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映画館でレイトショーの映画が見たい

コロナでいろんなものを自粛していた。
旅は確実にまだまだ自粛しないといけないし、
夜中まで飲みに行くというのはもちろん、
外食もまだ少し自粛中。
中でも、地味だけど、
確実に私の普通の日常生活で
自粛を余儀なくされて圧倒的な痛手を負ったのが
「映画館に行けない」ということだ。

映画は、持っているDVDや
Amazonプライム、Huluでいっぱい見れる。
普段あまり見ない邦画作品や
何度も見たお気に入り映画なんかを
ステイホームしながら見たが、
そのうち、お気に入りの海外ドラマをもう一回見直すというゾーンに入り、
ホームランドやウォーキングデッドを
また始めから見たりして、
海外ドラマは長いので、結局、映画からは離れた。

私は映画が好きなんだけど、
映画館で見るのが好きだ。
これは映画好きの友達と意見が分かれ、
昔、徹底討論したこともある。
本当に映画が好きなら家で集中して見て
何度も気になるところを巻き戻して
繰り返し見るべきだという偏屈友達がやや優勢だった。
それは分かる。
私も映画館で見て好きなものは多くて3回見に行くし、
半年後くらいにDVDを買う。
それはそれとして、
映画館で見る良さってのがあるのよ。

1900円も払うのがもったいないという意見も重々承知しているけど、私も40代のいい大人の独身の職業人ですので、
それくらいの投資をすることくらい気になりませんの。
と言いつつ、料金の安い水曜のレディースデイかレイトショーしか見にいかないけど。

特にレイトショーの映画を見るために映画館に行くのは、
仕事から開放された感がすごい。
1100円から1400円で手に入る私だけの贅沢な時間。
平日の、特に金曜の夜なんかに、
20時半近くまで残業して、レイトショーの時間に合わせて
映画館へバタバタと向かう。
今週も忙しかったー、ちかれたー、腹減ったー。
なんて思いつつ、
大急ぎで
閉店間際の梅田の地下でテイクアウトするものを選ぶ。
ちなみに、余談だが、
いつもどんな時もほか弁はカツ丼を選びがちな私だが、
映画館ではカツ丼弁当は向かない。
暗闇の中の丼物は難しいし、
カツの部分か卵の部分かが見えないから食べづらい。
あと、
カレーはわかってると思うけど臭いがヤバイからダメ。
覚えておいてね、映画ファンの皆さん。

あまりに時間がなければ、
梅田のルクアの上の映画館の階の
「ファミマ!」と書かれたファミリーマートなんかで
おにぎりやお菓子を買って滑り込む。
レイトショーは空いてるから
安心して両隣誰もいない席で見れる。
念のため後ろから蹴られない最後列に座り、
爆発音に合わせてバリバリっとビニールを破り、
静かなシーンでは動きを止める。
そうやって、何とか包装を剥がし、
ムシャムシャ食べ始める。

(あ、しまった。
今気づいたがあの映画館は持ち込み禁止だった。
持ち込んでいないテイでお願いします。)

で、いろんな予告編を見て、
あ、面白そう、次はこれを見ようと思っているうちに(でも映画館で見た予告って何故か映画館を出る頃にはすっかり忘れている)、本編が始まる。
さっきまで仕事をしていた私の、最高に贅沢な現実逃避。
友達と見るとなかなかこうはいかない。
一人で映画の世界に入る。
宇宙に行く関連の映画は、スクリーンが暗くなるから
レイトショーでは眠りに落ちる率90%だが、
全然もったいなくなんてない。
泣いたり笑ったり眠ったり食べたり飲んだり。自由だ。

映画館の椅子と、音響の良さ。
終電を気にしながら帰りに急いで買うパンフレットを
コソッと開いて、まずは折り目の所の匂いを嗅ぐ。
全て最高だと気分がいい。
パンフレットの紙と印刷の質によっては、匂いがイマイチな時もある。どちらにしろ、それを味わって帰る夜が最高。

あの映画館は梅田の屋上にあるから、
寝静まった0時過ぎの都会の夜景を見ながら、
イチャこいているカップルを見ないフリして、
長いエスカレーターで一気に気持ち良く降りる。

またあっちの映画館はスカイビルを見上げながら
駅まで歩いて帰る道のりが気持ちいい。
初夏なんて中庭で蛍を放っていて、
時々外まで逃げてくる蛍が運が良ければ見れる。

もう一つお気に入りの映画館は、
塚口にあるインド映画に強い独特な映画館で、
トイレも綺麗、インド料理も美味しい。
あの映画館に行くためにしか利用しない駅だから
帰りの夜の電車が旅の帰りみたいな感覚になれるのがいい。

レイトショーを見に映画館に行くというのは、
この一連の流れを指すし、
私だけのお気に入りの時間なのだ。

今、映画館は再開したが、レイトショーはまだの所が多い。
早く。
早くレイトショーを見に行きたい。
最初に何を見ようか悩む。
映画館に長い間行っていないから、
面白そうな映画の情報が疎くなっている。
公開日もずれ込んでいてよく分からない。
本編の前にやる映画の予告を今こそ見たくて仕方ない。
少し次の作品選びに緊張してしまう。
慎重になる。
お気に入りの映画に出会えたら
誰かを誘って2回目、3回目を見に行きたい。
何となくの気持ちで適当に選んだ作品を見て
イマイチやったなと思いながら帰ってもいい。
とにかく、
繰り返し映画館に通う日常に早く戻りたい。


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写真は、映画館の予告で見た時に「絶対この映画を見よう!」と思ったことをすっかり忘れてしまって見逃した映画。
ハリウッド超大作以外は、見る機会を逃したらそのまま忘れてしまい見れない事が多く、あとで思い出して悔しい思いをする。

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