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世界一美しい本屋 〜ポルトガルの美しい街ポルト①〜

スペインの巡礼で知り合った仲間たちと、互いに旅をするのにおすすめの国について話し合ったことがあった。


ヨーロッパに住む女性陣はだいたい口を揃えて一言目はチェコのプラハが美しいと言っていた。それに異論はない。
次に圧倒的に人気なのがポルトガルのポルトだった。
ポルトガルはリスボンとロカ岬くらいしか知らなかった私に対して、ベルギーのキティーや、スイスのリナ、スロバキアのマリ、フランス在住のジュリアの4人が「ポルトを知らないなんて信じられない!」と言い、皆んなが口々にポルトの魅力について語ってきた。
女性陣がポルトについて熱弁していたことをまとめると主に4つで、
①ハリーポッターの世界観を持つ世界一美しい本屋がある。
②街並みが丸ごと全部ミュージアムと言っていいくらい美しくて歩いてるだけで幸せ。
③ポルトワインが美味しい。赤でも白でもない、絶品の緑のワインがある。
④肉好きの私が絶対好きになる想像つかないサンドイッチが名物。

もうこれは行くしかないな、と思ってカミーノを歩き終わってから突如、弾丸ノープランで私はポルト行きの長距離バスに乗り込んだ。

今日は①の本屋の美しさについて、
思い出してみることにする。

その本屋の名前は
『Livraria Lello & Irmão』
レロ・イ・イルマオン書店
R. das Carmelitas 144, 4050-161 Porto


地図も持たずにポルトガルまで来たので、
仲間から聞いた情報と、Google mapだけが頼りだ。

入り口は可愛らしい雰囲気。
思ってたより地味で目立たなかった。
これが本当に世界一美しい本屋なの?と半信半疑。

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入り口をくぐるとこの世界!

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美しすぎる。
吹き抜けで気持ちがいい。
思っていたより小さな本屋ではあるけれど、この世界に溶け込んでいたいと思わせる雰囲気がある。
ハリーポッターの作者がポルトで働いていた時にこの本屋によく来ていたらしく、ハリーポッターの世界観もこの本屋の影響を受けたのでは?という説がある。真偽は分からないし、ハリーポッターも実はちゃんと見ていないが、この本屋は、確かにあの音楽が似合いそうだしフクロウも飛んでいそうだし、魔法使いが読みそうな本があってもおかしくなさそうな世界観ではある。

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この曲線の階段は「天国への階段」と呼ばれていて、螺旋階段で天国に登る。
階段のカーブが何とも味わい深い。

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赤い絨毯と木のカーブがたまらない。
壁や階段の裏の繊細な彫刻が重厚感を漂わせている。
この階段の裏側のカーブが特に好きだ。

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私には外国の本屋さんには好んで入る習性があるのだが、ここの本屋は本当に好きだ。雰囲気がいいし、匂いもいいし、長居したい。
人が多すぎてとても長居はできないが。

ポルトガル語じゃなければ何冊か本を買いたかった。
いや、今思えばポルトガル語の本こそ買えば旅の記念だったのに、と後悔している。本は読むものと決めつけ過ぎていた。飾ったっていいのだった。

それと、ハルキストの私には、村上春樹の本が置いてあるかを海外の本屋に入ったら必ずパトロールするという任務があるのだが、
ここにもちゃんと「Haruki Murakami」のポルトガル語バージョンが何冊か置いてあった。やれやれ。

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天国への階段を登った2階の天井はステンドグラス。
ここは教会だったかな?と錯覚してしまう。

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これは確かに美しい本屋だと認定。
「世界一」を謳う場所や物は、一つではなく世界にいくつもあるものだから、世界一の称号も許そう。

この本屋は1869年創業で世界遺産に登録されている。
大体、ポルトの街全部がそもそも世界遺産なのに、
本屋をピンポイントに世界遺産している。
世界遺産の中の世界遺産ってわけか。
そのせいか、入場券を5ユーロで買ってから並んで入らなければいけない。
その券がバウチャーになっていて、本を買うときにレジで5ユーロ分引いてもらえる仕組みとのことだったので、私はレロ書店の「天国への階段」の特に好きなアングルでイラストが描かれたノートを選んでレジに持っていった。
レジでバウチャーを見せて5ユーロ値引きしてもらえるかと思ったら
「Notebook is not a Book.」
というシンプルな英文で値引きは断られた。
痛いくらい英語の意味が分かってしまった。
そうか本を買わないと値引きしてもらえないルールか。
5ユーロ引いてもらえる想定で選んだ高級ノートだったが、引くに引けずカード払いで購入。
7.4ユーロ(当時1000円くらいだった!)という高値で買った「天国への階段」ノート。
それも含めて世界一で思い出深い。

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ちなみに私のnoteの見出しの
「TODAY IS A GOOD DAY」の写真も
ポルトのドイロ川の橋から撮ったお気に入り。
2日しかいなかったポルトの写真を
またいつか。



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