(注:本稿は、2022年に初投稿したものの再録です。)
いつもの図書館の新着書リストを覗いていて目に留まった本です。
環境問題にいち早く警鐘を鳴らした書物として有名な「沈黙の春」の著者レイチェル・カーソンの遺作ということで手に取ってみました。
幼いロジャーとともに自然溢れるメーン州の海岸と森を散策した様子を綴った小品です。
エッセイのような体裁で、とても大切なレイチェルからのメッセージが穏やかな語り口で綴られています。
そのいくつかを覚えに書き留めておきましょう。
まずは、本書のタイトルでもある「センス・オブ・ワンダー」に触れているくだり。
そして、レイチェルは “この感性(=センス・オブ・ワンダー)の大切さ” についてこう続けます。
こういったメッセージを綴ったレイチェルによる小文のあと、4人の方々が、それぞれに「センス・オブ・ワンダー」をテーマにしたエッセイを寄せています。
その中から、まずは生物学者福岡伸一さんが語る「センス・オブ・ワンダー獲得仮説」。
その母体は、「こどもの遊び」にありました。
そして、もうひとり、東北大学教授で神経科学者の大隅典子さん。
「子どもの教育では “知ることより感じることが大切”」というレイチェルの考え方を受けて、こんなコメントを記しています。
最後は “正解信仰” の否定というちょっと現実的な言い様ではありますが、“豊かな感受性” を育むことの大切さを説く姿勢は同根ですね。
本書を読んで、早く「沈黙の春」にトライしなくてはと改めて思いました。