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和歌山旅のはじまり【青春18きっぷを持って特急くろしおに乗るの巻】
春なので、青春18きっぷシーズン到来!
という訳で18きっぷを握りしめて和歌山まで行くことにした。
熊野古道目当てなのだが、18きっぷなので、できるだけ遠くまで行きたくなり、初日は紀伊勝浦まで行くことにした。
朝6時台の電車に乗って大阪を出て、13:42に紀伊勝浦駅に到着する予定だった。
紀伊田辺駅で1時間ほど電車の待ち時間があるため、いつものお弁当屋さんに数日前に電話でいつもの弁当を注文しておいた。
お気に入り駅弁を出来立ての状態で確実に手に入れたいから、駅弁を製造している弁当屋さんにまでわざわざ取りに行くのである。
用意周到、準備万端、できる女。こだわりの女。
そして、天王寺で和歌山行きの紀州路快速と書かれた電光掲示板を確認し、電車に乗り込み終点の和歌山駅までただ乗ってりゃいいなと思い、もう余裕しゃくしゃくでウトウトし始めた。
大阪は私の庭であり、和歌山方面へもしょっちゅう電車で行くので自信満々であった。
そしてグウェン・ステファニを聴きながら電車に揺られて夢の中にいたら、何故か関西国際空港行きの電車になっていて空の玄関口に到着した。
なんで。
どうやら前と後ろの車両で行き先が違っていて、日根野あたりで切り離されたらしい。
私の乗ってない側の車両は今頃和歌山駅に着いていて、私の乗っていた車両は関空に着いた。
そんなばかな。
とりあえず大急ぎで反対方向に戻る電車に乗った。
かなりのタイムロスとなり、紀伊勝浦到着は日が沈んでいそうな予定時刻。
18きっぷで乗る特急以外の電車は、何時間かに1本しかない路線なので、ほぼ今日の予定あれやこれやは全てTHE ENDとなった。
日根野駅まで戻って、特急料金6000円くらい払って特急くろしおに乗ろうかな、どうしようかなぁと迷っていたら、駅の通路にとあるポスターを発見。
「チケットレスで予約すれば平日は特急くろしおが新大阪から紀伊田辺まで500円で乗れます!」というお知らせであった。(何なら京都から紀伊田辺まで500円だし)
なんと!!
6000円以上する特急がたった500円?!
それをもっと前から知っていれば、18きっぷも買わなくて良かったし6時の電車に乗る必要もなかった。
やはり、情報を制するものが人生得をするという世の中の仕組み。
悔しすぎる。
私としたことが。
とか悔やんでる時間も惜しいくらい時間がなく、特急くろしおの発車時刻が8分後で、発車時刻2分前までに購入しないと500円では買えないらしく、手に汗握る展開でiPhoneを打ちまくり、カード番号もコピペで入力し、発車時刻の4分前に無事くろしおを500円で購入し、駅の中を走ってくろしおに飛び乗った。
我ながら素早い行動であった。
何でこんなドタバタなのか謎だが、熊野古道を歩く前から汗だくになった。
私の飛び乗った特急くろしおは、私が18きっぷで乗るはずだった電車をさっさと途中で追い抜いて、当初の18きっぷ旅の予定より早く、あっという間に紀伊田辺駅に到着。
関空に寄り道して予定より早く到着する謎展開であった。
紀伊田辺から先は、紀伊勝浦まで18きっぷでのんびり行くので、例のいつもの弁当を買ったり観光案内所で勝浦の生まぐろマップのパンフレットを貰ったりなどして、今度は18きっぷで普通電車に乗り込んだ。
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そして、本州最南端の駅「串本駅」到着。
また1時間ほどの待ち時間があるので、一駅先の紀伊姫駅まで歩くついでに、いつものアレを見に行くことにした。
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串本駅は本州最南端で有名だが、映画化もされているエルトゥールル号事件というトルコの軍艦の沈没事件でも有名。
トルコの教科書にも載っているくらいトルコでは有名な土地。自分の先祖がトルコ人を助けたんだよと教えてくれるおじさんがいた。
親切な行いが海を越えて伝わるのは誇らしい。
そんなトルコで有名なスーパーヒーローの末裔が住む串本の海辺を、20分ほどのんびり歩いて橋杭岩へ。
干潮時だったため、以前に来た時よりも少しダイナミックさに欠けたが、それでも一列に並ぶ岩が格好良い。
相変わらずグイグイきている橋杭岩。
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地平線を見ながらトルコを思う。
トルコ雑貨の店も橋杭岩の近くにあるから、電車旅でなければグラスを買いたいところだが、今日は我慢して通り過ぎた。
一駅先の無人駅「紀伊姫駅」は海の真ん前。
砂浜の石が丸くて波音が奇妙に「シャラシャラシャラー」と鳴る。
ここの独特な波音が好きなので、いつもの弁当はここで電車を待つついでに食べることにした。
ザパーン、シャラシャラシャラー。
誰1人いない海岸でお弁当。
最高のランチタイム。
いい出だしである。
行きのドタバタをすっかり過去のものにしてそう思う。
食べ終わって紀伊姫駅に戻ると地元の人らしき人が2人電車を待っていた。
無人駅でも利用する地元の人がいるのだなと当たり前のことに気づく。
駅の桜は葉桜になっていたが、風で花びらが散っていてとても綺麗だった。
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さて、紀伊勝浦駅まであともう少し。
行きの電車では、アフガニスタンのカブールが舞台の「ソルハ」を読んで過ごす。
児童向けの小説で読みやすく、イスラム教のこと、タリバン、戦争のことなどを分かりやすく書きつつ、登場するアフガンの家族に心を寄せて、胸がギュッとなるような、今の情勢に重なるような、大人でも読み応えのある小説だった。「ソルハ」とは平和という意味と知る。
とても平和な春の日に、旅をしながら本を読める自分の境遇の幸せを感じながら。
(作者の帚木蓬生氏の別の作品、精神科病院を舞台に書かれた映画化された「閉鎖病棟」も面白かった。ソルハも、ストーリーは大人向けなのにシンプルな文体で読みやすいのでおすすめ)
#春の紀州熊野古道旅 でまとめます。
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