なところが好き(ココ大事)
・とにかくか わ い い

本記事の主人公の女の子()

小学生の時は仲の良い友達という程度の交流でしかなかったが、地元の中学に進学したとき、彼女のことを少し意識する。フロイトの発達段階理論でいうところの思春期に該当する時期だ。恋というものに奔走される。しかし、当時はなぜ好きになったのかよくわかってなかった。ただ小学生のころから変わっているのがわかった。性格も大人っぽくなり、女の子らしさにも磨きがかかっていた。個人差はあるが、女の子が先に第二次成長期を迎えるので、中学生の時点ですでに大人になっている子もいる。彼女も例外ではない。

中学生男子の僕はおそろしいもので、「好きなのに気持ちが伝えられない」ことで悩み悶える。

「小学生の時は友達だと思ってたのに、私のことそんな目で見ていたなんて…」と言われないか、でも誰かが背中を押してくれるわけでもなく思い悩む。さて、どうしたものか。

そんなことで思い悩んでいるうちに、彼女はとある男の子と付き合い始める。それは僕の幼馴染で共通の仲良しの子だった。あぁ、やっぱりと苦虫を嚙み潰す。その瞬間、僕は大海原に片足突っ込んで呆然と立ち尽くす感覚に襲われた。それでも彼女が好きで選んだ相手なのだから、僕にはどうすることもできない。儚い望みだった。

中学を卒業し、彼女は定時制高校に。僕は某私立高校に進学する。ここで一旦お別れである。中学生だった頃の僕は携帯を持っておらず、高校に入ってから携帯を持ち始めたので、彼女の連絡先は知らぬまま。彼女が定時制の高校に進学したこと以外、どこで何をしているかわからぬまま、高校3年間を経て大学に進学する。この頃、彼女のことなど忘れかけていた。

大学に進学した僕はしばらくして、意気投合した大学の同期の子と恋人関係になる。僕が今まで片想いしていた彼女のことはもうとっくに忘れていた。

しかし、僕が大学3年のころ、転機が訪れる。共通の友人を介して久々に会ったのだ。会うとわかっているのに胸の高まりが抑えられないのは初めてだ。

中学卒業以来会った彼女は、相変わらずかわいかった。そして会った瞬間、一気にあの頃の思い出をめぐらす。20歳を越えたこともあってお酒の付き合いが始まる。僕と彼女の家が近かったこともあり、以降、複数の友人を交えて彼女の家でいわゆる「宅飲み」をよくするようになる。

久しぶりに会った彼女はというと

・中学の時に付き合っていた子とは別れた。
・高校を卒業してからフリーターになっていた。

久しく会ってないないうちに、彼女のいろんなことを知りたくなる。忘れていたあの恋心を取り戻すかのように。前述したが、大学で知り合った恋人がいるので、あくまでも友達としての付き合いになるのだが、久しぶりに彼女と会ったのを機に彼女とお近づきになりたいと思うようになった。

それから遅れた青春を取り戻すかのように、複数の友達とともに海水浴に行ったり、アスレチックの公園に行ったり、カラオケに行ったり…。

今でも楽しい思い出である

中々お近づきになれない彼女

宅飲みとかカラオケとかどこか遊びに行くにしても、必ず友達も同伴である。それも楽しいのだが、彼女と2人で会って話したいこともあるし、2人で遊びたい。遊びを誘う連絡をしても

「バイトが忙しくて…空いてる日があったら連絡するね!」

とか

「家の用事が忙しくて…😭」

とか、当たり障りのない理由でいつも遊びを断られていた。2人っきりで会うことを避けられていた。いつも遊びに誘っては断られる僕。彼女からのお誘いや連絡もこない。遊びに誘うのはいつも僕。そして毎回いろんな理由をつけられて断られる。もう辞めよう。これ以上しつこく誘うのは辞めよう。でも、どこかで彼女との関係を断ちたくない自分がいる。長い付き合いを経ても、楽しかったあの頃の思い出を思い出させてくれる、そんな彼女が僕の中で大事だと思った。重要だと思う人間関係ならば、保つために全力を尽くすことを惜しまない。だから、これも程よい距離感で関係を保とうとした。また何かあった折に会えれば良いと思っていた。

「結婚することとなりました!」をLINEで報告する彼女

時は流れ、僕は大学を卒業し、社会人1年目となったとき、当時交際していた恋人と別れる。仕事に忙殺されていたある日、彼女から突如LINEがくる。

「〇〇くんと結婚することになりました!」

僕は呆然とした。LINEであっさりと告げられる。しかもその結婚相手と言うのが、僕もよく知ってる同じ中学の後輩だった。なぜ直接面と会って報告してくれなかったのか。なにより彼氏がいたことも知らなかった。本人からすれば「もうみんな知ってるもんだと思ってた」と言うだろう。

立て続けに

「結婚式に出席できるか今のうちに聞いてもいい?」と聞いてきたので

僕は一応「喜んで参加します!」と答えておいた。せめて長い付き合いの友達の幸せを祝福したい気持ちが僕には少しあった。

そこから後日、目を疑うLINEがきた。

「結婚式の友人代表のスピーチをお願いできない?」というものだった。

これはさすがに断った。「だよねー、責任を感じちゃうよね。無理にとは言わないから!」と言ってくれたので、少しホッとした。

そして結婚式の招待状がくる。

本来ならば、大事な友達の結婚は本当に喜ばしいことである。だけど、僕の中に潜む黒い激情が呼び起こされる。

なぜ直接面と向かって報告してくれなかったのか。なぜ恋人がいたことを隠していたのか。僕と彼女とは短い付き合いではなかったはず。長い間叶わぬ恋に弄ばれた僕がみじめに思えてきたのである。人間は自由恋愛である。誰と結ばれてもいい。

これは誰にも打ち明けられない相談できない悩みであった。恋人と別れたてで傷心になっていて、しかも社会人1年目でまだ余裕がなかったころだった。そんな自分に言い聞かせて、僕はこの結婚式の招待状の返事は出さなかった。いや、出せなかった。LINEで聞かれたときは「喜んで出席します!」と言っておきながら何も連絡せずに、招待状を放置してしまった。(ちなみに今でも手元にある)

招待状の返事を出さないとなると、それはもちろんLINEがくる。

「ねぇ…招待状の返事まだ来てないみたいなんだけどどうした…???」

これが僕と彼女との最後の連絡となった。僕はこのLINEに返せなかった。それから今日に至るまで一切連絡をとっていない。自分はなんて最低なことをしてしまったか。彼女は相当怒っているか悲しんでいるかに違いない。当時の僕を振り返ると本当に未熟だった。人の幸せを心から祝えない僕。僕と彼女との間には莫大な時が流れ、心の距離が離れてしまった。いや、僕が突き放したのだ。大事だと思っていた存在を自らの手で突き放したのだ。元々少し心が弱くて泣き虫な彼女だ。彼女のことを思うと心が苦しくなる。そんなことを考えていてたら、飲むお酒も止まらなくなり、涙を禁じえない。

あれから月日が経った今、僕は日々楽しい生活を送れている。仕事にも慣れ、プライベートもそこそこ楽しめるようになってきた。振り返ると後悔しかない。やっぱり結婚式に行って祝福したかった。綺麗な花嫁姿を拝みたかった。彼女の結婚生活を応援したかった。今も結婚生活続いているのか気になるし、何よりももし会えるのなら謝りたい。でも会うのが怖い。もちろん、今後とも交友関係を続けたかった。でも僕の心が弱かったせいだ。

この記事を書くことで、僕の悩みの内をさらけ出し、スッキリさせたかった。これでようやく彼女に言える。

結婚、おめでとう。

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