水分不足にご注意|産経新聞連載「薬膳のススメ」(98)
今日から8月。
毎日暑いですが、「お水を飲んでいたら脱水にならない」と思っていませんか?
飲み水も大事ですが、本当は…
ということについて、98回目の産経新聞連載「薬膳のススメ」に書かせていただきました。
まだ土用期間です!
心を笑顔にする薬膳師、漢方カウンセラーで国際薬膳師の池田のりこです。
7月20日から8月6日までは「土用期間」といって、季節の変わり目で体調を崩しやすいときです。
「え?!まだ暑いから季節の変わり目じゃないよ!!」と思われるかもしれませんが、二十四節気では8月7日が立秋で秋のお誕生日なんです。
もちろん、生まれたてなのでまだまだ秋らしさはないのですが、お盆過ぎから雲や風が変わったりしますよね?
土用は、立春、立夏、立秋、立冬の前の17日間ほどをいい、年に4回あります。
どの土用期間も消化吸収システムが乱れて、食べたものから体に必要な栄養を作りにくくなります。
夏の土用は要注意!!
どの土用も消化吸収システムが乱れやすいのですが、夏の土用は要注意です。
気温だけでなく湿度も高いので過ごしにくく、冷たいものや簡単な食事で済ませがち…。
栄養が足りず体力を消耗しやすいです。
さらに、暑くて汗をたくさんかくと、体に必要な水分が減ります。
食べ物で作るより汗で出る方が多いと、体は脱水状態になります。
飲み水では体に必要な水分は作ることができません…。
食べ物から作らないといけないのです。
汗をかくと、たくさんの気を消耗します。
汚れた水から汗に変えるとき、汗を出すとき、汗を止めるとき、それぞれに気が働いてくれています。
大量に汗をかくと、同時に大量の気が減ります。
そして、気が消耗すると汗を止められなくなって、どんどん脱水に近づくのです。
だから、夏場のサウナは要注意なんです!!
「汗をかく=デトックス」ではありません。
大量に発汗して良い人は、体力があって余分な水を溜め込んでいるむくみ体質の方だけ。
のぼせやすい更年期の女性は、気をつけて下さいね。
体の「水」はひとつじゃない
体の中の水は、「体に必要な水」と「汚れた水」があります。
「体に必要な水」がないと、冷却水としての仕事ができず、体が熱くなってしまいます。
失った分は作らないといけません。
「汚れた水」は、汗や尿などで外に出さないといけません。
これが溜まるとむくんだり、悪いできものを作ってしまいます。
「体に必要な水」はキープして、「汚れた水」は出すというのが鉄則。
これが逆転して、「体に必要な水」がなく、「汚れた水」がたまると、熱中症のようなだるさを感じやすくなります。
「体に必要な水」を作り、「汚れた水」はしっかり出しましょう。
瓜系の食べ物を食べよう!
「体に必要な水」を作り、「汚れた水」はしっかり出すという神のような食べ物が、あるんです!!
それが、きゅうり、白瓜、ズッキーニ、冬瓜、はやとうり、まくわうりなどの瓜系の食べ物です。
これらの食べ物は少し冷やす性格です。
エアコンで冷えたり、湯船につかからずシャワーで済ませたりしている方は内臓が冷えているので、豆板醤や辛子などの辛味をうまく使うと良いですよ。
来週からはこれも足して!
8月7日の立秋からは自然界で乾燥の気が増えます。
そうなると、潤いが大好きな肺というシステムが困ってしまいます…。
機嫌を損ねると、鼻やのどの乾燥、乾燥肌、空咳、コロコロ便などの便秘などの症状を出して、私たちに「潤いちょーだい!!」とアピールしてきます。
そうならないように、肺を潤わせてご機嫌にする白木耳、ズッキーニ、れんこん、いちじく、すだち、梨、桃、りんご、松の実、チーズ、牛乳、はちみつ、氷砂糖などを少しずつ足していきましょう。
陽の季節から陰の季節に以降していくときは、免疫力も下がりやすいです。
睡眠時間をしっかり取って、心身のバランスを乱さないように養生しましょう。
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