史上最強の卵かけご飯が出来ました
卵かけご飯。それは手軽に栄養を補給できるほぼ完全栄養食。タンパク質や脂質、炭水化物等の生命活動に必須な栄養素が豊富で、私達日本人の心強い味方だ。
私は卵かけご飯を平日の昼に食べる。食べるのに時間がかからないし、洗い物も最小限に抑えられるので、忙しい日ややる気の無い日でも美味しく済ませられるからだ。頻度で言えば週一から週三くらい。卵かけご飯のプロを名乗っても許されるレベルだと自負している。
そんなTKGP(卵かけご飯プロ)の私が最終的に至った最強の卵かけご飯のレシピを紹介する。見た目はヘッダー参照。
これがまあ美味い。大葉とミョウガ、ネギが爽やかに香り、一口食べれば天かすやたくあんの触感が楽しい。噛み締めるごとにフライドオニオンや鰹節、ごまの香ばしさが鼻を抜け、食材全部を卵のまろやかさが包み込む。
……完璧すぎる。そもそも美味いものしか乗ってないので、美味くないわけが無い。なんてことの無い平日の昼飯が、何か特別のように感じる。「幸せ」という概念を具現化したら、きっとこの卵かけご飯が出てくるだろう。
このKTKG(完璧卵かけご飯)にはその美味しさ以外にも良いところがある。それはフォロー力と拡張性だ。
多くの食材が使われているが、これら一つ一つの力は小さく、一つ二つ欠けたところで美味しさにはさほど影響がない。だから食材は家にあるものだけで大丈夫だ。かくいう私も沢庵とミョウガを切らしていたので、今回(ヘッダー)は入れていない。なんなら卵が無くても美味い。ご飯の代わりにうどんを使っても美味い。もはやKTKGは卵かけご飯の枠を飛び出しているのだ。
一人が休んだら他の食材全員がその穴をフォローする。KTKGは正に企業に求める理想がそのまま表現されているといっても過言ではない。私も生まれ変わったら、是非ともKTKGの一員としてご飯の上に乗りたい所存である。
また、何を入れても美味いところが良い。拡張性が半端じゃない。ワサビをちょこんと乗せても、マヨネーズをびちゃびちゃにかけても良い。キムチや納豆、オクラなんかも具材として優秀だ。私は上級者なので、カニクリームコロッケや一口チキンカツを乗せることもある。もう何でもありだ。
KTKGは企業の理想であり、また自由の象徴でもある。いつか米国では女神の代わりに茶碗の像が立つことだろう。
良いところばかり説明すると偏向報道だと思われる可能性があるので、悪いところも紹介しておく。
まず一つ。味がよくわからない。
いや、美味しいのは間違いないのだが、沢山食材が入っているせいで、もうぐちゃぐちゃになってよくわからん。レシピのすぐ下で食材それぞれの良さを述べたが、あんなものは目に見えるから分かるだけで、混ぜたらもう全然わからん。まあ、だからこそ一つや二つ欠けたところで美味しさが変わらないのかもしれないが。
時々、ただ混沌そのものを食べているのではないかと錯覚する。もしかしたらKTKGのKは混沌(カオス)のKかもしれない。
もう一つの悪いところ。作るのがめんどくさい。
卵かけご飯の良いところは「手軽に」栄養を補給できるところだ。ところが、TKTGはその強みを完全に消している。「卵かけご飯を食べたい」は同時に、「簡単に食事を済ませたい」なわけで、全くターゲットにアジャストできていない。こんな自己の強みも把握できていない卵かけご飯は、もし企業だったらすぐに潰れてしまうだろう。やはり生まれ変わってもこれを食べる側でありたい。
以上がKTKGの良くないところだ。まあ料理に正解はないし、あるとすれば「美味い」だけが正解だと思う。そう考えれば、たとえ食材の味が分からなくとも、KTKGが正解であることは間違いない。
それにめんどくさいとはいえ、それは一般的な卵かけご飯と比べた場合の話であり、他の料理と比べれば簡単な部類に入ると思う。特に私は刻んだミョウガと大葉とネギを大量に常備しているので、実際には殆ど乗せるだけだ。だから手軽であるという強みが完全に消えているわけではないはず。多分。
とにかく、この最強で至高で完璧で混沌な卵かけご飯を一度試してほしい。本当に美味いから。たくさん具が乗ってるのって最高じゃん。きっと満足のいく手軽で幸せな昼食の時間を彩る料理になってくれるだろう。と、私は信じている。
こんなところで使うお金があるなら美味しいコーヒーでも飲んでくださいね