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硬くなったバゲットと私を料理する【4度目のソロキャンプ2021①】

パンのことを考えながら日々をもやもやと過ごし、日常を抜け出して、侍のように、バックパックにバゲットを一本突き刺して、ソロキャンプにやって参りました。
わーい。
2021年初であり、通算4度目のソロキャンプ。ちょろちょろと綴っていきます。なんか、いつにも増して食べ物ネタばかりになりそうな予感ですがよろしくです。


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前回のキャンプではメスティンで米を炊くことに夢中になっていた私だが、今回はネクストステージ〜パン編〜に突入してみることにした。


フランスやスペインやベトナムを旅している最中ぐらいでしかバゲットを食べない私だから、バゲットを日本のパン屋さんで買うというだけで異国の気分になる。
なにやらいろんな種類のバゲットがあって、よく分からずに迷ったが、アルチザンバゲットという、意味のわからないものを1本買った。
これで2泊3日、主食として足りるのか不安だったので、保険として米を1合、ビニール袋に入れてバックパックに忍ばせて出発。バゲットは、スペインの巡礼路で多くの旅人がそうしていたようにバックパックのサイドポケットに突き刺して(蓋のところに横に刺す人もいたが)、収まりの良い感じにして背負う。

そしてキャンプ場にて、自然界の神とゲバラに一度、献上。
祈りを捧げる。
さて、こいつをどう料理してやろうか。

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バゲットを袋から出す時に驚愕の事実を知る。
バゲットが人を殺せるくらいに硬い棒になってしまっている!!
なんと!!
こんなの食べれるのか…。
絶対、前歯折れる。
ペグも打ち込めそうな硬さ。ハンマーを持ってこなくても良かったかもである。
震える手でiPhoneで「バゲット  硬い 柔らかくする方法」と検索。
この鈍器は私の主食なのです、助けてくださいませ。
願うように検索すると、同じことを調べている人がたくさんいるらしく、ちゃんと解決方法が書かれているサイトがいくつもあった。命拾いした。
ベストアンサーとしては「霧吹きで水をバゲットの表面に吹き付けてアルミホイルで包んで焼くとふわふわになるよ」というもの。霧吹きは、アルコールスプレーしかないから却下。
手抜き編として「手を水で濡らしてバゲットの表面全部を濡れた手で2回撫でて焼く」という方法もあり、それを採用することにした。
念入りに、2回と言わずに何度も手を濡らしてしっとりさせ過ぎてしまったが、コンロで焼くと本当にふわふわになった!!
便利な世の中になったものだ、iPhoneよ、ありがとう。
その感動とともに、このカチカチのバゲットで人を殴り殺して、水で濡らして焼いて食べれば証拠隠滅で完全犯罪になるのでは…「バゲット殺人事件」とかサスペンスドラマでやらないかな、などというくだらないことを思いついて、一人で青空の下、ほくそ笑んでいた。
キャンプにやって来たら、ガチガチに硬くなっていた私の脳も、完全犯罪を思いつくくらい柔らかくなっているようで安心した。日々の仕事や緊急事態宣言での自由の制御によってガチガチに硬くなった心と体と脳。それらをほぐしたり柔らかくする時間。それが私には必要だった。
やっと来れたなあと安堵する。

そして、ソロキャンプの昼メシとして、ゆっくり時間をかけて、トロトロにほぐすのに持ってこいの料理、チーズフォンデュをやることにした。
おフランスから来たカマンベールチーズ!
KALDIで見つけてきたもの。KALDIはもはやちょっとした旅先である。

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このカマンベールチーズの表面をナイフで薄く円形に切り取って剥がし(それは口の中へ)、アルミホイルで包み、火にかける。
カンボジア旅で以前買って帰ったロックラックとかいう胡椒(ぽいスパイス)をパラパラと振りかける。
味の異文化交流や。
カンボジアの胡椒は世界一美味いと言われているよ、アンコールワットとともに試験に出るから覚えておいてね。

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火にかけてとろけるまで待つ…。
と言ってもそんなに悠長にぼけーっと待ってはいられない。

チーズフォンデュって意外と忙しいのである。
ジョンソンヴィルのウインナーを切って焼いて、バゲットを切って焼いて、後はめったに食べない野菜も揃えないといけない。
色んな種類の野菜を買って、切って持ってこようかと思ったが、残りの野菜を食べる自信がなく、面倒くさいので、道中のセブンイレブンで見つけたミニサイズのサラダを買ってみた。

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こんなの買ったことないし、金輪際買うことはないサラダ。これ買うくらいなら100円ちょっと足して牛丼買うでしょ、普通(私の普通)。
このミニサラダは、わざわざお外でチーズフォンデュをしようとする人のために存在しているのではないかとすら思った。このサラダには、ブロッコリーと茹でてあるじゃがいもとタコと豆がちょびっとずつ入っていて、チーズフォンデュの具にちょうどいい。
あとはミニトマトと冷凍のカットカボチャを家から持ってきていたのでそれもセット。
(ああ、もうちょっと綺麗に盛り付ければ良かった...。時が戻せるなら、噛みちぎったバゲットを隠したい。)

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そうこうしているうちにグツグツとチーズが溶けて煮えだしたので、家から持ってきたチョコレートフォンデュセットの何て言うのかな、いわゆる「刺すやつ」を取り出して、チーズにウィンナーをIN!ちなみに、チーズ入りのウィンナーをカットしている。ダブルチーズで中からも外からも攻めた。
美味い!
チーズフォンデュは、好きじゃないブロッコリーが意外といけるが、大好物のカボチャがイマイチだという発見をした。(多分冷凍カボチャが溶けてべちゃべちゃだったせい。)

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そして、バゲットが直火だとすぐに黒く焦げるので、焼くのが難しいことも学ぶ。
メスティンの蓋を通して火にかけるのがカリッとしてちょうど良かった。学びだらけである。
うーむ。
奥が深いぞバゲットよ。
食べなきゃいけないバゲットのメニューがまだまだ控えているので、3分の1だけ食べて終了。
少し物足りない気がしたのでお菓子を食べて、昼寝。
4度目になる、2021年初のソロキャンプ。
おフランスの味わいから順調に始まったのである。


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