改めて民泊・ゲストハウスが電子決済を導入すべき理由

この度「ゲストハウス黒崎BASE」でPayPayによる決済を導入しました。以前は暗号通貨「ETH」による尖った決済方法を導入していましたが、今後の展開を踏まえ、よりユーザーフレンドリーな決済手段を取り揃える方向性にしました。

Airbnbのプラットフォームの利用前提であれば色々と保証を受けられるので乗っかる越したことがありませんが、追加オーダーや飲食サービスの提供など例外も多く存在します。

今回、電子決済を導入した経緯と期待する効果を説明します。

B&Bビジネスの決済フローの課題感

BnBとは「Bed & Breakfast（ベッド＆ブレックファスト）」の略語で、寝床と朝食だけを提供する小規模な宿泊施設のことを指します。現在、多くの民泊事業でスタイルが多様化していますが「黒崎BASE」は一軒貸し型のゲストハウスとして経営し、一度に多くのグループが集合し、観光拠点や合宿場として利用するケースが殆どです。

したがってAirbnbなど大手のプラットフォームによる事前決済がなく、突発的に発生した宿泊予約や連泊が発生した場合にあらゆる外貨決済や割り勘が発生することとなります。この場合オペレーション上で色々と問題が発生します。

大手プラットフォームを介さないオペレーションの効率化

Airbnb利用による動線の場合はプラットフォームで事前決済の為、決済手順に煩わしさはありません。しかし、突発的に発生した宿泊以来や連泊に関してはプラットフォームを介せない場合があるのでスタッフオペレーションが煩雑になったり、行政に提出する記録としての帳簿が取りづらい課題がありました。

今後はそういったプラットフォームに依存しすぎないチェックインとチェックアウトのオペレーションを検討しなければなりません。

例えばFBやinstagramなどSNSや個人の紹介などの経由では管理がしづらく現金による預かりになってしまうことも想定できますが、相手が日本人だけとは限りません。現地の決済をスマートにすることでゲストの心地よい滞在体験を維持することができます。

ゲストの行動履歴（データ）を預かる

現金による預かりになってしまう場合は、正しく滞在履歴と決済記録が取れないリスクが生じます。これは新型コロナウィルスの件をはじめとした災害発生時など「非常自体」が発生したときにデータや記録の取得を怠ると、然るべきときに補助金や安全保証を受けられない結果を招くからです。

民泊は今や"個人の商い"でなく、ホテルや旅館業と同様に地域の観光業を支える産業になりつつあり、どれだけの人を地方に招致でき、経済活動を行ったかの記録は曖昧にするべきではありません。

また営利的な目的だけでなくゲストの安全を守ることそのものであり、仮にゲストの旅路で感染症が発生したり、トラブルに巻き込まれた場合は重要な情報源になります。

ホストは嫌々で自治体のデータ提出の要請に応じるのではなく、ゲストのプライバシーを守りながら必要な行動履歴や決済記録をとることはサービスを行うことの社会的な義務となるでしょう。no more "手渡し"。

衛生管理と感染拡大防止の為

個々まででお気づきの方もいると思いますが、現金の手渡しの決済手段はあらゆる"接触"が発生します。いくらドアノブやトイレなどで除菌処理をおこないソーシャルディスタンスを保ったとしても、不特定多数の人が触った金銭・紙幣を扱うことはリスクが伴います。

Airbnbの清掃・除菌のガイドラインがいかに堅牢になろうとも、現金自体を徹底洗浄することはできません。ゲストを守るのはルールやガイドラインではなく現地で対応するホスト自身なので倫理観を持って対応することに意味があります。

今後、電子決済は単純な決済効率化だけでなく衛生管理面でも重要な意味を持つこととなるでしょう。

まとめ

「ゲストハウス黒崎BASE」では、PayPayの回し者ではありませんが当ゲストハウスが所在する石川県で他の決済サービスに先んじて営業所ができたのが機会となりました。

あくまで、数多ある電子決済方法の一つに過ぎませんが、コロナ禍においてはITリテラシーの有無に限らずテクノロジーを活かしたビジネスの拡張や、新たなサービス業のあり方が問われています。

未だに電子決済を導入を渋っている店舗さんも多くありますが必ずしも悪とはいいません。一つ言えることは「怠慢」でないかということです。

暗号痛がブームがひと仕切りした今だからこそ、電子決済の意味と金銭をやり取りする営みを見つめ直す良い機会ですね。

ゲストを守るのは堅牢なルールや見栄えの良いガイドラインでなく、ホスト自身の理念からくる倫理観です。

以上 @norinity1103でした。